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つりみこ2 ~八尋・誘拐~  作者: 島風あさみ
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第四章・ベッドの上でお勉強しよう(意味深)・その十

 宝利命ほうりのみことが階段を上ると、また軍人さんたちが現れました。

「そこを退けい!」

 漆黒しっこく神気を振りくと、兵隊さんたちは一瞬だけおびえますが、すぐに小銃を構え直しました。

「宝利殿下、お相手(つかまつ)ります」

 兵隊さんたちの中からマッチョが現れました。

 宝利ほどではありませんが、なかなかの巨体です。

「俺も先祖は皇族おうぞくでしてね。神力では負けませんよ?」

 マッチョの軍人さんから黄色い神気が立ち昇りました。

「ほう……お主、名はなんと申す?」

醒州せいしゅう陸軍少尉、爾蕪奈蓮尾にかぶなはすお

「そうか、名は覚えたぞ」

 宝利は一息吸うと……。

「ではねいっ‼」

 一喝いっかつすると、宝利の全身からこれまで以上の神気がき出して、爾蕪奈少尉は軍服がビリビリと飛び散って丸裸になりました。

ふんどしだけは残してやろう」

 六尺褌一丁になった少尉さんは腰を抜かしました。

 他の兵隊さんたちは全員気を失っています。

「なかなかよい筋肉であった。精進しょうじんせい」

 神力勝負をいどんだのは少尉さんの方ですが、筋肉のぶつかり合いでも似たような結果になっていたでしょう。

 あと八尋やひろが喜びそうです。

「うむ、遊んでおる場合ではないな。急がねば」

 マッチョの少尉さんを翡翠しょうびん乗組員くるうに引き抜きたいなあと思いつつ、宝利は廊下を走ります。

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