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スマホのアルバム20万枚超えたしちょっとずつ見てくか!  作者: 七宝


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⑰当日

 このサイトには七宝さんという痔の先輩のエッセイがあるので、それを見て持ち物の準備をします。


 23時からは絶食、そして当日の9時から絶飲です。ちゃんと守って当日を迎えます。


 コケコッコー!!!!!


 怖い人に脅されてニワトリの真似をしているのではありません。朝だよというのを伝えたかっただけコッコー!!!


 ワン!


 これはただの口癖でしゅ。


 朝もめちゃくちゃシャワります。全裸になるので、隅々まで綺麗にしておく必要があるのです。汗の一滴も許されません。


 泣きながら病院に行きます。少し早く着いたので、ロビーのソファに横になります。痛すぎて息切れしながら待ちました。隣でおじさんが優雅にサンドイッチ食べてました。いいなぁ。


 4分前になったので2階の受付へ向かいます。思ってたより歩けません。ヤバい、遅刻するかも。


 なんとか時間までに着きました。簡単に受付して、提出するものを出して、入院する7階のナースステーションへ行きます。


 ナースステーションに着くと、恐ろしく美しい女性が出てきて、挨拶してくれました。こんな絶世の美女が担当!? と恐れおののいてると、「お薬手帳と持ってきた薬をください」と言われました。昨日作ったお薬手帳と、抗うつ薬を渡します。「( 'ω')アザッス」とそれらを持って去っていく美女。どうやらこの方は薬剤師だったようです。


 その後、40代くらいの看護師さん(Zさんとする)が部屋まで案内してくれました。今回はこの人が担当だそうです。


「お前のお部屋は個室になります」


「ファエッ!?(ФωФ)」


 個室とな!?


 前日、病室についての説明を受けていました。4月の時もそうだったのですが、基本病室は4人部屋で、無料です。ただし、急患が多かったりして埋まっていた場合は1日5500円の個室になることがあります、とのことでした。


 つまり、この瞬間11000円追加されることが決定したのです。


「そっか⋯⋯大怪我の人とかが来たんですね⋯⋯しゃーないっすね」


「そうですね⋯⋯」


「デカいっすね⋯⋯11000円⋯⋯」


 私が絶望の表情でそう言うと、Zさんは「ちょっと聞いてきます!」と言ってその場を離れました。


 2分後、Zさんは元気な顔で帰ってきました。


「こっちの都合なので、今回は無料で良きです!!!!」


「マッ!?!?!?!?」


 まさかの展開に1文字しか喋れませんでした。人ってビックリするとこうなるんです。


 ということで無料で個室ゲット。


「ただ、死にそうな奴が来たら夜中でもお前追い出すから(意訳)」


 条件付きでした。


 現在時刻11:30。手術は2時からの予定だったので、それまでに着替えとおしっこを済ませておきます。


 緊張⋯⋯しません。


 今回はなにをされるかだいたい分かっていますし、なによりお尻がヤバ痛い。緊急性のあるお尻なので、一刻も早く解放されたかったのです。なのでむしろ楽しみ。


 13時12分、知らない看護師さんが部屋に入ってきました。


「手術1時半からになったって聞いてます?」


「えっ?」


「10分前までに着替えてクソ小さ靴下履いといてくださいね」


「は、はい」


 7分しかないがな!!!!!


 心の準備が!!!!


 出来てない⋯⋯


 大急ぎで靴下を履きます。


 あれ、こっち向きでいいのかな。なんかかかとの位置が⋯⋯それにしても小さいなこれ。履くのも脱ぐのも大変だ⋯⋯


 そしてパンツ一丁になって手術着を着ます。前回来た時と変わってました。前のが古くなったのでリニューアルしたのだそうです。


 20分に迎えに来たZさんとともに手術室へ向かいます。何階か忘れちゃった。


 そういえば、今回は点滴針を刺されていません。もしかして無し? 嬉しすぎる⋯⋯


 手術室の前まで来たところでZさんが先生に連絡して、壁の窪みに足を突っ込んで自動ドアを開けます。病院ってこうよね。名大病院もこうだった。


「あなたは誰ですか? 何しにきましたか?」


 手術室に来るとこの質問をされます。


「七宝ちゃんです。痔の手術に来ました」


「よし、通れ」


 手術室には先生がいました(そりゃあそう)。


「そこに寝てね」


 激細(ゲキホソ)のベッドに横になります。これが手術台です。


「点滴の針刺すね」


 いかにもベテランの女性が針を刺します。やっぱ点滴あるんだね。


 前と同じく指に脈測るやつみたいたのをつけて、ほぼ全裸になって背中にいろいろ吸盤をつけます。


 麻酔は相変わらず緊張する。内臓がひっくり返るような痛みに苦しみながら、薬剤が入るのを待ちます。今回はけっこう痛かった。


 んで、また首と腕以外にかかりました。前と全く同じです。めちゃめちゃうつ伏せなのにお腹の感覚ゼロ。力抜けまくってるけど内臓大丈夫なんかな。


 少し経って先生が「これ痛くないですか?」と聞いてきました。麻酔確認タイムかな? なにかされてる感じはありますが、痛みはありません。


「痛くないっす。今何してるんですか?」


「すごいことしてます」


「すごいことしてます!?」


 確認タイムの初手ですごいことするの!?!?!?


「これは?」


「大丈夫っす!」


「これは?」


「大丈夫!」


 ちなみに「すごいこと」は執刀でした。あの時点で始まってたんだね。


 前回より感覚がある。痛みは全くないけど、触られてるの分かる。すんごい不快。


 で、前回と同じく10分くらいで首が激疲れてきて、ベッドに顔べったりつけてうつ伏せました。


「大丈夫?」


「首痛くて⋯⋯」


「ふむ」


 ふむ!?


「気分悪いとかないですか?」


「めっちゃ気持ち悪いんですけど、多分空腹のせいです」


「ふむふむ」


 その後、カチカチカチカチ、カチチチチチチ、とカッターを出す時の音みたいな振動が何度か全身に伝わってくるタイムに突入しました。なんらかの器具でなんらかの措置をしてるんだね。


「あーこのカチカチキモいです⋯⋯」


「あと傷口整えたら終わりですからね〜」


 整える⋯⋯?


 てことは縫わないのかな。


 すぐに終わって、またオムツつけてもらってストレッチャー兼ベッドにコロンです。


 病室に戻ると、Zさんと、もう1人若い女性(Vさんとする)が入ってきました。2人で分担して体温と血圧を計り、それが終わるとオムツを開けて出血がないか隅々までチェックしていました。麻酔のせいでこの上なくちんちんがしょぼくれていたのでド恥辱でした。


「出血ないですね!」


「また来るぜい!」


 2人は帰っていきました。


 出血、ないんだ。

 縫ってないのに血出ないってことは、焼くかなにかして止めたってこと? それともなんか塗ると血が止まるとか? 一般的に皆さんがどうなのかは分かんないのですが、私は前回同様お尻がどうなったのか知らされていません。「手術した」以上のことは何も分かりません。


 2人に水が欲しいというと、Vさんが取りに行ってくれました。給湯室みたいなところで汲めるのです。Zさんは先に帰りました。


 すぐにVさんが戻ってきて、水を3杯置いてくれました。それから少し会話をしたのですが、めちゃくちゃ関西弁でした。生の関西弁初めてかも。ちょっと感動。


 ベッドを斜めにしてお水を飲みます。体が思うように動かないので飲みづらいです。しゃーない。


 点滴の違和感がすごい。やだなぁ⋯⋯


 私、点滴がものすごく嫌いなんです。アクセサリーも嫌いです。なんなら服を着るのも嫌です。身一つでいたいんです。煩わしいから。


 30分後にVさんが来ました。Zさんはいません。体温と血圧を計って、またオムツを開きます。これ毎回見られるの?


「血は出てません!」


「よかったです」


 さっきと同じような流れでした。これ、血出てたらどうなるんだろう。また手術とか? そんなの絶対嫌じゃん。


 そしてまた30分後、Vさんが来ました。Zさんはもう来ないのかな。私としてはVさんで嬉しいけども。


 また同じ流れです。関西弁がほんとに新鮮。テレビ見てるみたい。


 んでまたまた30分後、またVさん1人。毎回ちんちん見られるの恥ずかしいです。30分なんて何も変わらんでしょ。せめて麻酔切れて普段通りになってから見に来てほしい。本来はこんなしょぼくれてないんです。


 それから徐々に感覚が戻り始めまた。足の先が1番早かったかな。ちんちんはまだでした。話しかけても無視されます。


 1時間後にまたVさん。


 以下同文。


 で!(´;ω;`)それから約2時間後!


 ごはんです。


 看護師さん誰も来ない(´;ω;`)寂しい! もっと関西弁が聞きたい!


 1人寂しくご飯を食べます。まだお尻が動かないので、ベッドを極限まで立てて、うぃーってやりながら頑張って食べます。ご飯だけは4人部屋の方が良かったかも。


  挿絵(By みてみん)


 おかずは右から大根とツナの煮物、タンドリーチキン、サイゼリヤとかにあるにんじんの酸っぱいやつです(名前忘れた)。


 全部味薄かった。前回は普通くらいだったのに。ご飯が進まない。タンドリーチキンの付け合せの野菜がビビるほど不味かった。


 あ、キャロットラペだ。思い出せて良かった。


 あと、デザートにちっちゃいワッフルみたいなのがありました。おいしかったです。


 誰も来ない⋯⋯


 点滴減らない⋯⋯


 はぁ。寂しいなぁ。


 今回はスマホがあったので暇にはなりませんでしたが、麻酔の違和感がキモくてずっとムズムズしてました。前回と同じだ。


 それから時間は流れ⋯⋯


 7時頃、夜の看護師さんが来ました。


「歩けそうですか?」


「いや、まだ感覚が⋯⋯」


「そうかね。歩けるようになったらナースコール押してくれよな!」


「はい」


 ということだったんですけど、歩けるようになったかどうかって立ってみないと分かんなくないですか?


「ちなみに、この点滴って何時頃まで⋯⋯これキモくてキモくて⋯⋯」


 7時時点でまだ半分くらい残ってるので、このペースだと12時までかかるんじゃ?(´;ω;`)


「ああ、そうですねぇ。歩けたら外しましょうか」


「マジすか!」


「いえあ」


 そう言って看護師さんは去りました。仮名何にしようかな。修羅園(しゅらぞの)にしよ。


 それからというもの、私はなんとかして体を動かそうと頑張りました。その結果、5分後に立つことができました。「ふんぬ! ふんぬ!」と言いながら動く方の足だけで頑張ってお尻を引きずり、ベッドの横に足を出せたのです。


 立ってみると、左膝がカクンとなって倒れそうになりました。とっさに壁に捕まって事なきを得ました。掴まって。


 なるほど、麻酔が効いてるとカクンってなるのか。これじゃ到底歩けんわな⋯⋯


 ベッドの右側に立つ私。


 反対側にある点滴。


 管が水平にこっちに伸びてます。


 これ、もしかしたら進まないんじゃ⋯⋯


 死ぬ気で点滴の方まで歩きます。

 すごい、本当に膝が言うこと聞かない。これ転んだらヤバいね。打ちどころ悪かったら死んじゃうし。

 壁にもたれながらゆっくり歩きます。ナメクジみたいに。


 ちなみにこの時、私はフリチンでした。クーラーのついてない部屋でずっとデカい布団を被っていたせいでオムツが蒸れに蒸れ、股間がビショビショになっていたのです。なのでVさんが脱がせて捨ててくれました。


 反対側に着いたので、ベッドに腰掛けます。

 うーん、ベッドが高い。これはお尻に良くなさそうだ。というか純粋に座りにくい。右足だけ胡座みたいにして座ろう。


 ケツヒョコしてベッドに()戻る勇気はありませんでした。あんまりお尻を擦り付けるのはね⋯⋯


 その場で麻酔が切れるのを待ちます。膝カックンがなくなったらナースコール押そ。


 と思った瞬間、修羅園さんが入ってきました。


「どっすか」


「いけます!」


 1秒でも早く点滴を取り去りたかった私はすぐに返事をしました。


「ほんじゃ行きますか」


「あ、ちょっと待ってください」


「なんや」


「今ノーパンなんです」


「あー、パンツここにあります!」


 そう言って引き出しからビニール袋に入ったパンツを出してくれました。


「履けますか?」


「いや履けますよ」


 バカにしてんのけ?


 パンツを持って右足を⋯⋯!?


 左足だけで立てない!? 危な! 倒れそうになった!


「動かないでください」


 そう言って修羅園さんは手袋を2枚取り、装着しました。パンツを履かせてくれるようです。手袋⋯⋯


 看護師さんにパンツを履かせてもらうという体験は実にエッチでした。が、やってもらってる間「手袋⋯⋯」と思ってました。まあパンツも汚い⋯⋯か⋯⋯


 それから頑張って歩きました。少し膝カックンしますが、病棟1周出来れば点滴が取れるんだから!


 見事やり遂げた私は、修羅園さんに左腕を差し出しました。


「力抜いてくださいぬぇ⋯⋯ほい!」ピュッ


 腕から血がピュッて出ました。自分の血が飛ぶのを見たのは初めてだったので少し動揺しました。修羅園さんは私の腕についた血を指でごしごしして消して、クソ分厚いガーゼを貼りました。


「これいつまでつけてるんですか?」


「血が止まったら取っていいですよ」


 ガーゼついてたら止まったかどうか分かんなくない⋯⋯?


「ほんじゃーな」


「サス⋯⋯」


 修羅園さんが部屋を出た瞬間に剥がしました。血、止まってる。よし。


 さて、おしっこがしたいです。修羅園さん曰く「うんこもしっこも普通にしてええよ」とのことだったので普通にしました。


 それから少し経って、便意を催しました。


 お尻にはでっかいガーゼがついています。前回剥がすのに苦労した、直接肛門についているガーゼです。ちなみに前回は真っ赤黒でした。裏側まで。怖くなるくらいに。


 あ、背中かゆっ。


 かいたところに何かあります。これは⋯⋯


 取って見てみると、赤黒いシミのついたシールでした。麻酔針刺したとこかな。あれ針デカいから血もよく出るもんね。


 さて、うんちしますか⋯⋯


 恐る恐るお尻のガーゼに手を伸ばします。やはり前回同様、鬼のように接着されています。術後約6時間、ずっとお尻の下敷きになってたガーゼはどんなことになっているのでしょうか⋯⋯


 !?!?


 えっ⋯⋯?


 ヤバ⋯⋯ちょっと待って?


 皆さん、ガーゼを見てください!!!


 15行後にガーゼの写真載せます!!!















  挿絵(By みてみん)


 なんで??????????


 もしかして手術してない? これなんのためのガーゼ? 血どころか汚れ1つ見当たらないじゃん。


 うんちします!!!!!


 シー⋯⋯(なぜか完全に水)


 痛い⋯⋯


 痛いのかよ⋯⋯


 ウォシュレットをやって、お尻を拭きます。血はなし。やっぱり手術してないんじゃ⋯⋯


 それから時は過ぎ、9時に消灯時間になり、さらに時は過ぎ⋯⋯10時。


 消灯時間を過ぎているので堂々とエロ画像を漁っていると、ノックもなく2人の美女が入ってきました。すぐにスマホを隠します。


 それにしてもこんな時間になんの用でしょうか。めちゃくちゃエッチされる? エロ漫画じゃん。AVじゃん。


 などと思っていると、「電源もらいますね!」とベッドの後ろにあるコンセントに超派手な色のクソデカプラグをぶっ挿して紐を辿りながらどこかへ消えていきました。


 私の部屋、ナースステーションから1番近かったんですけど、それでなのかな? この電源いつまで要るんだろう。いつ回収しに来るんだろう。もうエロ画像見れないな⋯⋯


 それにしても痛い。手術前と同じくらい痛い気がする。やっぱり手術してないんじゃ⋯⋯


 あ。


 ふとももが痺れてる。他のところは完全に封印とけてるのに、左のふとももだけ感覚全くない。こわ。


 とナースステーションに言いに行ったところ、「明日の朝まで保留」ということになりその日は就寝。


 するも、あまりの痛みに何度も覚醒。


 小声で「痛い⋯⋯痛い⋯⋯」と言いながら1晩過ごしました。6時前に起きました。

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