表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

第一話「雨の教会と灰色の影」

村の東にある古い石造りの教会では、今日も鐘が鳴らなかった。

 ミカエル村の人々は、もはやその沈黙に慣れきっていた。神父が病で倒れて以来、祈りの場所はただの石の箱に変わっていたのだ。


 そんな中、教会で掃除を任されている少女――マリアは、変わらず教会に通っていた。

 14歳。白いワンピースに茶色のカーディガン。明るく笑い、冗談を言い、誰とでも仲良くできる。で も、本当の彼女を知る者はいない。


 ある雨の日のことだった。


 雨音が天井を叩く中、マリアは祭壇を拭いていた。

 そのときだった。奥の納戸の扉が、ギィ、と音を立てた。


 「……誰?」


 誰もいないはずの教会に現れたのは、一匹の猫だった。


 灰色の毛並みに、青い瞳。

 そして咥えていたのは、どこかで見たような小さな杖――


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ