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アフターストーリー・49
「舞。もしかしてあんた……」
肩をたたいても反応が鈍い。
舞はとろんとした目で、
「ゆりさん……?」
『玉響』で何度か見たことがある様子に、百合は思わず「あちゃー」と天をあおぐ。
酔っている。完全に酔っぱらっている。
「ちょっと出ましょう」と舞を促したとき、彼女の身体がふらりと傾いた。
「あらあら」
それを受け止めたのは千草だった。
偶然にも、舞は彼女の豊かな胸に顔を押しつける格好になってしまう。
柔らかく弾力のある感触に、さすがに舞も気づいたらしく、慌てて、
「す、すみませ……」
千草は驚いた様子もなく、胸に顔を埋める舞の頭を優しく撫でる。
「いいのよ。大丈夫?」
何ともいえず恍惚な眺めに、葵は口元を手で押さえて視線をそよがせる。




