⑥手術!
夜中2時に書いてます(ФωФ)
5話を書いてから1ヶ月くらい書けてませんでした。もうけっこう忘れてます。なのであんまり臨場感はないと思⋯⋯わない! そこをなんとかするのが腕の見せどころ!
どこまで書いてたかな、読み読み⋯⋯
そっか、Nさんか。本名と全然違うイニシャルにしてるの、配慮なのかな。過去の私の考えはよく分からん⋯⋯
あと、今気づいたのですが、「痔」としか言ってませんでしたね。「III型痔ろう」というやつだそうです。それが3箇所出来てて、そのうちの酷いの2つを手術で取るということになりました。全部やると括約筋がヤバスかもしれないとのことで。
さ!!!
手術日記、書きますよ!
手術室は思ってたより「部屋」でした。テレビで見るような、めちゃくちゃ手術に特化した部屋という感じではありませんでした。これは多分私が痔ろう患者だから。心臓とかだったら多分そういう部屋になるんでしょうね。
壁の方にパソコンとかが置いてある、診察室によくある机みたいなスペースがあって、先生が一旦そこに座りました。多分パソコンやってた気がします。
で、私はというと、先生に「そこに向こう向いて寝てちょ」と言われたので、手術台に横になりました。
麻酔科医さんに、指に洗濯バサミみたいなのを挟まれます。脈を測る器具でした。
右手には点滴針、左手には脈を測るやつ、そして手術着⋯⋯本当に今から手術なんだなと思い、緊張し始めました。
次に、麻酔科医さんが私の手術着をめちゃくちゃ捲りました。全部首の後ろに来るくらい、服としての役割がほぼ0になるくらい捲り上げました。
すると先生が来て「頭と膝がくっつくぐらい、全力で丸まってください」と言いました。私は体がかなり硬いので⋯⋯あ、出来るわ。
とうとう麻酔を注射する時が来ました。背中に消毒を塗って、背骨と背骨の間(?)に針を刺します。この時「押されるような感覚になります。痛かったら言ってください」と言われました。
(刺されるじゃなくて、押される?)
と思った瞬間、チクっとしました。で、徐々に圧迫される感じが⋯⋯すごい、なにこれ、不思議⋯⋯ちょい痛い⋯⋯そして不快⋯⋯!
って心の中でうにゃうにゃ言ってたら終わりました。次はうつ伏せです。
「これから下半身が動かなくなるので、完全に麻酔が回ったら始めます」
そう言って先生が太ももをツンツンしました。まだまだ感覚があります。ていうか、先生が注射打つんだ。麻酔科医の人がやるんだと思ってた。
それからNさんが居なくなって、別の看護師さん(Ωさんとする)が入ってきました。Nさんと同い歳くらいの人で、すごい美人。この病院なんなのマジで。40代50代くらいの人もみんな美魔女でした。東京かと思った。
で、ちょっと雑談してる間に麻酔が回ってきて⋯⋯え、体が動かないんですけど!?!?
「先生、体が動きません!」
「体って?」
「肩から上しか動きません!」
「あー、効きすぎてるね」
効きすぎてるんだ!!!
効きすぎてるらしいです! 私の体、頭部と腕以外オフラインになりました! まっっっっっったく動かん! コガネムシより力ないと思う!
その後麻酔科医さんが保冷剤を私の体にあてて「ここは感じる?」「ここは?」「ここは?」と確認するタイムが始まりました。
すごい、何も感じない⋯⋯
感じない⋯⋯
感じない⋯⋯
首冷たっ!
腕も冷たっ!
私の申告通り、顔と腕以外ログアウトしてました。先生は「まぁ6時間後くらいに元通りになるから気にしないで」って感じでした。
お腹に力入らない⋯⋯というか、入ってるのかどうか分からない⋯⋯ずっとうつ伏せだけど内臓とか大丈夫かな⋯⋯
麻酔効き場所の確認が終わると、パンツ脱がせタイムに突入しました。振り向けない、というかそもそも手術中にあんま動いちゃダメっぽいのでずっと前を向いていたのですが、誰が私のパンツを脱がせたのでしょうか。
一応先生が「パンツ脱がせますね」とは言ったのですが、そう言ったからといって先生がやったとは限らないですよね。私を挟んだ向こう側には麗しきΩさんが立っているわけなので、もしかしたらΩさんが脱がしてくれたかもしれませんよね?
病院ってえっちぃかも⋯⋯
なんて言ったら医療従事者の方に嫌われてしまいますね! すみま⋯⋯
でも、実際に他人にパンツ脱がされてるわけだからエロいよね。心の中で思うくらい良いよね。まぁ船越英一郎似の先生の可能性のほうが高いわけですけど。あーシュレディンガーシュレディンガー。
背中に何かしらの吸盤を貼られてた気がしないでもないんですけど、めちゃくちゃ忘れました。テレビでよく見る心電図みたいなのがピッ⋯⋯ピッ⋯⋯って表示されてるデカい機械は動いてたんですよね。
私、今ほぼ全裸です。若い女性2人がいる部屋で。露出狂だったら大喜びですね。まあ60歳くらいの先生も横にいますけど。それに裏側しか見せてないからあんまりか。
露出狂っておじさんにもやるのかな。若い女の人にだけやってるのかな。ていうか、小中学生の頃にそういうのを見せられたっていう人もけっこういるよね。
もしかして露出狂って、自分より弱そうな相手ばっか狙ってる? 普通の犯罪者と同じじゃん。変態なのに普通じゃん⋯⋯
麻酔科医の先生がずっと私の目の前にいてくれて、雑談相手になってくれました。船越とΩさんはずっと私のお尻付近にいて姿が見えなかったので、あんまり喋りませんでした。
で、少し雑談してると、醤油せんべいみたいな匂いがしてきました。香ばしくて、美味しそう。でもなんか、違うような⋯⋯やっぱり知らない匂いかも?
と思いながら後ろにいる先生(船越)に「なんかいい匂いしません?」って言ったら「電気メスで焼き切ってるからかな?」と返ってきたので思わず「もう始まってたんですか!?!?」と言っちゃいました。
もっと厳密になにかしらのなにかがあると思っていたんです。「これから何とか何とか式、何とか何とか手術を始めます」みたいなのがあると思ってたんです。
なのに雑談中にしれっと始まってたので大ビックリ!
ていうか感覚なさすぎない? 手術したことある人に聞いたら「触られてる感覚はあった。引っ張られてる感覚とか」って言ってたから楽しみにしてたのに。あまりにもない。本当に私の尻手術してくれてる? 尻の隣でせんべい食べてない? って思うぐらい全く何も感じない。
ちなみにこの時私は先生が何をやっているのか、何をやろうとしているのか、何も分かっていませんでした。何も教えてくれなかったから⋯⋯
でもなんとなく言ってたことを聞いてみました。「シートン法ですか?」と。
そしたら「いや、くり抜き法に変えました。お尻見た感じこっちのほうが良さそうだったんで」と。
この時の私の感情、どんなだったかな。
シートン法って、かなり時間をかけて治していく方法なんですよ(説明が難しいので気になる方はググってみてください)。でも、くり抜き法はくり抜いたとこが治ればそれで終わり。こっちのほうが痛い期間も治るまでの期間も短く済みます。
ただ、「くり抜くってどんな感じだろう」と少し不安にもなっていました。シートン法で心の準備をしてきていたので、急遽変わるんだってビックリしたんだと思います。
でもま! 先生のやることだから大丈夫でしょ! 医学部卒なんて私とは別次元の頭脳なんだし!
ていうか、これ先生「そんな難しくない手術」って言ってたんですけど、私からするとどうやるのか想像すらつかないわけで、そんなのが低難易度ってバケモンですか。医者はみんなバケモンだ。すごすぎる。
手術が始まって5分後くらいに異変が起きました。
私「い⋯⋯痛い⋯⋯」
パリピョンポポパピハラリッピヒャラピハイヨォ〜!!!(医療ドラマのトラブル起きた時の効果音)
麻酔科医「どこが痛いの!?」
私「首が⋯⋯疲れて⋯⋯」
麻「大丈夫そ?」
私「麻酔のせいか分かんないんですけど、乳酸が溜まる感覚というか、とにかく爆発しそうなくらいダルいです。ああ、もうドカンと弾けたい」
麻「ちょいまち!」
2秒後、麻酔科医さんがタオルをくれました。折りたたんだものを、私の首らへんに置いて「ここにアゴ置けし」と。
アゴを置いても首が痛だるいままです。やっぱり麻酔打った時特有の感覚なんでしょうか。それまでなったことなかったんですよね、あんな感じに。秘めたるパワー! って感じがするんです。首の後ろに、ぎゅわーって秘めパワが集まってる感じ。ダルい粒が集合してる感じ。
それから20分くらい、ずっと首を動かしながら先生達と雑談していました。かなり限界でした。すんごいウズウズしてました。暴れ回りたいくらい溜まってました。でも胸から下がビクともしない⋯⋯何だこの感覚、嫌すぎる!
あーーーーー!!!!
動かす信号送ってるのに全く動かないの、イライラする!!!!!!
この信号、送った分だけ乳酸が溜まってる気がする。どんどん疲れてく⋯⋯
どうしよう、精神崩壊するかもしれん。おかしくなってきた。暴れたい。死にたい。殺したい。あー、やば。なんこれ。私って動けないだけでこんなストレス溜まるんだ。やばこれ。
早く終わってくれ⋯⋯
そう思いながら私の中の狂気と戦っていた。痛みよりもずっと辛い。昔から多動症のガキだったので、余計に辛い。
最後の方は本当に全力で耐えていた。目をぎゅっと瞑って、楽しくないことだけ考えた。
私は楽しいことを考えると股関節から両膝にかけてゾワワワ〜っとなってしまうのだ。だから楽しくないことを考えた。考えました! 敬語忘れてたね!
で、ついに終わりました。
「もう縫ってくだすったんどすか」
「いや、縫ってません。そのままです」
「そのまま⋯⋯?」
狂いかけた頭のまま会話していたのであまり覚えていませんが、そのままと言われて驚愕したのは覚えています。それ以外もたくさん喋ったのに。
あ、そういえば確か「手術は成功しました」みたいなこと言ってた気がするな。ドラマじゃん。
Ωさんがストレッチャー(兼ベッド)を持ってきて、それに私を乗せるという話が聞こえました。
首から下が動かないうつ伏せの大人を、ストレッチャーに仰向けになるように移動させる手段は1つでした。
コロコロ〜
先生とΩさんで私を転がして、高さを合わせたストレッチャーに「コテン」とゴールインさせました。
約30分ぶりに仰向けになった私は、久しぶりにΩさんと先生の顔を見ました。また、頑張って頭を起こしてみると、ツルツルのおまたがまだ丸出しでした! ちょっと! 恥ずいんだが! このまま運ばんよね!?
という心配はいりませんでした。Ωさんがオムツをつけてくれました。赤ちゃんになった気分です。バブー
ハーイ
チャーン
よく考えたら「チャーン」ってなに? 赤ちゃんの「ちゃん」ってこと?
で、そのまま手術着も治してくれて、洗濯バサミを取って出発しました。
発狂寸前でしたが、挨拶はちゃんとしました。先生と麻酔科医の人に6回ずつくらいお礼を言いました。
Ωさんと2人でエレベーターに乗ります。私はもちろんまだストレッチャー。すごい。この光景、病院すぎる。手術すぎる。
部屋に戻るとすぐに体温と血圧を測りました。で、点滴針に謎の液体を繋がれて、点滴が始まりました。輸血用に刺しただけだと聞いていたので少しショックでした。かなり長そう⋯⋯
現在時刻14時前。先生たちの話によると麻酔が切れるのは5、6時間後。だいぶ後だな⋯⋯
Ωさんがいなくなると、私はすぐにカバンに手を伸ばした。スマホが欲しかったのだ(敬語!)。
この時スマホでなにをしたのか全く覚えていませんが、充電が15%だったのは覚えています。ここで充電すればいいと思ってやってこなかったのです。
コンセントは棚の中にありました。その距離約1メートル。体が動かな過ぎて届かない。仕方ない、体が動くようになるまで15%で乗り切ろう。
よし! 一旦ここで区切ろ! もう4700字超えてるんで!
あ、また画像忘れてた⋯⋯
困ったな、何も載せるものがない⋯⋯
いろいろ考えた結果、近所の博物館にあった解体新書の写真にしました。手術日記だし。




