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スマホのアルバム20万枚超えたしちょっとずつ見てくか!  作者: 七宝


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⑧尿意

 Nさんの次回予告がありませんでした。私は何時間後までまた一人ぼっちなのでしょう⋯⋯


 寂しい寂しい私可哀想オーラ出してますけど、スマホ充電してこなかった私の自業自得です。


 それにしても⋯⋯


 おしっこがしたい!!!


 水たくさん飲んだせいだ。どうしよう。次来た時に言えばいいのかな。でもなんか恥ずかしいな⋯⋯ひとりで行けるようになるまで我慢しようかな。でもでも、初めての時は言えって言われたしな⋯⋯


 と、ここで悪知恵が働きました。

 ナースコールを押せば、Nさん以外の、歳上とか年配の人が来てくれるかもしれない! Nさんは常に忙しそうにしてたから、ナースステーションにはいないだろうし、それでナースコール鳴らせば今いる誰かが来るわけじゃんね! ていうか男の人もいたよね確か! 出来ればムキムキの人来て欲しいな! 肩にちっちゃい戦車乗せれる人! それなら私も乗れるはず!


 と思って人生初のナースコールを押したら、すぐにNさんが来ました。子分を連れています。高校生くらいに見えますが、多分実習生なのでしょう。


「七宝殿、いかがなされた」


「あの、おしっこを⋯⋯」


 呼んどいて何もないですなんて言えんから(´;ω;`)


 すると、Nさんが廊下から車内販売のカートみたいなのを引いてきました。尿瓶持ってる⋯⋯


 Nさんが子分の子(以降、Rさんとする)に私のオムツを脱がせるよう指示します。


 ヤバス⋯⋯(´;ω;`)


 これは⋯⋯(´;ω;`)


 興奮しちゃう!(´;ω;`)


 ごめんなさい!(´;ω;`)仕事でやってくれてるのに!(´;ω;`)変態でごめんなさい! ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさ(すず)し!!!


 布団捲られると涼っし!!!!!!!


 お腹がめちゃくちゃ涼しいよー(´;ω;`)


 それから紙オムツをパカッとオープンされ、私の王子が恥ずかしげに顔を出します。もう、春だよ。


 Nさんが子分の子(以降、Rさんとする)に尿瓶を渡すと、子分の子が私の⋯⋯


 はわわわわ(๑º口º๑;;)


 手が


 わわわわわ(/ω\*)


 触れ⋯⋯


 ( ゜д゜)ハッ!


















 ちんちんの感覚が、


 ない。




















 えっ怖。





 え。



 えっこわ。




 ちんちんの感覚ないの怖。マジで怖い。なにこれ怖。えっ怖。こんな触られてて一切何も感じないの怖⋯⋯


 いやそりゃそうか。お尻メスで焼き切ってても何も感じないんだし⋯⋯


 でも怖。ちんちんの感覚なくなったことないからマジで怖い。死ぬのかな。


 んで全然おしっこ出ないんですけど。ずっとセットしてもらってるのに1滴も出ないの気まずすぎるよ。なんの時間これ?


「ごめんなさい⋯⋯」


「大丈夫ですよっ」


 なぜかめっちゃ明るい昆布の子。子分の子。


「出ないかも⋯⋯なんでだろう⋯⋯ごめんなさい」


「寝た状態だからかもしれませんね」


「そうなんですか?」


「よくあることなので気にしないでください!」


「なんとお優しい(´;ω;`)」


 もしかしてこの人、実習生じゃない⋯⋯?


 このやり取りをNさんはずっと無言で見ていました。やっぱり実習生なのかな。それか新人さんかな?


 結局、私の「封印がもう少し解けたら歩いて行くます」宣言により、一旦解散となりました。


 さっき下半身丸出しになったことで気づいたのですが、そういえば私ゲキホソの靴下履いてましたね。これいつ脱ぐんだろ。


 それにしても、寝た状態だとおしっこって出ないのか。知らなかった。でもおねしょっていう概念があるよね。私はしたことないけど、する人もいるんだよね? 横になった状態でおしっこする場面がそもそもないからよく分からんな⋯⋯


 気になったので調べてみたのですが⋯⋯


 これって私の腹筋のマッスルパワーが足りないから排尿出来ないってことですか? それともマッチョの人でも出にくいんですかね? 難しい言葉ばっかで深く理解出来ませんでした(´;ω;`)


 そういえば当たり前すぎて言っていませんでしたが、子分の人は手袋をしてました。各ベッドの横に薄いゴム手袋の箱が設置されているのです。体温計も各ベッドにあります。


 今ちょっと読み返して思ったんですけど、別にこれ私が特別変態ってこともないと思うんですよね。同じ状況だったら全員喜ぶだろって思うんです。興奮してセクハラ発言とかしたら殺せばいいですけど、私なんもしてないんで殺さないでください!


 女子の諸君もイケメンがお世話してくれてたらキュッとするでしょ?


 キュッ⋯⋯?(キレイになった食器?)


 キュンです!


 キュンとしない者だけが石を投げなさい(byキリスト)


 打ち返して顔面に風穴空けてイートインコーナー付けてやらァ!!!!!!!!!


 ああ⋯⋯なんか胃が四角い⋯⋯夜最近ずっとこうなんよ⋯⋯


 ☆数十分後☆


「我ら帰還せん!」


 Nさんと子分の子がさよならを言いに来ました。5時半までの勤務だそうです。めっちゃホワイトそう。いいなぁ⋯⋯


 でも私みたいな変態の相手もしなきゃだし、私のブレーキ壊れたバージョンみたいなヤバいのもいるだろうし、耳の遠い人の相手もしなきゃだろうし、そういう大変さもあるか⋯⋯


 じゃなくて、定時に上がれるのは素晴らしい職場だね! という話! 体制がしっかりしてるんだ。なんたって誰が見ても「デカっ!」ってなるような病院だからね。デカいし外身(そとみ)黒っ! ってなる。オシャレなのかな。


 暑い⋯⋯


 点滴キモい⋯⋯


 ショベ⋯⋯


 右腿が少し動かせるようになってきた。


 右腿が少し動かせるようになったところでなぁ⋯⋯暇だなぁ⋯⋯


 暇って本当につらいね。忙しいことのどれだけ幸せなことか。忙しい時は暇な人が羨ましいけど。隣の芝は青いね。


 まぁ実際隣の芝生が綺麗でも私はなんとも思わないけどね。パチンコで例えたらどうなるかな。「隣の台は5万発」とかになるのかな。羨ましい超えて殺意だろうね。ずっと当たりの音聞かされてたら気が狂うよ。その間こっちは金減ってってるんだから。


 6時くらいかな。夜の看護師さん(以降Yさんとする)が挨拶に来てくれました。めちゃくちゃ金髪で、ピアスもしてて(ピアスはNさんもしてたか)、メイクも「ザ・ギャル」って感じでちょっと怖かった。しかも歳下っぽくて余計に怖かった。私、歳下めっちゃ苦手なの。なんでだろ。


 そういや私何歳か言ってなかったね。ネットの特定班が怖くて言ってなかったけど、写真は上げてるのよね。もう消えてるけど。あれは承認欲求が爆発してたんだと思う。見れた人はラッキーだったね。私の承認欲求のおかげだね。


 でも今はもう目立つのが怖い!(´;ω;`)怖くてランキングにすら入りたいと思わない! たった数ヶ月でなんなのこの変化!(´;ω;`)


 ということなのでもう個人情報は載せない! けどこのサイトの感想書くとこには年齢何歳〜何歳っていうのを表示する機能があるのでそれだけ表示します。23〜29のとこに入るね私は!


 なのでNさんは若くて美人で、Yさんも若ギャルです。


 だから何だって言われたらアレだけどね。


 いや、「だから何だ」って言ってくる人いたら怖すぎるわ!


 登場人物の年齢くらい書かせろし!( ・᷅-・᷄ )


 で、尿意はもう限界。でもまだ歩けそうにないし、点滴も終わってない。普段なら1時間も我慢できないけど、かれこれ2時間くらい我慢してる! 偉業です! おしっこ2時間我慢大使として表彰してください!


 って言ってるけど、こんなもんじゃないのよね。ネタバレになっちゃうから言わないけど⋯⋯


 4時過ぎくらいからずっとおしっこ我慢してる人として見てくださいね、私のこと。


 相変わらずスマホは触れない。というかあと1%しかない。私の9年目のスマホは何もしてなくても充電が減っていくんです。真冬だと100%から一瞬で1%になります。電池が0度以下で活動出来ないんだって。んだよそれ。


 6時半くらいにYさんが薬を持ってきました。全部錠剤で3種類。抗生物質が3個、うんちを柔らかくする薬(めっちゃうんちと同じ色)が3個、頓服が2個で合計8個でした。


 説明が終わるとYさんは去りました⋯⋯


 また寂しい時間の始まりです。


 いや、別に寂しくはないんだ。周りにはジジイ3体いて全員独り言言ってるから賑やかだし、幽霊とかも信じてないから怖くはないし、そもそもひとりっ子で昔から寂しいのには慣れてたから。


 ただ、何もやることがないと本当につらいね(何回目?)。意識が全部尿意とムズムズに行くから。点滴のぽたぽた見てても途方もなさすぎてムズムズするし、前向いてても全く景色変わらないし、横向いてても何も動いてないし、やっぱり私にはスマホしかないんだ。


 当たり前だけど、便意が完全に無。前日から断食してるからね。そりゃそうよ。だけどこんだけ便意が来ないのも珍しい体験だ。大切にしよう(謎)。


 で、長〜〜〜い時間が過ぎた(かなーと思った)頃、ついに点滴が終わりました。時計(スマホ)を見ると7時ちょい前でした。充電は1%のまま。0になったら時間すら見れなくなるからね。ほんと慎重にいかないと。


 そろそろYさん、針外しに来てくれるのかな。


 かな。


 かな⋯⋯


 来ません!(*Φ∀Φ)


 忙しいもんね⋯⋯


 点滴の液体がどれくらいで無くなるとかって共有されてないのかな。


 足の感覚がだいぶ戻ってきました。100%ではありませんが、動かせます。


 ちんちんを触ってみると、「ん⋯⋯あと5分⋯⋯」という感じでした。いきなり起こされてビックリしてるのかな。正座したあとの足みたいになってた。


 ちんちんだけ戻り遅いの怖。


 数分後、廊下からカートの音が聞こえてきました。「来たか!!!」と心の中で大踊りしながら待っていると、隣のジジイ(おーいおじさん)のカーテンが開く音がしました。


 ちっ、隣かよ。


 と思っていると、夜ご飯の説明らしき声が聞こえました。ピッタリ何時とか何時半じゃないんだ。


 私は1番最後でした。机をベッドにセットして、その上にお盆を置いてくれました。


  挿絵(By みてみん)


 ででーん。


 社食や学食を食べたことのなかった私は「給食みたいだなぁ」と思いました。懐かしいです。おしっこしたい。


 メニューは味噌カツ、山芋と梅干しのやつ、白菜とハンペン(?)の煮物、キウイでした。

 味噌カツ以外は無味、味噌カツはスーパーのお弁当よりちょっと下という感じでした。もっと全部無味のつもりでいたので少しびっくり。←483話の丸コピ。


 15分くらいで食べ終わって、机の上に残っていたお水で薬を飲みます。


 まずは抗生物質。中くらいのが2個と、小さいの1個が1つの袋(?)の中に入っています。薬を全然飲まない人生を送ってきたので(薬を買うとお金を払わなきゃいけないから)、私は錠剤も顆粒も全く慣れていません。なので1粒ずつ飲みました。精神科で貰ったパキシルと合わせて9粒ですが、コップ半分くらいしか水が残っていなかったので、めちゃくちゃ少しずつ水を飲んで薬を飲みました。


 7時20分くらいです。おしっこがしたくてたまりません。歩けそうですが、点滴の針がまだ刺さっています。


 点滴の柱ごと移動するということも出来るのですが、タイヤがついているので転びそうで怖いです。まだ足が完全じゃないので⋯⋯


 針が刺さったまま転ぶと人は死んでしまうので、そんなことにならないよう、私は体ひとつになってからトイレに行くという誓いを立てました。


「てゆーか、ナースコールで呼べばすぐに針外してくれるよね」


 私の中のカーネルサンダースがそう言いました。


「いやいや、忙しく駆け回ってる看護師さんをわざわざ自分のために呼びつけるなんて⋯⋯」


 私の中の遠慮しすぎ天使が反対します。


「コンビニ店員とグルになって強盗すれば完全犯罪出来るんじゃね?」


 悪魔も出てきました。


 結局遠慮しすぎ天使が優勝し、私はYさんが自発的にここに来るまで耐えるという選択をしました。


 多分読んでる皆さんからすると私はものすごく愚かなのだと思います。ナースコール押していいのに、と思っていることと思います。


 私もそう思います。


 でもね!(´;ω;`)私、この世で1番気が小さい人間だから!


 特に女子に対しては!(´;ω;`)


 あと、ナースコールってめっちゃ一大事のイメージがあるんですよね。さっきは普通に押しちゃいましたけど。でもやっぱり向こうは「なんかあったのかな!?!?!?」って思って来るわけじゃないですか。余計な心配掛けたくないなって思っちゃいまして。


 あと、耐えると「(をとこ!)」になれると思ったんです。


 私ずーーーっと言い続けてるんですけど、例えば出先でうんちがしたくなった時、あなたはどうしますか? どこかのトイレを借りますか? それとも、家まで我慢しますか?


 私は家まで我慢する派です。それでこそ漢だと思うのです。(今は普通にパチ屋とかでトイレ借りてるけど)


 そういうこともあって、Yさんを待つ旅が始まりました。

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― 新着の感想 ―
んん?! カテーテルじゃ無かったんですね! 体の感覚ないのって怖いですよね…。 でも無事にお部屋に戻ってこれてよかった(*´▽`*)
ハラキリで動けなかったわたしは問答無用で事前にカテーテルぶっ刺されてたんですが おちりだとそこまでしないのね…ていうか効きすぎがイレギュラーなんだもんね。゜(゜´Д`゜)゜。本来はとっくに自力でトイレ…
寝ながらションて難しいよね。 どこに力入れればいいのかもわからないし、ましてや麻酔残ってる状態とか難題。 小さなこどもが出来るのは、心もハイパーリラックス状態やからかもしれんション。
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