表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
生意気男子高校生は深淵を覗く  作者: あるふぁるだ
2/2

1話 深淵を覗く

とりあえず本編までは。。。

「やばっ!ゴリハンしてたらもうこんな時間だ!学校行かないと間に合わねぇ!」


そんな騒がしい独り言をわめきながら俺は妹が作ってくれたお弁当をバッグに詰め込み、玄関にAダッシュした。

時刻は8時。俺の学校が閉まる時間は8時10分。家から全力で走って間に合うかどうかってところに学校は位置している。さぁ、どうする。


「いや、迷ってる時間があるなら走った方が効率的だ!」


そう言って走り出した俺だったが、こんなに慌てている状況なのに、そこの角からパンを加えた女子高生が飛び出してきてぶつかって恋に発展して。ムフ。なんてことを考えてしまう余裕もなかったわけではない。

だが、その時だった。俺の上腕二頭筋くらいもある太さのフランスパンにかじりついた女子高生が飛び出してきたのは。


「(ガスッ)ぐっ」

「きゃっ、ごめんなさい。大丈夫?」


フランスパン女が気にかけてくれているようだ。だが、俺の体は起き上がろうとしても言うことを聞かないし、意識も朦朧としている。なぜ、避けられなかったのか。自分でも不思議だが、脳内で自動再生されている走馬灯にははっきりと映っている。奴のフランスパンが俺のこめかみにダイレクトアタックをかましているのが。

どうやらフランスパン女はついに俺が軽傷ではないことに気づいたらしく清楚感のある白いスマホでどこかに連絡を取っている。


「(流石にフランスパンでは死なないだろう)」


体の方もそろそろ限界だったらしくフランスパン女に心配されながら俺は暗い所へ旅立った。



「ん?ここは。」


目覚めたところは真っ暗だった。自分の身体ははっきり見えるのに前も後ろもよくわからないのだ。まさに深淵と呼ぶにふさわしい場所だ。この言葉には厨二病心がくすくられるな。フッ。

とりあえず進んでみないことには始まらないと思い、体感時間で10分ほど進んでみたのだが、困ったものだ。


「川、なのか?」


そう、川を見つけてしまったのだ。こんな暗いところで川なんて見て不吉としか思えないのが当たり前だ。そして、おれは気づいた。


「なんかこの川、黒いな。」


それが何かは分からないが俺は怖さより興味が勝り、その黒い川の水に触れた。すると、どうだろう。何も起きないではないか。

そのあとも数分間この水について考えてはいたのだが良い考えに至ることが出来ず、また暇になってしまった。そろそろ出口を探そうと思っていると、急な眠気が俺を襲った。暇つぶしには最適だと思い俺は眠気に身を任せたのだった。


次に起きたのは病院だった。今は窓からオレンジ色の光が差し込んでいるため夕方なのだろう。

何が起こったんだかさっぱり分からないが、首は動くようなので右を見る。優子がいた。寝ている。

次に左を見てみた。


「あ、フランスパン・・・。」

「フランスパンじゃないよ!いや、違くはないけど・・・。それで、大丈夫?どこも痛まない?」


正直、なぜお前がいる、と聞きたい。だが、俺は分かる男だ。それは言わないでやろう。


「ああ、大丈夫だ。どこも変わったところはない。」


と言ってから気づいた。左手から紺色の靄のようなものが出ていることに。

語句

ゴリハン:ゴリラハンター。ポプコン製のハンティングアクションゲーム。


設定

主人公と妹は両親と別居しています。学校に家が近いところに引っ越してきました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ