表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/7

二話

「兄貴、起きて」

「うあ?」


 俺は、揺さぶられ何事かと目を覚ました。目を開けると、そこには妹の優香がいた。新堂 優香、俺の二歳下の妹だ。可愛い妹なのだが、最近(と言うか転移する前)は歳のせいなのか何故か距離を置かれている。


「あー、ごめん今日俺が飯当番だったな」

「今日、寝てたから代わりに作っておいた」

「おお、ありがとう」


 俺は、ベッドから起き上がりリビングに移動した。そこには、久しぶりの日本食があった。白米に味噌汁そして、鯖。俺は久しぶりの日本食を充分に堪能した。


 俺は、特に優香と何も会話をすること無く食事を終えた。俺は、食べ終えると、すぐさま自分の部屋に戻り、明日のために早めに睡眠を取ることにした。


 俺は、自分の部屋のベッドに寝転がる。明日から学校行かなきゃ行けないのか。それを考えると向こうの世界にずっといてもよかった気もする。でも、完全記憶スキルがあるから正直ずっと寝てても変わらないよな。


 あ、一応エイルが言ってたみたいに誰かが鑑定持ってたらめんどくさいから、一応隠蔽しておくか。俺はステータスを少しいじり、寝ることにした。




 ***************************


 朝か。俺は、ベッドから起き上がり窓を開ける。うーむ、いい朝だ。俺が、暫く窓から空を見上げていると()()が空を飛んでいるのが見えた。何だあれ?遠視を使って見てみるが、遠すぎて見えない。飛行機だよな·····?


 少し疑問に思いつつも俺は、学校に向かう準備を始めた。俺は手早く朝御飯を作ると、速攻で食べ学校に行くことにした。


「じゃあ、先に行くぞ?」

「ん、いってらしゃい」

「いってきまーす」


俺は、久々の日本を堪能しながら歩き、学校に着いた。うん、日本っていいね!


俺は、教室に行くと自分の席に座る。そして、来るべき時に備え潜伏を発動させる。ふふふ、これならあいつも俺を見つけられないだろう。これこそが、俺が異世界召喚によって手に入れたアルティメットスキル《空気化》だ!これによって、誰であろうと俺に気づくことは出来な


「おはよう。祐也」


い。筈なんだけどなー。俺は、朝から爽やかな挨拶をして来る女子に囲まれているイケメン、榊 刃を見てため息を吐いた。


「よっ」


俺は、一言だけ返すと寝るために机に突っ伏した。その態度が気にいら無かったのか、刃のハーレムの一員である東城 風華が突っかかってきた。


「ちょっと!アンタみたいなゴミに刃君が挨拶してるのよ!?ちゃんと、席から立って挨拶したらどうなのよ!」

「まあまあ、祐也はいつもこんな感じだから·····」


宥めようとした刃の言葉を遮ったのは同じくハーレム員の南沢 泉だ。


「何故、こんなやる気の無い人間を刃は気にかけるのですか?正直言って無駄ですよ?」


そう言って俺を睨んでくる南沢。うわー、コワイコワイ。


「まあ、そんなことを言ったらアンタが刃君に近づいてくるのも同じ位無駄だけどね?」

「そっくりそのまま返してあげますよ」


何故か此処で始まる女の戦い。本当にこいつら早く帰ってくれないかな。そう、切実に願う俺に救世主が現れた。


「ほーら、ガキ共ー。席につけー」


俺は、心の底から先生に感謝した。感謝したから今日の先生の授業は起きてよう。


一時間目


「えー、であるからしてー」

「すー、すー、すー」


二時間目


「此処を因数分解するんだ、分かるか?」

「ほうほう。(完全記憶あるから意味無いけど、一応写しとこう)」


三時間目


「つまり、此処から始まったんですねぇ」

「すー、すー、すー」


四時間目


「すー、すー、すー」

「起きろ!おい、新堂!」


俺は、机をガタガタ揺らされ仕方なく起きる。


「何ですか?」

「馬鹿なんだから授業起きてないと、後悔しても知らんぞ?」

「次のテスト九十点台取るんで寝ていいですか?」


俺の言葉に化学教師は、笑った。


「お前にそれが出来るわけ無いだろ?ほら、試してみるぞ?ここの答えは?」

「四百十三ヘクトパスカル」

「ん?え、じゃあ、此処は?」

「熱昇華」


ふふふ!俺は、昨日の内に全て教科書と参考書を暗記しておいたのだ!はい、そこ!ズルとか言わない!これも、実力!


「じゃあ、寝ますね」

「あ、え、おおう」



昼休み


「祐也、一緒に食べよ」

「刃君!屋上いこ!」

「刃、屋上に行きましょう」


俺を昼飯に誘いに来た刃は、チンピラ二人組に連れていかれた。そして俺は、鞄を漁りあることに気付いた。あれ?俺、昼飯忘れたくね?は!購買に急がねば!


俺は、急いで購買に向かった。




「へっへっへ、勇者に掛かれば購買の行列何て容易いもんだぜ!」


俺は、大量のパンを抱えそんなことを一人呟く。アンパン、カレーパン、サンドイッチ種類は様々だ。俺は、直ぐに教室に戻ろうとした。したんだけどさ?


「これ、戻っても寝れないな···」


さっきの教室の様子から見ると、騒がしいから食べ終わっても寝れないよな。それに気づいた俺。まじ賢い。それなら、何処に行こう?


「そうだ。生徒会長室に行こう」


美鈴なら、ソファーで寝かしてくれるだろう。俺は、購買で買ったパンを持ち、足早に生徒会長室に向かった。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ