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第四章・ベッドの上でお勉強しよう(意味深)・その二
これは弥祖皇国が諸国を平定する以前の、ただの小さな島国だった頃のお話。
その島では現在と同じように魔海へと繰り出して、悪樓を退治しては宝珠の回収が行われて…………いませんでした。
神楽杖はもちろん竜宮船すら存在せず、魔海が発生しても、ただ指を咥えて眺めるだけ。
黄緑に光って綺麗なので、見物やお祭り騒ぎはありましたが、ごく稀に魔海から飛び出して、海岸に打ち上げられた悪樓の宝珠が回収された程度です。
ただし蕃神の召喚は行われていました。
現在のように悪樓退治を目的としたものではなく、常世(異世界)の技術を得るためです。
そんな時、一尊の蕃神が現れました。




