四天王最強の影武者の名は核力
強い力。昔はその正体が分からず、人々はその影武者に気を取られていた。
陽子や中性子の中でグルーオンが働いているため、見えなかったのだ。
だから原子核の中で陽子や中性子の間で働いていた、影武者に注目が行った。
影武者の名を核力。その正体はπ中間子を媒介に原子核を纏めている力。
陽子と中性子の塊である原子核。
当時分かっていた力である電磁気力で考えた。
分極して同極同士の反発を中和して引きつけ合っているというようなことを。
しかしそれでは足りないという結論に至る。
そこで考え出されたのが中間子。
中間子を媒介にすると力の到達距離が短くなる。質量を持っているからだ。
質量がない、光子や重力子の到達距離は無限とされる。
質量があると重くて遠くまで行く気にならないらしい。
どこの世界でも身体が重いと出かけるのが億劫なようだ。
その質量が陽子や中性子と電子の間にあるから中間子と呼ばれるようになった。
そして見つかったのがミューオン。
実はレプトン。電子の仲間だ。
それで第二世代というものでもある。
陽子を中性子を結びつけるパイオンではなかったのです。
それによって混迷を極めることになるのでした。
それは悪い事ばかりではない。
陽子や中性子が実は素粒子ではなく複合粒子だということが分かったり、他にも第二世代、第三世代があるということも分かったのです。
陽子と中性子に働く核力はパイオンを媒介に行われる。
パイオンは電荷のないもの(中性パイオン)と電子と同じ大きさの電気素量の正負のもの(荷電パイオン)がある。
陽子はアップクォーク二つとダウンクォーク一つで構成されていて、中性子はアップクォーク一つとダウンクォーク二つで構成されている。
陽子 (uud)
中性子 (udd)
パイ中間子(正) π (ud)
パイ中間子(負) π (ud)
パイ中間子(零) π (uu - dd)
アップクォーク(u)は素電荷の三分の二の大きさで正の電荷を持っている。
ダウンクォーク(d)は素電荷の三分の一の大きさで負の電荷を持っている。
dの は共役という感じで反粒子を表している。
電荷が逆、という風に考えればとりあえず良い。
対生成や対消滅というときの反物質、そのとき構成されているのが反粒子というわけです。
例えば、パイ中間子(正) π は陽子を中性子に変えて、中性子を陽子に変えてそれぞれの間を渡って力を伝えているわけです。
陽子の中のアップクォークを引っ張ってダウンクォークを対生成し、陽子が中性子に、そしてパイ中間子(正)となって中性子に行き、ダウンクォークを対消滅させてアップクォークを入れて中性子が陽子に変換、という工程を経るわけです。
荷電のパイオンはそれぞれが粒子・反粒子の関係。中性のパイオンは自分自身が反粒子で、光子と同じである。
次回 陽子や中性子は何故、アップクォークやダウンクォークが三つではない理由について