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02

涼やかな声に振り向くと、立っていたのは、先程のセミナーを統括していた人事部採用担当の男性だった。


「わたくし、四井不動産人事部採用担当の久松(ひさまつ)と申します。先程はセミナーにご参加いただき、ありがとうございました」


光り輝くような笑顔で言われ、二人は気まずく頭を下げる。


遠目からでもイケメンだと思っていたが、近くで見るといっそう水際立った面差しである。


すらりと背が高く、身のこなしも機敏で、話しぶりにも聡明さがにじみ出ている。


にも関わらず、威圧するような雰囲気は感じられず、あくまで穏和な姿勢で、


「この会場、僕達も時間制で借りているので、そろそろ明け渡さないといけないんですよ。大変申し訳ありませんが、ご退出いただけないでしょうか」


「あ、ハイ。すみません」


男子学生はばつが悪いのか、しどろもどろになり、鞄を抱えて逃げていく。


舞も出ていこうとしたが、


「小林さん」


愛嬌のある微笑みで、久松は言った。


「こっちのエレベーターに乗って、2階の出口から出た方がいいですよ。待ち伏せされてるかもしれないから」


どこか面白がるような表情に、やり取りを聞かれていたことを悟って赤面した。


「あの、どうして」


「ん?」


「どうして私の名前を?」

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