ふたりの異世界往訪譚 〜異世界訪問から始める街づくり〜
むかしむかし、湖の美しい国に一人の少年がいました。
彼は優しい母と村一番の魔術士である父、そして隣家の可愛らしい幼馴染の少女とともに毎日幸せに暮らしていました。
ある日、南の都の中央政府は彼の国にある重大な任務を与えました。
『東方の未開の地に住む野蛮人達を征伐せよ』
少年の国の住人たち、特に彼の村はこの任務を快く思いませんでした。
なぜなら彼らは東の人々が野蛮人などではなく、独自の文化を築く文化人であることを知っていたからです。
東方の人々が決して野蛮ではない事。自分たちの良き友人である事。それらを中央の人々にもしってもらおう。そうすればきっと考え直してくれるにちがいない。
村の裏の山の一角。そこに鎮座する祠の前に村人は集まりました。
村の守護神の前で彼らの願いを込めた手紙はしたためられ、早速彼らの国の領主を通じて南の都に提出されました。
しかし、中央の決定は変わることがありませんでした。
中央は任務に早く取りかかることを強く求めてきました。そして、中央に楯突いた見せしめとして村の一角を魔術兵による爆裂魔法で焼き払ったのです。
あまりの事に呆然とする村人達。
追い討ちをかけるように新たな命令が下されました。
『諸国の兵から成る東蛮討伐隊。その先陣をこの村の者が切ること。』
それから一年も経たないうちに少年の村は目に見えるほど衰退しました。
東方の敵との度重なる戦いで多くの大人がその命を散らし、村には年寄りと女子供しか残っておらず、加えて先日の請願書提出を政府批判と捉えられ、罰として重税も課せられていました。生活は苦しく中央政府からも睨まれている状況で、残った人々も多くが他の村に逃げていきました。
村を去る者。
絶望で自ら命を絶つ者。
全てを諦めただ死を待つように動かない者。
少年の村は崩壊寸前にまでなっていました。
そんな状態にも関わらず村が潰れなかったのは諦めない者がいたから。
少年とその幼馴染の少女もその一人でした。
この一年で二人とも家族を亡くし、平穏な日々を失っていました。
一つ屋根の下で一緒に暮らし、厳しい生活を二人で支えあって生きてきたのです。
少年は父の遺した魔術書を読みあさりました。父の研究から村に活かせる魔法があるかもしれない。村を支えることができるかもしれない。決して簡単ではないそれらの書物を少年はたった半年で全て理解しました。
まさに血を吐く思いで寝る間を惜しんで勉強したのです。
この時代、文字を読めるのは限られた人たちだけでした。そのため、彼の父が遺した知識を広めるにはそれを自分が先に理解し、その上で口頭で伝えるしかありませんでした。
彼は理解した原理や新しく発明した魔法を皆に伝え、自ら実践して村の支えとなっていったのでした。
そんな少年を少女は生活面で支えていきました。
流通も発達していない中、少年の家に住み込んで食材調達から調理まで彼女が一人で請け負い、魔法の研究に没頭する少年の生活を支えました。
また、表では村の様々な事務を皆の中心となって行い、疲弊した村の維持に大きな役割を果たしたのです。
しかし、それも焼け石に水でした。
二人の努力にも関わらず村の衰退は止まることはありませんでした。
このままでは生まれ育った村が消えてしまう。
父や母が生きた証が失われてしまう。
何かないのか…………。
皆を救える『神の一手』は…………。
その時、《門》が開きました。
その日、彼は幼馴染と共に村の守護神が祀られている祠に来ていました。
裏の山にある守護神の祠。
村の願いが叶わず悲劇の始まったあの日以来、ここを訪れる人はありませんでした。
村の守護霊でありながら村の惨劇を止められなかった神を信仰し続ける者はいなかったのです。
人が離れた神。
そんな神のもとを二人は訪れました。
********************
俺たちは己の力に限界を感じていた。
村を救うために自分たちの出来る全ての事をした。
できる限りのことをして……それでも村を守れなかった。
恐らく村の再興はもう諦めるほかないだろう。
そのことを分かっていながら、それでも俺たちは諦めることができなかった…………。
祠の前に立ち、俺たちは神に語りかける
……あなたは村を救って下さらなかった。
この一年で、村の皆は救いを信じることができなくなりました。
神はこの村をお見捨てになったのだと。
本当にそうなのかもしれません。もしくは私達下界の民のことなどもともと目もくれていなかったかもしれない。
それでも……それでも、俺たち二人はあなたを信じたい……。
どうか村を……俺たちを…………。
二人で頭を下げる
「神よ……俺達にお力をお貸しください………」
ふたりの思いが声に溢れる。
「私たちは懸命に生きました」
消え入りそうな声で少女は続ける。
「大好きなこの村のために闘いました」
願いを込めて少女は語りかける。
「私はこれからも自分の大切な人達と一緒に生きたいだけなんです。幼馴染と一緒にあの村で生きていきたいんです」
俺も彼女に続いた。
「お願いです。俺に、こいつに、俺達の村に、力を貸してください………」
「………今までごめんなさいね。」
突然、鈴のような声がすぐ隣から聞こえた。
幼馴染の声。はっと隣を見ると幼馴染が微笑んでいる。
「なん……で…………?」
「初めまして。私は時を司る女神であり、またこの土地の守護神でもあるものです。遥か昔、天帝からこの土地の守護を命じられて以来あなた達のことを見守ってきました。」
「え……って……神……様……? あっ!おっ……幼馴染はっ…………!」
「大丈夫ですよ。この子はタマヨリビメ。『神霊の依り代となり得る娘』です。神がヒトと言葉を交わすにはタマヨリビメに憑依することが必要なので身体を借りているのです。もちろん憑依が解けた後、後遺症などは残りません」
幼馴染の姿を借りた神は少年に微笑みかけたあと、その視線を地面に落としました。
「…………さて、この度は私の落ち度により大変失礼いたしました。」
「……落ち度、ですか?」
「はい。昨年、村の皆さんが祠の前で請願書を書いている時に、不吉な運気が見えました。いつもなら何かしらの方法でお知らせするのですが、私がもたついている間に征討が始まってしまったのです。事態が動いてしまっては私たちは介入することが出来ないのです……。本当に申し訳ありませんでした。」
「……あなたは『時の女神』とおっしゃっていましたよね。時を戻すこととかは出来ないのですか?」
「確かに私は『時を司る女神』です。が、『時を支配する女神』ではありません。多少、『時の流れ』を利用することはできますが『時の流れ』自体を変えたり逆流させたりすることはできないのです」
「それでは、なぜ今御姿を現されたのですか? 」
「『事態が動き始めたらそこに関与してはならない』 これは神の決まりごとの1つです。この決まりのために私は今まで動くことができませんでした。しかし、先ほど状況が変わったのです。東方での戦いの休戦が決まり私も制約から解放され自由に動けるようになりました。」
「東征が……終わった…………?」
俺たちの家族を、日常を、幸せを奪った東征。
その終わりが突然訪れた。
希望が湧き上がる。
これで村も…………。
「いいえ。まだ終わっていません。あくまで一時的な休戦です。」
思考が先走った俺を女神が押しとどめる。
「あくまで休戦、いつまた始まるかはわかりません。そんな状態では今の村を再興することなど難しいでしょう。もっとも、終戦していたとしてもこの村は厳しいと思いますけれどね」
そうだった。だからこうして神に助けを求めにきたのだった。
振り返り村を見る。祠の前からは村が一望できた。
やはりこの村を守ることができないのか……。
悲しみと共に怒りが湧く。
なんと自分の無力なことか……。
「……私があなた達の前に現れた要件を話しましょう。」
しばらくして幼馴染の姿をした神が口を開いた。
「先ほど言ったようにこの娘はタマヨリビメです。神はヒトに言葉を伝える際にタマヨリビメに憑依しますが、その憑依の際にできることがもう1つあります。」
微笑みながら神は話を続ける。
「神はその守護地において、その神の司るものにちなんだ力を振るうことができるのです。水の神なら雨乞いや治水。火の神なら火災鎮火」
時を司る女神はまっすぐ僕を見つめた。
「そして、私は時空を操ることができます。」
幼馴染は目を覚ますとすぐにびっくりしたね、と俺に笑いかけてきた。
二人で祠の後ろに回る。
そこには二本の木が並んでたっており、その間にはちょうどふたり分の間隔があった。
手を繋ぎ一緒にその間に立つ。繋いでいない方の手をそれぞれ木に当て、魔力を送ると木がどんどんその姿を変えていく。
しばらくして目の前に『門』が現れた。
隣に立つ幼馴染を見ると彼女も俺を見つめていた。
その目には不安と期待。きっと俺も同じ目をしているだろう。
『その先にはあなた達が知らない世界がありますよ』
女神は『門』の開け方を俺たちに伝えた後、最後にそれだけ言って幼馴染の体から離れていった。
俺たちの知らない世界。そこに何があるのかはわからない。
わからないけどそこに村を救う方法があるなら……!
東国との戦争を完全に終わらせることができるなら……!
幸せな日々を取り戻せるなら……!
隣に立つ少女とこれからも一緒にいられるなら……!
ためらうことなど……ない!!
「行くぞ」
少女が頷く。覚悟を決めた彼女の顔を見てから『門』に向き直る。俺たちは足を踏み出した。
『門』の先に広がっていたのは、まさに『異世界』だった。
『門』は入った所と同じような森の中に続いており、辺りは静かさに包まれていた。
振り返るとそこには真っ赤に染められた見たことのない形の朽ちそうな『門』。
そこから伸びるけもの道のような小道を二人でしばらく進むと突然ひらけた場所に出た。少し先は崖になっている。
その下に広がる光景に俺たち二人は言葉を失った。
大きな湖、その周りには大小様々な無数の建物。
考えられないほど発達した街だと遠目でも一目で理解出来た。
「こ……ここは……。いっ……いったい……こんなことって……」
白い服を着た少女が隣で呆然と呟く。
ここが『俺たちの知らない世界』……。
……ん?
「……お前、いつの間に着替えたんだ?」
少女は見たことのない白い服を身にまとっていた。
さっきまでは小袖を着ていたのに……。
ふと見れば自分の服装も変わっている。
「あーこれはね、神様からのプレゼントだよ。この世界の服装らしい。あとこの世界の言葉と文字はこっちと大体同じって言ってたよ。私たちの世界に似てるから門が通じたのかもね。」
なにそれそんな話聞いてない。
「とりあえず麓に降りよう。ここがどんな世界だとしても、神様がわざわざ案内してくれた世界だ。きっと俺たちの村を救う何かがあるだろう。」
「そうだね。じゃあ頑張って下山だ!」
未知との遭遇による衝撃を少し引きずりながらも、二人は会話の間にすっかり立ち直っていた。
山をおりると雰囲気が違う建物の前に出る。
神を祀る場所ようで人が多い。「神社」というらしい。
「こっちの世界は祠じゃなくてこんな立派な建物を建てるんだね!領主様の家より大きいかも」
経済や治安が安定しているからこそ建てることができるのだろう。こちらの世界の為政者は優れているに違いない。
「村を救えたら神様にもこんな感じの建物を建てよう」
「いいねそれ!そのためにもしっかりこの世界を知らないといけないわね」
「神社」から伸びる小石の敷かれた広い道を通り外に向かう。小さな林の中にまっすぐ伸びるその道はとても美しく見えた。
この世界に来た時にみた『門』。あれは「鳥居」とよばれる建築物で、俺たちが通ったものの何倍もあるものがいくつも立っている。
そんなものがそこらじゅうに建っているとはよほど神格の高い神社なのだろう。
そう思い近くにいた人に声をかけてみると「普通の神社」らしい。明らかに俺たちの世界よりはるかに進んでいるようだった。
いくつかの「鳥居」抜けて「神社」から出ると今度こそ本当に驚きの光景が広がっていた。
黒く光る整えられた道。
そこを引くものもないのに走る荷車。
走る四角く細長い平屋には多くの人がはいっている。
しかも、走る荷車や平屋の通る道と人の通る道は区別されているのだ。そして彼らは道に書かれた文字や色が変わる光る板を見て進んだら止まったりしていた。
道を進むとさらに様々な光景が目に入る。
天にそびえる建造物の数々。無数の複数階建ての家。
通りには考えられないほど多くの人、人、人。
彼らは皆光る板を手にしている。
「どう思う?」
「……正直、文化レベルが違いすぎて参考にならないね。」
「俺もそう思う」
これを見せて神はどうしろと言うんだよ……。
平屋を動かす魔法なんて聞いたこともない。
「すぐに参考にできるものは少ないけど、これほどの大きな街だから本はいっぱいあるんじゃない?」
「高級品だぞ!?そんな簡単に作れたり見れたりしないんじゃないかな?」
そもそも本など読める人は少ないため、持ってる人も少ないはず。
「せっかく異世界に来たんだから聞くだけ聞いてみようよ!」
そう言うと彼女は近くの人に声をかける。
彼女のこの積極性と前向きな性格は正直羨ましい。
「ただいまー!」
「どうだった?」
「この近くに『図書館』っていう本をいっぱい所蔵してて無料で見せてもらえるところがあるらしい!」
まじかよ。
呆気にとられる俺に構わず彼女はさっさと『図書館』に歩き出した。
『市立図書館』
そう書かれた建物に入るとそこは天国だった。
本。本。本。
夢にまで見た本の山がまさに現実のものとして目の前に広がっていた。
異世界に来てよかった……。
「なっ、なんで泣いてんのよ……」
少女は少しひきながら本を手に取る。
予想以上の蔵書数のため、調べることを限定する。
はじめに、ここはどんな世界のどこなのか。
二人とも文字が読めるので始めは手分けして調べていたが、知らない単語が続出したため二人で一緒に調査する。
地図を広げ俺たちがいるところを推定する。
ここに来るまでの道中でここの地名は分かっていたためすぐに特定できた。
「日本国」と言う島国の一都市らしい。
場所がわかれば次は大まかな歴史、そしてその後にこの国の政治と経済を調べる。
「弥生」「天皇」「奈良」「幕府」……。
歴史用語が難解でさっぱり理解出来ない。
それならばと、先に政治と経済に手を出す。
「自由権」「議院内閣制」「GDP」「NATO」……。
知らない文字が現れた。
「……さて。」
「……うん。」
夕陽のなか、肩を落として二人は歩く。
結局大して読み進めることが出来ないまま、閉館ですと職員に追い出された。
「門ってこれからも使えるのかな?」
「帰ったら神様にお願いしようね。このままだとなにもできないよ……」
わかったことはいくつかある。
まず、この世界には魔法が存在しない。
魔法なしでどうやって発展してきたのか知りたいところだが、どうやら物理学を駆使しているらしい。
物理だけでも高度な社会が築ける。
このことは大きな発見だった。だがそれを生かすための技術を学べていないためすぐに実践することはできない。
どちらにせよ、今日はもう帰らなければならなかった。
『日の入りの後、一時間の間に元の世界に帰らないといけない』
それが女神からの条件の一つだったからだ。
先ほどに比べ人が少なくなっている神社の境内を進む。
陽が沈みすっかり暗くなった山道を登って最初に街を見下ろした高台に到着する。
「…………!!」
少女が声にならない叫びをあげる。
眼下には夕闇の中、美しく輝く町の姿があった。
「綺麗……」
俯く少女。
その目からは涙が溢れていた。
「時間ギリギリでしたよ」
元の世界に戻るや否や神様が幼馴染に憑依した。
「すみませんでした」
「まあ時間は守ってますからよしとしましょう。初の異世界往訪、どうでしたか?」
「……ただただ圧倒されました。本当に凄かった」
俺は神に向かい居住まいを正す。
「神様、これからも向こうに行かせてはもらえませんか?今日だけでは到底調べ尽くすことはできませんでした。明日以降も向こうに行かせていただきたいんです」
「もちろんいいですよ。でも行くことができるのは貴方とこの子のふたりだけです。この力はこの子とその信頼する人物である貴方の魔法技術があってこそ成り立つ力ですから」
「そうですか……」
調べ物が大変そうだが仕方ない。
了承して細かい説明を受ける。
話が終わるとどこに持っていたのか神は山菜や肉を突然手渡してきた。
「えっ……これ……いいんですか?」
「ええ、もちろん。というかないと困るでしょう?」
確かに一日中向こうに行ってたから何も食材を用意できていない。このまま帰っても食べるものがない。
「それではありがたく頂戴いたします」
「これからもむこうに行った時は差し入れますね」
そう微笑む姿はまさに女神であった。
しばらくして幼馴染が目を覚ますと一緒に家に向かう。
「今日はすごかったな」
「うん。しかも食べ物までいただけるなんてありがたいよ〜」
「本当にな。よし、帰ったらご飯食べて今日のまとめをしよう!明日も行くからその準備もしないとな!」
「よーし村の復興目指して頑張るぞー!」
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数年後、かつて少年の村があった場所には大きな街が広がっていました。
山と湖に挟まれたその街は活気に満ち、諸国から人が集まっていました。
湖には革新的な土木技術を用いた港が作られ、その利便性から東国との交易が盛んに行われるようになりました。
街は道路が美しく整備され、魔法と物理を用いて作られた魔機を用いた上下水道が普及し、世界一生活で住みやすい街として知られるようになりました。
町の外には田畑がひろがり、地産地消だけでなく他地域への輸出も行われていました。
そして裏山には、町が一望できるところに美しい社殿をもつ小さな神社がひっそりと建てられていました。
少年と少女はあれからも毎日のように異世界を訪れました。
日本の通貨を手に入れ、本などを購入するようにもなりました。
異世界を初めて訪れてから半年。
少年ははじめての魔機を発明しました。
トラクターを参考にして作られたそれは、村の生産力を格段に向上させたのです。
生活に余裕ができると、村人達は少年の設計と少女の指揮のもとで港湾の整備に取りかかりました。
数年の後、港が完成するとその水運の良さから東方との交流が活発となり、村は商業の町として栄えるようになりました。
南の都から離れた東方は、中央政権の支配下に入りましたが、その自治は認められており、独自の文化ものこされたままになっていました。
少年の買った本で経済を学んだ村人たちは、そこにめをつけ、東の独特な製品の入手から販売のルートを確立し、村に利潤を多くもたらしたのです。
こうして村は大きな街へと発展を遂げていきました。
山の小さな神社の前。
二人の男女が並んで街を見下ろします。
かつての少年とその幼馴染の少女はこの数年で立派に成長し、男は町長、女は巫女となっていました。
夢にまで見た村の復興。
それは数年前のこの日から始まりました。
きっとその日のことを二人は忘れないでしょう。
並んで神社の方に歩く二人。
神社の本殿、その後ろに結界魔法が張られています。
二人だけが入ることのできるその内部。
そこには小さな祠があります。
美しく輝く巫女。一瞬の後に神が現れます。
しばしの語らい。
再び巫女が戻ると二人は手を繋ぎ『門』を出現させます。
ふたりの異世界往訪譚。
それはまだまだ終わりません。
二人は『門』をくぐります。
静かな森の中。見慣れた風景。
そこから広がる異世界。
さあ、今日はどこへ行こうか。
二人の明るい声が異世界に響きわたっていきました。
読んでいただきありがとうございました!