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アフターストーリー・23
一詩は盛大な溜息をついて、背もたれにもたれかかって天をあおぐ。
「あいつらしいよ。いや、もうホントに。一年ぶりに彼女に会えるっていうのに、仕事優先か。鬼畜だなー」
無邪気な感想が胸に突き刺さる。
傍から見ても、やはりこの状況は自分がないがしろにされているとしか感じないのだ。
両膝に手を置いて、舞は弱々しく言った。
「私……久松さんの彼女じゃないのかも」
思わず漏れた本音が、余計に不安を大きくする。
今までずっと考えないようにしていたことが、胸の中で溢れかえってきた。
一詩は目を丸くして、
「どういうこと?」
舞は泣きそうになりながらも、歯を食いしばってこらえた。
「あ、いえ。何でもありません。私、そろそろ行きますね」
立ち上がった舞に、一詩は慌てて自分も腰を浮かしながら、
「え?!どこ行くの」
「とりあえず、今日泊まるホテルを探さないといけないから」
「ここに泊まればいいじゃん。街中だから迷うこともないし、セキュリティも整ってて安心だよ」
「でも……」




