Road19 ちょっとした会話
「おや、どうやら無事だったようだね。ありがとう、おかげで店を再開できるよ。」
あの後まだ集めきれてなかったソマトリ草とその他がそこそこ時間がかかったが探して二、三匹ほど規定数に達していなかったので倒してきて街に戻ったのは夕方になってしまった。 時間がかかるかと思ったがあの墓地での戦闘で楽に終わらせることが出来た。
辛かったのには間違いないが。
「一つ聞きたいんだけどこれって見覚えある?」
そう言って俺は誘呆の香をサディの婆さんに見せた。
「どれどれ・・・。あ〜なんか見たことあるねたしかこれスム教の連中が使ってなかったかね?」
「スム教?」
「一時期不作の時期が続いた時に広まった宗教さね。何でも魔物が生気を吸い取り続けているせいで作物が育たない。だから魔物に命を捧げれば救われるとか言いふらしてたね。」
「胡散臭いなその宗教。」
「まぁすぐ関係者とか鎮圧されたけどね。しかし作ったの誰だいこりゃ。失敗して効果が薄れちまってるじゃないか。」
そんなことを呟きながら効果が無くなるように処理をしていっている。氷水入れて放置しとけば勝手に効果は無くなるらしい。簡単だな。
そのあとは墓地にいた人のことを話し、教会に連絡すると約束した後報酬をもらって別れた。
進行度:20%
レフールの所へ薬を持っていき話を聞こう。
「という事で持ってきたぞレフールのじいさん。」
「おお、お前さんかありがとう。サディは元気じゃったか?」
「全く問題なく元気そうだったぞ。」
そう話しながら受け取った薬を渡していく。が量がかなりの多い。家の中の空き部屋一つまるごと使うくらいサディの婆さんから渡された。その分懐はホクホクだが。
「この薬は何に使うんだ?」
「北の地に撒いたり埋めたりする。北の地が今ほったらかしなのは魔物の大量発生時における大地に蓄えられていた魔力の大量消費とその魔物が残していった魔素による回復阻害のせいじゃ。前に栄養不足と簡単に説明したが実際は魔力不足じゃな。」
「これで魔力が回復するのか?にしても北の地全部に撒くとなると少なくないか?」
「回復させるというより回復を促すんじゃ。大地が持つ力は強大じゃ。下手に介入すると逆に悪影響が出たりするからの。自然は自然のままにしておいた方が良いんじゃ。」
大地と自然が持つ力は人では計り知れないと感慨深そうに話していた。
薬を撒く時は同業者の仲間達と共同で行うらしい。ただ若い人もいるがほとんどが年寄りらしく、出来れば力を貸して欲しいとのこと。クエストが進んだようで何よりである。話によると三日後にする予定でそれが終われば北の地に撒くことは終わりで後は時間を置いて色々準備してから再開するらしい。といっても規模はみんな前より小さくするらしいがこの街の主要な産業だったらしく情熱は変わってないという。
「そういえば土地売ったんだろ?買い戻すのにかなり費用かかると思うが。」
「確かに多くが土地を国に売ってしまっておるの。しかし国もこの事態にたいしては政策をうってくれておる。それでもきつくてな。結局多くがいなくなってしもうた。また昔のように戻ってきてくれると嬉しいんじゃがのう・・・。」
しみじみとそんなことを話していた。
レフールのじいさんと別れ後、俺はルルさんの店でポーション類を売りに行った。ルルさんはどうやら店を開く目処がたったらしく明日には移るという。早いなと思ったがルルさんはベータテスターの中では遅い方だという。そうなるとあの小屋を買った俺は早いのか遅いのか聞いたところ一般プレイヤーの中ではかなり早い方だと言う。まぁ確かに序盤は冒険のための準備おかして余裕ができたらそういうのを買うんだろうなと自分でも思う。
特に自分はこだわってなかったからなぁ。




