間章
「また、失敗しちゃったかぁ。」
人間の死と生を操る神、レアルがそう呟いた。彼はリフィーとリネアの悲劇を見ていて、どうにかしてあげたいと思い、もう一度リフィーとリネアの魂に生を与えた神張本人である。
だが、元々リフィーとリネアの運命は、悲劇になるように仕組まれていて、絶対に幸せになることなど出来なかった。
まあ、もともとは一回切りゲームの感覚で二人の魂を転生させただけなので、別にレアルが二人を結ぶ義務などはなかったが、どうしてか二人に愛着がわいてしまい、二人をもう一度転生させることにするらしい。
「あーあ、このままじゃあこの人間たちがシアワセになることなんて出来ないよな。リフィーは純粋で誰も疑う事が出来なかったから、今度はエリリアに人に対する淡白さと、それに見あった知識を渡した。けど、これも失敗だったなぁ」
そういって、彼はもう一度リフィーとリネアの魂…エリリアとレティアの魂を天を吹き抜ける風にのせてこう呟いた。
「今度は、シアワセになれるといいね」
二人を載せた風は、どんどんどんどん進んでいく。再び、二人の魂が出会うのは、日本の…江戸時代である。