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アフターストーリー・3
子供用のスーツに身を包んだ元気のよい少年に、百合は目を細めて、
「もしかして、踊君?」
踊はようやく百合に気づいたらしく、はにかむような笑顔で言った。
「はい。こんにちは、お姉さん」
「こんにちは。私は百合よ。今日はお姉さんの大切な日だから、一緒にいっぱいお祝いしてあげましょうね」
膝をかがめ、目線を合わせて微笑む百合に、踊は大きく頷いた。
「うん!僕、お姉ちゃんのドレスを持って歩くんだよ!」
「それは重大任務ね。しっかりやるのよ」
百合が励まし、踊は誇らしげに胸を張っている。
微笑ましい風景を、舞が切なさを噛みしめながら見つめていると、
「失礼するよ」
深く低い声に色気を滲ませて、扉が三度目に開かれる。
「お……お義父様!」
舞は思わず立ち上がろうとして、ドレスの裾を踏みつけて転びそうになる。
百合が慌てて肩を支えてやった。
「すまない、驚かせてしまったようだね。座っていてくれたまえ」
百合はその男性の威厳と醸し出すオーラに圧倒されていた。
風格ある佇まいに、端正で若々しい顔立ち。
一挙一動が貴族のように洗練されており、魅力が溢れんばかりに満ち満ちている。




