アフターストーリー・24
舞はきらびやかなシャンデリアが彩る天井を見つめて、ためらうそぶりを見せた。
一詩は事情を理解したのか、舞の肩を軽くたたき、豪快に笑う。
「金なんかあいつに払わせればいいんだって。こうなったのも全部あいつのせいなんだからさ。ついでにルームサービスとかいっぱい食って、嫌がらせしてやれよ」
それでも迷う舞の肩を押して、ロビーでチェックインの手続きをすませる。
一詩のおかげで、不慣れな舞も、何とか寝床を確保することができたのだった。
「本当にありがとうございました」
一詩が帰る段になって、ホテルのロビーで舞は深く頭を下げた。
「何とお礼を言っていいのか……狭山さんのおかげで、本当に助かりました。このご恩は一生忘れません」
「大げさだよ。あんた本当に面白いな」
一詩はおどけてみせる。
押しつけがましくない善意を贈ってくれた彼に、舞は心の中で何度もお礼を言った。
同時に素朴な疑問が込み上げてきて、思わず彼に問いかける。
「あの……」
「何?」
「どうして、あなたみたいな人が、久松さんのお友達なんですか?」
久松本人が聞いたらどんな仕打ちが待っているか、考えるだに恐ろしい台詞だった。




