アフターストーリー・34
久松の住むマンションは、出張や赴任に来た日本人が多く住まうところのようだった。
住宅は会社から支給されているらしく、質素な造りをしている。
日本にある彼のマンションの豪華さには劣るが、ニューヨークという土地柄、かなり値段は張るだろう。
舞はエントランスを抜けると、エレベーターに乗って三階へ上がった。
廊下を進みながら、307、307と一つひとつ確認しながら歩く。
久しぶりに会うせいか、緊張して心臓が張り裂けそうだが、舞はそれに気づかないふりをした。
何度も髪を撫でつけ、心をなだめるように深呼吸する。
目的の部屋の前まで来ると、硬直して立ち尽くした。
えーっと、まずチャイムを押して、小林舞ですって名乗って、何も言わずに押しかけたことを謝って――
頭の中で予行演習をしていると、中から勢いよくドアが開いた。
部屋の中から現れた、金髪碧眼のド派手な美女に、舞は息を飲んだ。
舞より三、四歳年上だろうか。
大胆なデザインの、ショッキングピンクのキャミソールドレスから、白いボリュームのある胸がこぼれんばかりに突き出している。
身体は迫力のある曲線を描き、黄金色の華麗な巻き髪は、太陽の光を浴びてキラキラと輝いていた。




