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「よかったの?邪魔しなくて」


苛立たしげにストローをかき回し、二人の方を噛みつくような視線で睨みつけている恵の地雷を、松尾はあっさりと踏んだ。


恵はバンとテーブルを叩いて、


「いいわけないでしょ!何あの女!公衆の面前で……信じらんない!」


ぷんすか腹を立てている様子がこの上なくかわいらしくて、松尾は悪いなと思いながらもにやけるのを止められなかった。


「でも、今日は邪魔しなかったじゃん。えらいえらい」


と言って頭を撫でると、恵はその手を乱暴に振り払って、


「子供扱いしないで!」


猫のように全身の毛を逆立てて怒り狂っている。


だが今の恵には、壊れてしまいそうな危うさは感じられなかった。


どうしてなのかは分からないが、松尾は直感していた。


恵は恵で、兄と舞の様子を見つめていると、どうしようもなく腹が立つと同時に、心がふっと軽くなるような気がして不可解だった。


松尾に言われなくとも、邪魔に入るつもりは満々だったというのに、動けなかった。


だからといって、二人のことを素直に祝福できるわけではない。


自分でもよく分からない複雑な心境を抱えたまま、恵はぶすっとした表情できびすを返した。


「え?どこ行くの?」


「外!お兄ちゃんの飛行機が飛んでいくのを見るの!」


放っておけばいいのに、わざわざ行き先を告げてしまう自分が憎らしい。


案の定、松尾は金魚のフンよろしく、ぴったりと恵についてきた。

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