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アフターストーリー・1
【序章】
「皆さま、飲み物はお持ちですか?――それでは、夫婦の晴れの門出を祝って、乾杯!」
「乾杯~!!」
明るい声に唱和し、グラスを合わせる澄んだ音が響き渡った。
笑顔が温かな波となって部屋中に広がってゆく。
六月十五日、午後八時。
場所は六本木でも屈指の高級クラブとして名を馳せている、クラブ『百合』の奥に設えられたVIP専用個室。
ここには今日、結婚式と披露宴を終えたばかりの久松爽と、その妻となった舞、そして招かれた賓客たちが集っていた。
ふかふかとした真紅のソファーに腰かけながら、舞は夢のように過ぎ去った今日の出来事を思い出していた。




