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アフターストーリー・59

一年ぶりにようやく会えたのに、平気な顔で嘘をついて自分の家に女を連れ込むなんて、それを舞に見せるなんて、血の通った人間のすることとは思えない。悪魔の所業しょぎょうだ。


もし自分が朝早くに彼のアパートを訪れようと思い立たなければ、久松はそ知らぬ顔で自分を迎えに来て、ちゃっかり恋人らしいことを求めてきたのだろうと思うと、はらわたが煮えくり返りそうだった。


「私……こんなにないがしろにされているとは思わなかった」


舞は独り言のように呟いた。


一詩が目線を上げる。


「そりゃあ久松さんはすごい人だから、女の人からも人気があるだろうとは思っていました。仕事が忙しいとはいえ、全く遊んでいないはずはないって。

でも……実際目の当たりにすると、駄目だった。もう私、あの人のこと何も信じられないんです」


舞の表情が苦痛に歪む。


「すごいな。そこまで覚悟してたんだ。逆に驚いたよ」


一詩は驚嘆きょうたんしたように言うと、目を細めた。


「あんた、久松のこと理解してやってるんだな」


「理解……」


舞は言葉に詰まって瞳を泳がせる。


本当に自分は、久松のことを理解していたのだろうか。


彼は自分のことを語らない。ほとんど見せようとしない。心からの言葉を聞く機会は数少ない。


そのわずかなうちの一つが、舞を『好きだ』と言ってくれたことだった。

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