アフターストーリー・2
「舞、あなたすっごく綺麗よ。ちょっと憎らしいくらい」
花嫁の控室に薔薇をもって現れた百合は、その美貌をにっこりと笑ませて言った。
雪のようなウエディングドレスに身を包んだ舞は、清楚な美しさと透明感とも相まって、恐ろしいほど美しかった。
百合は扉を開けた瞬間、振り向いた舞を見て鳥肌を覚えていた。
触れれば失われてしまいそうな、あまりに幻想的な姿に。
「ありがとうございます。でも、百合さんのほうがずっとずっと綺麗です」
そう言った舞に、百合は「相変わらずね」と苦笑する。
舞の場合、これが皮肉ではなく本気で言っているのだから困る。
百合は室内を見渡すと、
「ご両親はいらっしゃらないの?」
「あ……えっと」
その瞬間、爆発するような泣き声が響き渡って、百合はびくりとした。
よく聞くと、野太い男の声が、身も世もなく泣きわめいている。
百合は引きつった笑顔で、
「もしかして……?」
舞は赤面しながら申し訳なさそうに、
「はい。私の父なんですけど……さっきからずっとあんな調子で。今、母が外でなだめているんです」
百合は同情しつつ、おかしさを堪える表情を浮かべ、その肩に手を置く。
「まあ、気持ちは分からないでもないわよ。大事な娘だものね。こんなに寂しがってくれて、幸せ者じゃない」
舞が複雑な笑みを浮かべていると、再び扉が開いて、エネルギーの塊が勢いよく飛び込んできた。
「お姉ちゃん!!」




