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アフターストーリー・37
「何で君がここにいるんだよ、舞ちゃん」
彼にしては珍しく狼狽した様子に、舞は激昂した。
「悪かったですね!勝手に来て二人のお邪魔をして!」
声を出したら一緒に涙まで溢れてきて、舞は思わず顔を歪めた。
泣けばこの男の思うつぼだと分かるのに、止められない。
「こんなひどいことをするんなら、最初から……最初から、来ないでくれって言えばいいのに。
なのに、わざわざ目の前で、あんな……この、外道!!!」
あまりの憤りに、わなわなと全身が震える。目の前がちかちかする。
このまま血が上って死ぬのではないかとさえ思った。
久松は舞の様子を見つめていると、冷静な口調で言い刺した。
「そうじゃなくて。どうやって君が一人でここに来たの、って聞いてるんだよ」
舞はきっと久松を睨みつけ、
「よくもそんなことが言えますね。あんなことをしておいて!」
「質問の答えになってないんだけど」
久松はあくまでも静かに、真顔で繰り返す。
立場が上のはずの自分が、聞き分けのない子供であるかのような扱いに、舞は憮然とした。




