【7話 お姫様とうたた寝】
お姫様は中庭で座りながら気持ち良さそうに眠っていた。
こくりこくりと船をこぐ様子は周りの従者たちもほっこりした顔で見ていた。
「もうたべられないわー」
唐突に寝言をいい始めたかと思い出すとむにゃむにゃと再び眠りに落ちる。
「しょうがないですね。」
見かねた執事は起こさないよう注意しながら、そっと肩に毛布を掛けた。
その後、少しの間、彼女の寝顔をみて呟いた。
「起きているときはじゃじゃ馬娘ですけど、寝てるときは素直な天使のようですね。」
そんなことを言っていると。
「おーうーじわたしはーあなたのことがー」
「くす、寝てるときは言動まで素直なんですね。」
寝言で素直な気持ちを伝えている彼女のことをみてて私は思わず笑ってしまった。
その時、ガタッと物音がした。
「あれ?私寝てた??」
「大変気持ちよさそうにお眠りになられていましたよ。」
「やだ、恥ずかしい///」
うたた寝していたことに恥ずかしくなってしまい彼女は顔を真っ赤に染めている。
「今日は兵士長も来る予定だったのに申し訳ないわ。」
「兵士長殿はまだ来ていませんので問題ございません。」
「ほんと!なら、よかったわー」
兵士長の前でうたた寝しているという恥ずかしい事態を回避できてほっとしていると執事が先ほどのことストレートに言い始めた。
「寝言で王子様ー大好きーって言ってましたけどね。」
「ううう嘘よそんなこと言ってないわ!!」
「まあ、嘘ですけど。」
「あんた、からかったわね!!」
その日は結局兵士長も来ず、1日中、二人は白熱した口論を繰り広げていた。