第四章・ベッドの上でお勉強しよう(意味深)・その十
宝利命が階段を上ると、また軍人さんたちが現れました。
「そこを退けい!」
漆黒神気を振り撒くと、兵隊さんたちは一瞬だけ怯えますが、すぐに小銃を構え直しました。
「宝利殿下、お相手仕ります」
兵隊さんたちの中からマッチョが現れました。
宝利ほどではありませんが、なかなかの巨体です。
「俺も先祖は皇族でしてね。神力では負けませんよ?」
マッチョの軍人さんから黄色い神気が立ち昇りました。
「ほう……お主、名はなんと申す?」
「醒州陸軍少尉、爾蕪奈蓮尾」
「そうか、名は覚えたぞ」
宝利は一息吸うと……。
「では去ねいっ‼」
一喝すると、宝利の全身からこれまで以上の神気が噴き出して、爾蕪奈少尉は軍服がビリビリと飛び散って丸裸になりました。
「褌だけは残してやろう」
六尺褌一丁になった少尉さんは腰を抜かしました。
他の兵隊さんたちは全員気を失っています。
「なかなかよい筋肉であった。精進せい」
神力勝負を挑んだのは少尉さんの方ですが、筋肉のぶつかり合いでも似たような結果になっていたでしょう。
あと八尋が喜びそうです。
「うむ、遊んでおる場合ではないな。急がねば」
マッチョの少尉さんを翡翠の乗組員に引き抜きたいなあと思いつつ、宝利は廊下を走ります。




