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アフターストーリー・35
美女はアイスブルーの目をぱちくりして舞を眺めていたかと思うと、宝物を見つけたような顔で、
「『まあ可愛い!!何て可愛いの!あなたがマイね?』」
舞の手を取ってぶんぶんと振り回す。
舞が目を白黒させていると、
「『私はキャサリンよ。キャシーって呼んでね。あ、そうだ。Hey、ヒサマツ!お姫様が来たわよ!起きなさい!』」
そう玄関口から大声で叫んだ。
そして舞にばちりと強烈なウインクをして、
「『ごめんなさい、私これから出かけるところがあるから行くわね。でも、あなたってホントにキュートね。今度ゆっくりお話しましょう。じゃあ、ヒサマツによろしくね!』」
何がなんだか分からない舞を取り残して、キャサリンは「Bye!」と手を振り、風のごとく去っていってしまった。
自分の立っている地面が、がらがらと音を立てて崩れてゆく感覚に襲われる。
部屋の奥から現れた久松を見た瞬間、舞は絶望とともに理解した。
自分が抱いていた淡い期待は、無惨にも裏切られたということを。
なぜなら久松はズボンこそはいていたものの――上半身はばっちり裸だったので。




