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スマホのアルバム20万枚超えたしちょっとずつ見てくか!  作者: 七宝


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⑦術後

 さて、メモがまったくありません。充電がなかったから、麻酔が切れるまで節約しまくっててほぼスマホ触ってなかったんです。


 が!!!!!!


 記憶力といえば私、私といえば記憶力といえばペンですか?


 ああ、指が痛い。痛くて書けない。


 木のささくれが親指の関節のとこに3本刺さりまして、皮膚を針でズタズタにして取り出したのです。だから痛い!


 Ωさんが去ると、すぐにNさんが来てくれました。「お疲れ様でした!」ってお水を汲んできてくれました。


「ありがてぇ! ありがてぇ!」と言いながらすぐに飲み干します。美味い。美味いけどなんか苦い⋯⋯


 と言うと、マシンが前回ほうじ茶を出したみたいで、その味が残っていたのだと教えてくれました。そういうもんなの?


 その後Nさんは「もっと持ってきますね!」と言って紙コップ4杯持ってきてくれました。ありがたい。小さいのでこれぐらい欲しかったのです。


「ほいじゃまた30分後に来るでな」


 そう言ってNさんは風となって消えました。


 さて、暇である。

 まだほとんど体が動かない。スマホの充電もないから触る気にならない。もし誰かが危篤になったとかの連絡が来たらすぐに駆けつけなければならないので、0%になるということは絶対にあってはならないのだ。


 体を動かそうと信号を送ってみる。すると、膝のあたりから「( ◉Д◉)キモっ」と聞こえた気がした。実際なんかキモい。なにこれ。


 微妙にベッドが斜めになっていて、なんとなく起き上がっているような体勢になっているのだが、これがまたムズムズする。お尻の感覚はないはずなのに、なぜかムズムズして今の体勢が許せない。なぜだ。なぜだ。なぜだ。


 水を飲む。


 うまい。でも、飲みにくい。点滴繋がってて半寝転がり状態なので、少し横を向いて顎を引いて「うぃっ」となりながら飲む形になるからだ。


 暇だ。こんなことなら家で充電してくるんだった。モバイルバッテリーも家だし、なぜかNさん達に頼む勇気も出ないし、もう!


 今思うと「本当になんなんだよ」と言いたくなるくらいなんなんだ状態だった。Nさんに「充電器そのカバンに入ってるんで挿してくれませぬか!」って言えばいいだけじゃないか。


 やっぱり同い歳だからそういうの恥ずかしくて言えなかったのかな。私って変なところで変だから、溝に入ってたのかもしれない。めんどくさい性格だな⋯⋯


 さて、もうすぐNさんが来る頃だ。あんまり水が減ってなかったら向こうも面白くないだろうし、飲めるだけ飲んでおくか。


 うぃっ


 うぃっ


 うぃっ


 うぃっ


 飲みにくイ!!!(・∀・)!!!!


 そしてぬるい⋯⋯


 部屋だいぶあったかい⋯⋯


「七宝さん開けますね〜」


「ハーイ!」


 私が返事をし始めた瞬間くらいにもうカーテンを開けていたNさん。やっぱり忙しいから形だけ開けますねコールしてるのかな。


 また血圧と体温を計ります。体温はちょっと高め。血圧もちょっと高め。病院だからかな。というか体は普通に暑い。布団がデカいから。


 でも何も言われませんでした。ちょっと高いぐらいだったからかな。


 その後Nさんはまた4杯お水を持ってきてくれて、足が動くようになったら一緒に散歩することと、術後初めてのおしっこの時は言ってくださいねというのを言われました。


 トイレまで肩貸してくれるのかな。いくら私がチビとはいえ、Nさんの肩に体重乗せるのは怖いな⋯⋯


 ちなみにNさんの方がちょっとだけ背が高いです。でもさすがに私の方が重いと思う。男やし。


 次は1時間後に来るそうです。


 1時間後が待ち遠しい。なぜならスマホが使えなくてボーッとしてるしかないから。私ってスマホがないとこんなに暇なんだ。


 寂しいな⋯⋯


 ああ⋯⋯


 膝を「ギャンッ!」ってやって「パイッ!」ってしたい。感覚全くないけど、なんか「ヌッ」ってなってる気がするから。この「ヌッ」も溜まるタイプだな⋯⋯頭で思えば思うほど「ヌッ」がそこに届いて蓄積されていく⋯⋯つらい⋯⋯爆発しそう⋯⋯


 あと足の指もキモい気がする。ここはメモがあった。夜中に書いたやつだけど。というか活報だけど。


 活報でも言ったけど、私は体に違和感が生じると死ぬほど気になる質(たち)なんです。なので、なにを置いてもそれを解消するために動くのですが、今はその肝心な「動」が完全に封じられているので「死ぬほど気になる」より先に進めない状態なんです。

 だから多分そのうち膝がお餅みたいに膨らんで爆発して病室にいる人みんな死ぬと思います。ハッピーエンドだね。


 で、さっきもちょっとだけ言いましたけどこの時足の指もキモかったんですよ。あー、今思い出しただけでも背中から毛が生えてくる。キモスが溜まる⋯⋯


 これも活報でも書いたんですけど、親指が人差し指の下に入ってる感じがしたんですよ。感覚はないし、布団も捲れないから断定は出来ないんですけど、私の違和感キモキモセンターが「親指が人差し指の下に入ってます」って通知送ってきてるんです。


 普段ならそこまで気にしないんですけど、今日はスマホすら出来ずただ寝ている状態なので、神経の全てがそこに向いちゃうわけです。他のことが考えられなくなってしまっていたんです。


 ああ、戻したい。


 戻れ、戻れ、戻れ。


 ずれろ、ずれろ、ずれろ。


 何度指に念じても、全く動いてくれません、なんとなく右のタマタマが太ももに当たっている感覚がある気がしましたが、これも気のせいかもしれません。まだまだ下半身の感覚がありません。でも、お腹あたりは戻ってきてる気がする。まだ1時間ちょいなのに。私ってもしかして強い⋯⋯? いやでも、元々下半身だけのつもりが上半身もかかっちゃったってやつだから、上半身だけ戻るのが早いのは当然と言えば当然か。


 どうしよう。死にそう(´;ω;`)


 私いっつも死にそう死にそう言ってるから信ぴょう性ないかもしれないけど、死にそうの中でも80くらいの死にそうが出てる(´;ω;`)


 痛いのよりつらいかも(´;ω;`)違和感に耐えられない! 絶叫しそう! ヤバス! 出る! 絶叫出る!!!!!


 動かないよぉ!(´;ω;`)でも身悶える!


 悶えてる!!!(´;ω;`)


  挿絵(By みてみん)


  挿絵(By みてみん)


 これが出来ないだけで人は狂ってしまうのだ!!!(´;ω;`)


 点滴の針もキモい。痛いまではいかないけど、針が刺さってるって違和感すごい。引きちぎって走り回りたい。


 私って痛いよりもじっとしてることのほうがつらいんだなぁ⋯⋯


 この感じだと閉所恐怖症もありそう。狭い場所もとにかく怖い。怖いというか、このムズムズの最大バージョンみたいなのが来そう。猫を病院に連れていく時にちっちゃい家みたいなので運んでるんだけど、それ見る度に「うわあああああ(‘ω‘)」ってなってたもん。赤ちゃんベッドの柵もそう。あの範囲で動くのキモすぎる! 無理! ってなってたし赤ちゃんベッドって言い方普通しないか! ベビーベッドか!


 んでさ!!!!!!


 お腹が暑い!!!!!


 いや、熱い!!!!!!!


 カイロ乗ってる? ってぐらい熱いんですけど。お尻汗だくじゃない? ってぐらい熱いんですけど! こんな常温の部屋で分厚い毛布着てるから⋯⋯


 布団バサってやって風入れたい。でも右手に点滴針刺さってるから怖くて出来ない(´;ω;`)多分入院マスターだったら上手くやるんだろうけど、私は何も知らないから怖くて出来ない(´;ω;`)


 そう。私入院ほとんど経験ないから、先生や看護師さんに言われたこと以外なにも出来ないんだ。下手に何かやると死ぬんじゃないかって思っちゃって。まぁ死ぬは言い過ぎだけど、悪いことが起きるんじゃないかって。


 あー⋯⋯


 動かんなぁ⋯⋯


 これ、本当に感覚戻ってくるのかな。このまま一生麻痺したままとかにならないよね? 怖い⋯⋯怖い⋯⋯


 あ、そういえば病室のメンバー紹介を忘れてましたね。いっちょやりますか!!!


 まずは入口入って右のメンバーから!


 ジジイ!!!


 目の手術をした患者。血圧が200を超えており、本人曰く「俺はもう死んでいる」とのこと。北斗の拳が打ちたくなった。


 次のジジイ! じゃなくて、次のメンバー行くぜ! 入口入って左!


 ジジイ!!!


 また後で話すけど、夜中に「おーい!」ってずっと言ってたぜ!


 で、次のジジイ⋯⋯じゃなくて、次のメンバーは、入口入って奥まで行って右側!(ということは私は奥の左側! 左時枝(ひだりときえ)!)


 ジジイ!!!


 しっこの臭いジジイだぜ!!!


 ごめんね、なんの罪もないジジイをジジイ呼ばわりして⋯⋯私、口悪いね。


 でもね、罪0ってこともないんだよ。全員うるさいから。老人って声でかいのよ。子どもと同じくらいデカい。つい私も「ムッ」ってなっちゃうよ。ムッ。


 ここでふと「AVってタマタマもモザイクかかってたっけ?」と思い、AVのサンプルで確かめてみることに。音量を0にして、検索窓に好きな女優の名前を入れます。


 サンプル再生。


 ふむふむ⋯⋯ってこのサイトじゃ意味無いじゃん! FANZAいこFANZA!


 結果⋯⋯タマタマにもモザイクかかってました!


 ていうか!


 今のサンプルってめっちゃ画質良いのね!


 小学生の頃初めて見たサンプルがガビガビ画質だったんだけど、まだそうだと思ってたわ。


「七宝さ〜ん」


「バブー!」


 予定より少し早く来たNさん。私はスマホを裏返して頭の横に置きました。


「また体温と血圧計るぞよ」


「枝豆」


 同じような会話ばっかだったので、書くのも飽きてきました。私のセリフは適当に想像しといてください。


 1時間ぶりに会えたNさんは、またすぐにどこかへ行ってしまいました。忙しいので仕方ないですね。


 私、今世界一暇かも。


 それから時は流れ⋯⋯現在、16時前くらい。


 点滴ってこんな減らんもんかね。毎秒(よりちょっと速いくらい?)1滴ずつ落ちてるのは丸見えなんだけど、全然減ってない気がする。あの袋のどこまで入ってたかな⋯⋯てかこれ、何流し込んでるの? 生理食塩水ってやつ?


 生理食塩液⋯⋯か。


 水飲んでるし、あとでご飯食べるし、これ要らないのでは⋯⋯? と思ったけど、私の浅知恵なんかより先生の判断の方が5億倍正しいに決まっているので甘んじて受けますね。


 点滴してる腕が疲れてきた。運ばれてきた時に手すりの所に腕を置かれて、それで繋がれたからずっとそのままの場所に手置いてるの。さっきも言ったように、言われたことしか出来ないから。怖くて。だから何か言われるまで手の場所変えないよ。


 お腹暑い⋯⋯


 変わり映えしない日記にそろそろ苛立ちを覚え始めたであろう諸君に私からひと言良きかね。


 私、もっと苦痛だったから!!!


 暇なのも体動かないのも、痛みよりつらかったから!!!


 まあ、程度によるけどね。


 目にスズメバチ入れられるとかだったら絶対それが勝つもん。殺しにかかってんじゃんね。


 変わり映えしないまま今回は終わるよ。次エッチいから覚悟おし!!!!!

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― 新着の感想 ―
検温にきたNさんにお腹暑いのが伝えられたらよかったんですよね… でも七宝さま恥ずかしがりやさんだしなあ… お布団めくってもらえばって,なんか違う方向にいこうとしてる?
入院マスターたちは、医師や看護師のいうことを聞かないから、何度も入院してマスターになるやで。褒められたものではない。 にしても、麻酔の違和感マジでえぐそう。 て、わいもそういえば、高校の時に一度だけ…
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