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アフターストーリー・31

自分にそう言い聞かせてホテルを出て、タクシーに乗り込む。


手帳に書き留めておいた住所を言うと、仏頂面ぶっちょうづらをした黒人の運転手は無言で車を発車させた。


がたがたと揺れる車内から、世界中の猥雑わいざつ喧騒けんそうをかき集めたような街を見つめながら、舞は思索しさくにふける。


自分が飛行機に揺られて、たった一人で長旅をしてきたのには理由がある。


久松に直接会い、何としても問いかけたいことがあった。


『私は、あなたにとって何ですか?』と。


久松が日本を去ってから約一年。


LINEやSkypeでのやりとりは続けてきたが、久松は常に忙殺されており、話題も仕事のことばかりだった。


プライベートとしては、ニューヨークの街は面白いところだよとか、やっぱりこっちの人間は食べる量が違うとか、そんな軽いことしか語らなかった。


そのかわり、舞の近況を聞きたがった。


あまりにも細かく尋ねてくるので、舞はまるで親か先生みたいだと思った。


その優しい声は、子供がズルしていないかさり気なく監視している大人のようだったので。


「私のこと、信用していないんですか?」


何の折にか、舞は正面きって尋ねたことがあった。

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