疑問に思うこと
疑問に思うこと。
何故、核子(陽子や中性子)はアップクォークが三つやダウンクォーク三つではないのだろうか?
これはクォークが物質であり、フェルミオンであって、その波動関数が空間的に反対称という性質からだ。
これはスピン二分の一というもの。
パウリの排他律とか排他原理とか言われる性質。同じ場所に二人もいらん、というもの。
同種の二つの粒子があって、その二つの位置を入れ替えると符号が変わる。これが反対称とされる波動関数の性質だ。
では何故それが同じ場所に二つの同じ粒子が入れないか。同じ場所にいる、つまり計算だとそれは足し算。同種の別の粒子の入れ替えで符号が変わるということは、同じ場所つまり足し合わせるとゼロ。消えてしまう。同じ場所に粒子が二つある、という波動関数にはならない。
AとBという場所にaとbという粒子があったとしよう。aはAの位置。bはBの位置。
aとbは双子で区別ができない。
ここでこの粒子aとbの位置を取り換える。aをBの位置に、bをAの位置に。
それを記述する波動関数というものは最初ときと比べて符号が違う。
aとbが同じ位置にあるということはこの最初のと入れ替えたものがあれば良い。
つまりは同じ位置にあるのだから、足し算であって、これを合わせると、符号が違うだけで同じ物を合わせるのだから、ゼロになる。
aとbが同じ位置にいるという波動関数が記述できない。
これが同じ場所に同一粒子が入れない理由。
核子のアイソスピンが1/2。これは最初の電磁気では考慮されない、核力というものを考えたときの陽子と中性子をまとめたものだ。それがクォークモデルにも拡張されている。
たぶん核子の中の重複されたクォークが同じ場所にいられないことから打ち消すようなスピンをしているのでしょう。そして最後の一つが別の粒子だから一つとして纏まっていると考えられる。
実はアップクォーク三つやダウンクォーク三つという粒子も見つかっている。
それは上記の話がデタラメなのかというとそうではない。
その粒子はΔ(デルタ)粒子と呼ばれるアイソスピン3/2の粒子だ。
電荷が-1、0、+1、+2、という4種類の粒子だ。
通常の核子とはアイソスピンが違うために存在が可能となっている。
同様にパイ中間子の励起状態とでもいうべきロー中間子というものもある。アップ・ダウンクォークで構成されている点はパイ中間子と同じであるが、スピンがj=1を持っている。クォークが二つで出来ている中間子はクォークがスピン1/2を持っているので、打ち消し合ってゼロとなるものと、強め合って1となるものがあるのだ。
アップクォーク三つというものが電荷2を持っていたことがクォークモデルの決め手らしい。
これ以上詳細が難しい。量子力学では四つの量子数が一緒だと同じ場所には入れないというものがある。主量子数、方位量子数、磁気量子数、そしてスピン。
次回 未定。もしかしたら、例えば中性子の、平均寿命と半減期の数字の違い、とかかもしれない。