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アフターストーリー・17
筋骨隆々(きんこつりゅうりゅう)とした体格、玄人じみた雰囲気に、舞は縮みあがった。
若者たちもさすがに怯んだようで、互いに素早く目を見交わすと、
「『行くぞ』」
と言って、潮が引くように一斉に引き上げていった。
「ハハ、とんだ腰ぬけの不良だな」
男は日本語でそう言うと、大らかな笑みを浮かべて胸元から手を外した。
「あの、助けていただいてありがとうございました」
舞はほっとしたら気が抜けて、その場にへたり込んでしまった。足に力が入らない。
男性はしゃがみこんで、片腕一本で舞の体を支えると、
「おいおい、大丈夫か?顔が真っ青だぞ」
「すみません。少し、びっくりして……」
まだ心臓がバクバク言っている。
到着早々、こんな災難に巻き込まれるとは思わなかった。
男は舞の顔を間近でのぞき込み――音を立てて大きく息を呑んだ。
「――ユウナ」




