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終わりなき青  作者: ふゆしろ
4/13

04

『おれは夜空の方が好き。好きなだけ見上げることができるからさ』


 煌めく星を目に映す。


『それに、おれに青空は必要ないんだ』


『どうして?』


『ソランがいるから』


 「あなたの瞳は空のようね」と、いつか母に言われた。

 青というには淡く、水色というには濃い色味。あれ?どうしてそんな話になったのだっけ。


「ソラン、いつまでそこにいるんだ?」


 夜のバルコニーは冷える。気づけば指先が冷たくなっていた。


「おれ、もう寝るぞ」


「うん、おやすみ」


「おやすみ。ソランも早く寝ろよ」


 ルームメイトの友人は肩をすくませ、ベッドへ向かう。その背中へ思わず呼びかけた。


「あのさ、よく一緒にいたやつ、もう一人いたよな?」


「…誰の話だ?」


 彼はいぶかしんで眉根を寄せた。


「からかってるのか?」


「ちがう。そんな人がいた気がして」


「ソラン、疲れてるんだよ。ほんと、早く寝ろよ」


 最後には心配そうな顔をされる。

 ソランは最後にもう一度星空を見上げ、バルコニーを後にした。


 夢うつつに船を漕ぐ。


 寒い夜は一緒に布団に入り、お互いの体温で暖める


 この年になって一緒に寝るなんて変だろうか。いや…周りなんてどうでもいい。二人だけの世界には。


『お墓もソランと入りたいな』


『、…そんなこと言うなよ。縁起でもない』


 クスクス笑う声。


『わりと本気で考えてるんだけど』


 冗談じゃない。

 ああしかし、その時が来たら、それも良いなと思った。


 ずっとずっといつまでも 一緒…





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