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仕方なく、舞は用意してきた質問のいくつかを投げかけた。


驚いたのは、久松がそれら全てに対して明快な答えを提示してくれたことだ。


社員質問会などでは、学生の質問に、答えになっていない答えを返す社員も多い。


不都合な実態をつかまれないようにか、適当にお茶を濁す場合もままある。


しかし久松の回答は誠実で信頼できるものだった。


人格に問題はあるけれど、この人は本当に有能らしい。


心から仕事を愛し、強いやりがいを持って働いているのが伝わってくる。


「それではこちらからも2、3点伺いたいのですが」


久松は爽やかだがうさんくさい笑顔で、


「現在アルバイトはどのようなことをされていますか?」


舞はぎくりとした。


「アルバイトというのは社会勉強の1つですから、どのような職業観を持っているかなど教えていただければ、今後の参考になるかなと思いまして」


表面上こそ真面目だが、完全に目が笑っている。


窮地きゅうちに立たされ舞はまごついた。


「どうしました?」


何もしていないと答えるのは不利だ。


企業側も、今まで働いたことのない人間を積極的に採用したいとは思わないだろう。


かといって、本当のことを話すわけにもいかない。


舞は根負けして、「すみません」と頭を下げた。


「どうして謝るんですか?」


「本当にごめんなさい。許してください」


ひたすら詫びると、久松は人のよさそうな笑顔で、


「困ったなあ。そんなに謝られると、何だかこっちがいじめているみたいだし」


そのとおりだと喉元まで出かかったが、意思の力を総動員して無理やり押さえ込む。


久松は舞の様子を眺めていたかと思うと、片手で頬杖をついて不意に真顔になり、


「7点」


謎の点数に、舞は目をしばたかせる。


「君の今日の面接の点数。ちなみに100点満点ね」


あまりの評価の低さに舞は愕然がくぜんとした。


まるで笑い話のようではないか。

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