Road1 始まりのきっかけ
第三作目。相変わらず下手です。
ゲームにも様々なジャンルがある。シューティング、RPG、恋愛、アクションなどなど。しかしそれらはすべて画面の中で行われていた。感情移入はできてもその人自身にはなれない。誰もが実際に戦ってプレイしたい、そう思っていた。しかしついにその夢は実現する。
この日、学校は終業式。夏休みに入るので浮かれている者も多い。そういう俺も少し浮かれ気味なのだが、いつも通りに学校へ登校した。
「やっと学校終わるな。これから遊びまくれるなぁ時人。」
「宿題もちゃんとやれよ。教えるの面倒なんだからさぁ、伸治。」
「そういうなって。」
そういって話す相手は同じクラスの友人である要 伸治だ。人当たりがよく、あまり話しかけようとしない俺を引っ張ってくれるいいやつだ。勉強は嫌いなようだが。
「やっとDROの正式サービスが始まるんだ。待ち遠しくてしょうがなかったよ。」
「Diverse Road Onlineねぇ…」
完全フルダイブ型ゲームDiverse Road Online。
日本初の完全フルダイブ体感型ゲームとして話題になっている。プレイヤーは自分の武器を持ち、10個の枠の中で好きなスキルを装備し、戦いの日々を過ごしたり物を生産する日々を過ごしたり様々なプレイをすることができるゲームだ。
「時人は持って無かったんだったか。」
「欲しかったんだけどな。ベータテスターに選ばれず本体も買えなかった、まあ仕方がないよな。今一番の人気だし」
「俺のハードとソフトはもうあげちまったしな」
ベータテスターに選ばれた三千人のプレイヤーにはベータテスト終了後にもうひとつプレゼントされている。これは友人たちを招待したいというプレイヤーの願いと遊んでくれてありがとうという製作者の感謝が込められているらしい。
その後四千個が販売され、計一万人のプレイヤーがサービス開始からプレイをすることができる。
「まぁ、次狙ってみるさ。」
「おう。その間に俺はガンガンやってるぜ。その時はなんか手伝ってやるよ。」
そういう話をした後、HRが始まり終業式があった。終わった後は特になにも用はなかったので帰宅し、宿題をやって過ごした。
数日後、実家に居る妹の鈴から突然電話があった。特に俺は話すことは無いのだがどうしたのだろうか。
『お兄ちゃん夏休みは帰ってくるの?』
「いや、あまり考えてなかった。伯母さんの家の方が集中できると思っているが。」
『息抜きはしてるの?』
「勉強漬けの生活じゃねえんだぞ。そこそこしてるわ。」
『じゃあお兄ちゃんDRO持ってる?』
「へ?」
俺は動きを少し止めてしまった。鈴もゲームはするがそこまでゲーマーではなかった気がするが…。
「鈴、お前持ってんの?」
『お姉ちゃんも持ってるよ。私もお姉ちゃんもベータテスターだよ。』
「本当か…。」
俺は驚きを隠せなかった。風佳姉も鈴と似たようなものだと思っていたんだが…。
「じゃあ持ってないの俺だけか。」
『ハードも無いの?』
「そうだが?」
「「じゃあついでに持っていくね。」」
「はい?」
鈴が何をいっているのかよくわからなかったが、電話が終わった後数分後に分かった。
「やっほー! 来たよお兄ちゃん!!」
「お邪魔します。」
俺が今住んでいる叔母の家に鈴と風佳姉が来たからだ。連絡ぐらいしてほしいな…。
「夕さんは?」
「仕事だけど?」
「じゃあ今のうちにセッティングしましょう。」
「お兄ちゃんはいこれ!!」
そういって渡されたのはDROのソフトとハードだった。