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「ま、待ってくれ!俺たちが悪かった。謝るから、」


「ごめんで済んだら警察は要らねえんだよ」


久松はドスの利いた声で言い切ると、二人の前で腕を組んだ。


二人は完全に恐れをなしたのか、縮みあがっている。


舞には彼らの恐怖がよく分かった。


そんな舞の心境を読んだかのように、久松はぱっと振り向いて、


「こいつらどうしようか、舞ちゃん。とりあえず社会的に抹殺まっさつしてみようか。それかコンクリート漬けにして東京湾にでも沈めてみる?」


この人に言われると冗談に思えないから怖い。


舞は息をついた。


「真顔で恐ろしいことを言うのはやめてください。もういいですから」


「小林さん、ごめん!悪かった!本当にごめん!!」


二人は土下座して言った。恐怖に満ちた目が見上げてくる。


それを見つめ、舞は静かに思った。


きっと明日になれば何もかも忘れて、けろっとした顔でまた悪口を言うのだろう。


いくら痛い目に遭ったところで、運が悪かったと考えはしても、自分が悪かったのだとは決して考えないような人たちだ。


こういう人も社会にはいる。


それでも、この人たちは自分の会社の仲間なのだ。


自分が属している社会は、こういうものだ。決して甘くも優しくもない。


「いいえ。私、気にしていませんから」


舞は小さく首を振った。


二人は引きつった笑みを浮かべてへこへこと頭を下げると、脱兎だっとのごとく逃げ出していった。

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