アフターストーリー・18
胸が潰れるような声に、舞は顔を上げて、
「……え?」
ぽかんとした舞の表情を見て、男ははっと我に返った。
「あ、いや……何でもない」
そして舞を安心させるような笑みを浮かべると、
「やっぱり、久松の言っていたとおりのお嬢さんだな」
懐かしい単語を耳が拾って、舞はぴくりと反応した。
男を見上げておずおずと問う。
「あの、久松って?」
「四井の久松だよ。君の婚約者の」
婚約者という古風な単語に、舞は耳まで赤くなった。
「どうして警察の方が、あの人を知っているんですか?」
まさか。思い当って、舞ははっと口をおおう。
久松はこの地で、何か警察のお世話になるようなことをやらかしたのだろうか。
あり得そうすぎて、嫌な想像が膨らんでいく。
舞が牢獄に入った久松の想像をしていると、男性は目を丸くして、
「警察?誰が」
「え……?だって今、あなた警察って」
男性はしげしげと穴があくほど舞を観察していたかと思うと、盛大に吹き出した。
「もしかして、今のハッタリを信じたのか?!あんたホントに面白いな。久松が気に入るのも分かるよ」
舞は恥ずかしさと困惑が入り混じって、何も言えなくなってしまった。




