おめでとう!君の【ステータス】のレベルが1上がった‼「え、俺じゃなくて?」剣道の神童のレベルは1から上がりません!
※短編になりますが人気が出れば連載いたします。
ステータスのレベルアップはこれからだああああああああああ!
コメント評価等をしていただけると嬉しいです!!
「えいいいい!」
ズバッ
剣が風を切る音と共に目の前のスライムは水の微小魔石となり消え去った……
「よし、これで今日のノルマ100匹っと」
テッテレー!
『おめでとう!君の【ステータス】のレベルが1上がった‼』
「やったーって、え?」
(……き、聞き間違いじゃないよな)
『君の【ステータス】のレベルが1上がった‼』
『●ステータスバーのフレームが赤色に変わった。』
「や、やっぱり聞き間違えじゃない!い、いみねえええ!」
『●色画質が1000万画質上がった。』
「うわ!テレビが4Kになった時くらいの微妙な感じ。もはや違いがわからない!!」
『●ステータスはステルス機能を覚えた』
「ステータス消えたらHPとか見えなくなるわ!!!」
『●ステータスの文字のフォントがゴシック体からメイリオに変わった!』
「もはやメイリオってなに!?」
「く、くそう……なんで俺のレベルは上がらないんだ」
倒したスライムの微小魔石を魔法袋に入れ俺はため息を一息ついた。
俺の名前は小森達也。中学3年生にして剣道日本一になった男だ。
幼いころから剣道をしており先生からは神童といわれるくらい反射神経と剣の太刀筋がよかった。日本一の座を手にしてからも俺は将来オリンピックで活躍してやると心に決め剣道の練習をひたすらに続けた。
しかし練習帰りの時に急にトラックにはねられてしまい死んでしまった。
幸いにも女神様が異世界に転生させてくれたおかげで今ここにいる。
異世界では魔王が世界を侵略しようとしているから剣のスキルを持った俺は重宝されるらしい。でもこんな田舎の外れ村に転生させるなんて、どうせならチートスキルとか持たせてもらって魔王城近くの村とかに転生してくれれば移動が楽だったのにな。
◇◇◇
『あなたをこの世界は歓迎しています』
『この世界ではあなたはまずクエストを受注しなさい。お金をためられるしレベルも上げられて一石二鳥ですよ』
「よし、俺は新しい世界で最強の剣豪として世界を救ってやる」
『行ってらっしゃい』
◇◇◇
そういわれて約1年、
俺はこの外れの田舎町「ナタリー」を拠点に活動してきた。
はじめてギルドに行き見たクエスト表を俺は忘れはしない。
◇◇◇
「あの、達也といいますがクエストを……初めてで……」
「こんにちは! ここは駆け出しの方にお勧めのフランシアギルドです! 私は受け付け人のマリアと申します。主に1~10のレベルを扱っています。それではクエストを選びください」
「おーいろいろなものがあるな」
☆犬猪の討伐(1匹)必要レベル10 報酬5500エリカ
☆牙オオカミの討伐(3匹) 必要レベル8 報酬4000エリカ
☆ヤッケ畑の収穫手伝い(1日) 必要レベル2 報酬6000エリカ
☆ごみを漁る雀の討伐(10匹) 必要レベル2 報酬 2000エリカ
☆スライムの討伐(10匹)レベル1 報酬300エリカ
「ごみを漁る雀の討伐とか畑の収穫の手伝いが安全そうだな……」
「達也さん。これは必要レベルが足りませんので受付ができません。レベル1のスライム討伐がよろしいかと」
「そ、そうなんですね。レベルってどうやって上げるんですか?」
「レベルを上げるためにはモンスターを討伐するのが一般的ですね。ほかにもレベル10から弱魔法も覚えられるので魔法の研究などで上がることがあります」
「魔法かぁいいなぁ!」
「ふふふ! これから覚えられるので頑張りましょうね。まずは簡単なクエストでレベルアップしちゃいましょう!」
「はい! それではこのスライム討クエストでお願いします!」
「ありがとうございます! これはレベル1限定のクエストになっておりまして、この町の外に現れるスライムを10匹討伐してきてください。達也さんの職業は剣士なので1匹5分かからないかと思いますよ! それにレベルが上がれば攻撃力も上がるのでスライムなんて一瞬です!」
「まずは新米冒険者のこてならしってわけですね」
「そういう事です! 報酬は10匹で300エリカとかなり安いですが、なん十匹か倒しているうちにレベルアップしてると思います。そしたらそれ以上のレベルのクエストを受注しに来てください!」
「わかりました! じゃ行ってくるね! マリアさん!」
「よおおおし、スライムを倒して倒してレベルアップするぞおおお!」
◇◇◇
「くそおおおおおおおおおおあの受付のマリアさんめ! 一日100匹討伐してもレベルが上がらんぞおおお!! おれはスライムを討伐しに来たんじゃない! 魔王を討伐しに来たんだああ」
この一年で俺の剣の腕前は転生前よりもさらに上がっていた。
俺の剣は風を切りスライムを一撃で倒せる。
初めてのクエストは10匹倒すのに1時間はかかっていたが、今では30分もかからない。
これだけ鍛錬したんだからレベルアップしてもいいと思ったんだが全然上がらない。
一度この件についてマリアさんに相談してみた。
◇◇◇
「えーとですね。レベルアップするとですね! テッテレー!という音がするんです。それで『レベルアップしました!』というアナウンスが脳裏に流れるんです。そうすると自動的にこのギルドカードのステータスがパワーアップするんです。レベルが上がれば次のクエストを受けつけられますよ」
「でも俺スライム10匹を30分かからずに倒せるんですよ! ごみを漁る雀を追い払うクエストくらいは……」
「できません! これはルールです。 雀ってちゅんちゅん泣いてますがレベル1の冒険者は倒されてしまう可能性があります!」
(あ、そうか。ここは異世界だから俺の思っている雀とちがうのかな)
「なみにこの村の平均レベルは6です。雀の大きさは手乗りサイズでペットにしている方も中に入るようですね」
「お、俺は村人以下……」
「……」
「一年間頑張って、村人以下ですか」
「そ、そういう事になりますね。ちなみに私も新米なのでレベル18です」
「じゃ、じゃあ俺よりレベルが低い人ってこの町で……」
「赤ちゃん以外いませんね」
「赤ちゃんと同等かよ!」
「たまにレベル2で生まれてくる赤ちゃんもいます」
「赤ちゃん以下かいいいいい」
「とにかく、今はできることを頑張りましょう。達也さんは常時クエストのスライム討伐を継続してください。きっとどこかでレベルアップするはず……」
◇◇◇
テッテレー!
『おめでとう!君の【ステータス】のレベルが1上がった‼』
「やったーって、え?」