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お嬢様、見守っております  作者: 関係詞
12/13

【12話 お姫様と…】

お姫様視点からスタートです。

王子から逃げた私は自室にいた。


「またやっちゃったわ。怒っていないかしら。」


先ほどまで真っ赤であった顔は一転して真っ青に変わり自分の行いを反省する。


「なんでわたしはあいつの前で素直になれないのかしら。」


私はあいつ―王子のことが好きだ。

なんと言っても幼い頃に入ることを禁じられていた倉庫に入り怖くなって震えていた私を助けてくれた王子であり、私がワガママを言ったりしてもニコニコして受け入れてくれる優しさを持っている私にはもったいない人だと思う。


だからなのだろうか私は彼の思いを信じられない。

歯の浮くようなセリフ、優しい行動すべて私に注がれているはずなのにだ。


いや、彼は本当に私のことを愛している。


信じていないのは私なのだ。

彼の本心を聞くことができない臆病な私。


そんな私に彼は強硬手段で婚約を結ぼうとしてきた。


彼は本当に優しい自分のことを信じてくれない女のために嫌われる覚悟で私に婚姻を結ぼうとしている。


自分が嫌になる。彼に寄りかかることしかできない私を。


自己嫌悪に陥いっていると扉からコンコンとノックがなった。


きっと、彼が来てくれたのだろう。


「入っていいわよ。」


入るように呼び掛ける


私は決めた。

今日こそ彼に本当の自分の気持ちを伝えると。




_______________________________________




私は彼女と一緒にいる。

私がいとおしくてたまらない彼女と二人っきりである。


彼女はおとなしく私の腕の中にいる。

そんな彼女の髪を私はなでる。



待った。本当に待っていた。

彼女と一緒になることを。




彼女は私のものだ。

誰にも邪魔はさせない。


私は彼女のことが好きだ。

彼女はあの地獄のような場所から私を救いだしてくれた。

そのときから私は彼女と一緒にいる。


彼女の執事は自分が一緒にいると思っているようだが、私はそのことが何よりも忌々しかった。


彼女のことを一番理解しているのは私だ!お前ではない!!


怒りのあまり狂いそうになる。


しかし、もうそんなことは関係ない。


彼女と私の前に障害はない。二人っきり


「さあ、これから新しい二人の家に行こう。

そこで二人で暮らすんだ。」


そう彼女に呼び掛けると目を瞑っているのに笑っている気がした。

その笑顔に満足した私は彼女を抱き抱え、赤く染まる城を後にするのであった。




次回で最終回となります。


次回更新は明日の21時予定です

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