ここはどこですか?
死ぬということを考えた事があった。人が死ぬ時どんな気持ちになるのか、昔にふと思った。だがいくら考えど自分の満足する答えを出すことは出来なかった。そりゃそうだだって死んだ事がないのだから分かりようがない。そう昔の俺は結論づけた。
今なら答えを出せる、いたってシンプルだ。
何もない
テレビの電源を切るようにあっさりと意識はなくなる。それだけだ、それ以外に何もない実に簡潔で分かりやすい答えだった。
「あのさ......そろそろ起きたらどうだい?そんな間抜けな面でいつまで寝るつもりなのかな?」
「いや誰だよお前。とゆうかここどこ!?」
マジでどうなってるんだ? ああそうか......
「ここが死後の世界なのか。」
「いやいや死んでないよ君、それにここは死後の世界でもないからね。」
「ん?死んでない.........?」
そんなはずはない。一瞬の出来事だったが何かが俺の頭と体を分けたことははっきりわかる。人間が生きているわけがない。
「うんそうだねあの状態になった人間はまず生きていない。普通の人間ならの話だけどね。」
「何だよ普通の人間ならってそれじゃあまるで俺が普通の人間じゃないみたいな言い方だな。」
「事実を述べただけだよ。君は普通の人間ではない。」
「頭がパンクしそうだ。死んだと思ったらわけわからん場所にいて変なやつに変人扱いされるとは.........。そういや大事なことを聞いていなかったな お前は誰だ?」
俺がその質問をした。 瞬間ソレの口が弧を描き三日月の形となった。その笑顔は何の意味を持っているのかさっぱりわからないが、ただソレが純粋な笑顔ではないという事だけはっきりしていた。
「私か......その問いの解答は伏せさせて貰おう。だがそれだけでは満足しないだろう、ある程度納得してもらわなければならないしな.........。では私の事を少し教えよう。
私はね人が大好きなんだ。歪曲でみすぼらしい、弱くて直ぐに死んでしまう............けれどなけなしの勇気を振り絞って最後まで生にしがみつこうとする。
ワタシはそんな人間が心から大好きなんだ。」
「はあ.........。」
正直よく分からない。こいつが何で何をしたいのかさっぱりわからない。 でも多分こいつは悪魔のような存在なのだろう。人間が大好きと言っているがその実は弱者が足掻くのを見るのが好きなサディスト野郎。
けど分からない、そもそもの疑問が解決出来ていない。
「それで俺は何でここにいるんだ?というかここはどこだ!」
「あぁ......そんな質問もしていたね。なら簡潔に言おう。
ここは君自身の世界だよ日々色 暁君。」