アフターストーリー・6
久松が、彼にしては珍しくげんなりとした表情で、
「誰かれ構わずちょっかい出すのはやめてくれよ。少しは自分の年のことを考えような」
「その言葉、そっくりそのままお前に返すぞ、息子よ。お前のような放蕩者が、舞君のような素晴らしい女性にふさわしいのか、はなはだ疑問だ。もしお前が幸せにできないというのなら、そのときは私が」
「いいから!黙って控室に戻ってくれ。頼むから」
漣は久松に背中を押され、力ずくで部屋から追い出されながらも、
「いいかい舞君、爽が君をないがしろにしたときは、すぐ私に言うんだよ。困ったことがあったらいつでも呼びなさい。迎えに行くからね」
そう言って軽く片目をつむる。
それだけでなく、千草や百合にもちゃっかりと流し目を送るのだから、やはり久松の父親だった。
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結局、舞の父・小林雄介は結婚式の間中泣き通しで、スピーチどころか親族への挨拶さえままならない状態だった。
その雄介をあやしたり叱ったりして、由美子がしっかりと母親の役割を果たしてくれた。
踊はいじらしくずっと涙をこらえていて、それが余計に舞の胸を痛ませた。
手作りの指輪と舞を描いた絵を贈ってくれたときには、二人で号泣してしまった。
小さな教会のステンドグラスは太陽を浴びて七色に輝き、花弁のように舞い散る紙吹雪が紺碧の海に映えて、目に染みるような情景だった。
舞にとって最高に素晴らしい、一生記憶に留めておきたい結婚式だった。




