表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/80

第五十三話:服を着よう

 暑い。

 暑い、暑い。

 暑い、暑い、暑いぃぃぃぃ!


「ウルサイゾ、フィーオ」

「だって、暑いんだもんっっっ!!」


 井戸の傍でゴロゴロと転がっているエルフ少女に、ひょいっと水筒を渡してやる。

 今、汲んだばかりの水を受け取って、だが不満そうな顔でゴクゴクと飲み干した。


「うーん、ぬるいっ! やっぱりぬるいよ、ここの水」

「我慢シロ、地下水デモコノ温度ダ。確カニ異常ナ暑サダナ」


 小屋の貯水が切れたので、井戸まで水を汲みに行った俺とフィーオ。

 だが我慢の足りないエルフ少女には、ここへ至る道だけでもヘトヘトになっていた。

 今も暑い暑いと叫んで、天高く照り続ける太陽への不満と不平を重ねるばかりだ。


「オイ、クラーケン。マタ水ヲ汲ムカラ、釣瓶ニ触レルナヨ」


 井戸の底に向けて、俺は大声で話し掛けた。

 クラーケン、どうみても巨大なタコにしか見えないソレが、昏い井戸の底から返事をする。


『はいはーい』

「てか本当に棲みついてるわねぇ、あの人。旅の目的とかどうなったのかしら」

『もう少し涼しくなったら、旅に出まーす』


 自由だなぁ。俺もかつてはああいう生き方をしていたから、気持ちは分かる。

 わざわざ苦しい時、辛い時に旅をすると、モチベーションが尽きてしまうのだ。

 まぁ「七難八苦を与え給え」と願うべきだろうが、適度に自分を許すのも長続きのコツである。


「なんかアレね。自分にだらしなくなる理由を正当化するとか、ダメダメね」

「タマニハ良イノダ。路銀ノ無イ時トカ、暑イ時トカナ」

「で、ペリカの半分を班長に没収されたりする日々の幕開けね」

『集まれ……っ! ヨンゴー組……っ!』

「ペリカナドトイウ、通貨単位ハ無イ」

「じゃあバイソン・ドルで良いわ。英国通貨の五倍の価値があるのよ」


 俺はフィーオの寝言を無視しながら、黙々と釣瓶に水を汲み上げさせる。

 そもそも、この森で通貨の概念を考えても仕方あるまい。

 行商人との交渉で、多少使う程度である。


『ブレイブメン・ロードに行ってきまーす』

「デ、アノクラーケンハ、井戸ノ底デ何ヲ叫ンデイルンダ」

「たぶん、千五十年地下行きの刑を受けたんでしょ」

『ああっ地割れの向こうに星空が見えるー。宇宙船が見えるー』


 もしかして、地下水の温度で頭が茹で上がったんじゃなかろうか。

 地上も地下も、頭のおかしくなる温度である。うーむ。



 * * *



 フィーオじゃないが、確かに暑い。

 汲んだ水を貯水槽へと入れて、日用の水瓶にも補充をする。

 その作業だけで、今補充した水分を身体から失ってしまうかと思える程の汗が出る。


「死んじゃうよー。マルコ、なんとかしてぇ」


 地面が少しだけ冷たいからと、フィーオが日陰で五体を伸ばし、仰向けで倒れている。

 うーむ、まぁ水打ちをすればマシかもしれないが……時間的に今更ではある。


「水打ち?」

「地面ニナ、水ヲ撒ク。スルト地面カラノ熱ガ抑エラレテ、涼シイ風ガ通ルンダ」

「へーっ。じゃあ、ちょっとやってみましょ」


 止める間も無く、フィーオは柄杓で水を撒き始めた。

 ムワッとする水蒸気が立ち込めて、その熱気に俺とフィーオが思わず絶句する。


「全然涼しくならないじゃない!」

「ダカラ、時間的ニ今更ダト言ッタロウガ」


 地面が熱くなってからでは、蒸発する水蒸気のせいで余計に暑くなる。

 だから朝や夕方など、涼しい時に水を撒くのが原則だ。

 まぁ砂や埃が舞わなくなる、という利点もあるにはあるのだが。


「マルコったら、本当に余計な事しか教えないのねぇ……」

「ブヒヒィ(然り然り)」

「ふんごー(やはり我々、まいっちんぐオーク先生による肉体言語学習の出番ですな)」


 両腕を組んで背を小屋の壁に預ける、二人組のオーク族。

 ピッグとポークが「力が欲しいか?」と語り掛けながら、俺達の前に姿を表した。

 うーむ、見てるだけで暑苦しい連中め。


「参考までに聞くけど、じゃあ涼しくなるにはどうするの?」

「「ブヒヒィ&ふんごー(脱ぐ!)」」


 フィーオの投げた石が、ピッグとポークの眉間に直撃する。

 一石二鳥、いや一石二豚か。


「オマエラモ、凝リナイナ」

「ブヒヒィ(暑いんで開放的になるかと思ったのですが)」


 濡れた地面に倒れているピッグの頭をピシャリと叩く。

 海も川も無いのに、服を脱ぐ馬鹿がどこに居るのか。


「でも服が暑いのは同意しちゃうわ。もっと涼しいの無いかなー」


 フィーオは白いワンピースであるから、かなり涼しさを得ているはずだ。

 これ以上は水着にでもならないと、どうしようも無いだろう。


「ふんごー(水着回! そういうのもあるのかっ)」

「水着ナンテ無イゾ」


 ポークがガクンッと膝から崩れ落ちる。愚かな。

 しかし、ただでさえ暑いのに、やはりこの二人が来ると騒々しさで余計に暑い。

 こんな状況で、更に他の誰かが来たら、もう干からびそうだ。


『なになに、なにか大騒ぎしてる~?』


 森から、猫女であるクィンの何気ない声が聴こえた。

 これはまた、見るだけで暑そうな奴が来たな。なんせ全身が毛皮だからな。


「あら、猫女さんじゃない。でもその姿、どうしたの?」

「「ブヒヒィ&ふんごー(うぉおおおおお!!)」」


 フィーオの言葉とオーク二人組の絶叫で、俺は水を入れ替える作業を止めて、猫女の方を見た。

 すると、そこに銀色の毛で覆われた猫女の姿は無く……。

 爽やかな空色のワイシャツと、太腿がギリギリまで見えているミニスカートの猫女が居た。

 黒いハイソックスが、やけに艶かしい。


「オイオイ、ナンダソノ姿」

『ふふん、良いでしょ。やっぱり夏は僕みたいなイイ女を解放的にしちゃうのさ』


 毛皮の上に着込んでいるから、むしろ閉鎖的じゃないのか、それは。

 しかしピッグ達にはウケが良いらしく、両腕でガッツポーズを作りながら叫んでいる。


「ブヒヒィ(ちちぃ! しりぃ! ふとももぉぉ!)」

「ふんごー(なんという絶対領域、輝いてやがるぜぇ)


 そのまま拝みそうな二人に、猫女はわざとらしく腰を強調したポーズを魅せる。

 歓声と共に「ふとももバンザイ! ふとももバンザイ!」と情けなさ炸裂の言葉が上がる。


「ヤメロ、フィーオニ目ノ毒ダ」

『お嬢ちゃんにも、ちょっとは良い服を着させてあげなよ』

「そうだそうだー」

「ブヒヒィ(そうだそうだー)」

「涼シサ優先ナノデナ。熱中症ニ掛カッテハ仕方無イ」


 猫女は女心から言っているのだろうが、ピッグが言うと下心からしか聞こえないな。

 だが砂さえ焼けそうに異常な暑さの中で、よくもまぁ服を着ようと思えるものだ。

 見る者も居ない森の中での女心とは、いやはや全く分からんな。


「ふんごー(絶対領域……スカートとハイソックスの狭間の世界)」

「何ヲ言イ出スノカネ、コノ馬鹿ハ」


 ポークが決意を秘めた瞳をキラリと光らせた。

 彼の言葉をピッグが拾ってしまい、ポークの耳元へと身を乗り出す。


「ブヒヒィ(やはりキミも気になるかね。あの絶対領域の果てに、何があるか)」

「ふんごー(履いているか、履いていないか。それが問題だ)」


 あ、たぶんどうでもいい話をしているぞ。

 ひそひそ話だから猫女には聞こえていないだろうけど。


「まぁ猫女だしねぇ……履いてないんじゃない?」

「下品ナ話ニ加ワッチャイケマセン」

「ブヒヒィ(下品じゃありません。絶対領域の先にある因果地平、そこに広がる宇宙の秘密)」

「ふんごー(人類の探究心は、どんな困難をも乗り越えます。それがスカートの中としても!)」


 うーん、やっぱり低俗オブ低俗の話だったな。

 話を聞くに、どうやら「ギリギリ下着が見えないスカート」を鉄壁と呼ぶらしい。

 その鉄壁とハイソックスの狭間の太腿を「絶対領域」と呼称しているのが、この二人だ。


「毛むくじゃらなのに、そんなの興奮できるわけ?」

「ふんごー(勿論。スカートとハイソックスの狭間の空間が絶対領域の本体)

「ブヒヒィ(太腿の実在は、本体の影でしかありません)」

「哲学的過ぎて、よくわかんないわね」

「ふんごー(要はパンツを履いてるかどうか見たい。そうだろう、ピッグ君?)」

「ブヒヒィ(う、うんっ! そうだよね、ポーク君!)」


 二人がガシィっと熱い握手を交わす。

 その炎を宿した瞳に浮かぶは、まだ見ぬ猫女の下着である。

 俺はロープを用意して、この痴漢二人組を捕縛する事にした。


「ブヒヒィ(俺達が絶対領域を何とかしてやろうと言うのに!)」


 やかましい。

 俺は痴漢予備軍を縛り上げると、それらを森の奥へと投げ捨てる。


「ふんごー(とんでもない、とんでもない事になるぞっ!)」


 森で叫ぶ二人を拾いに行くと、そこには「クロスアウッ」と書かれたロープが転がっていた。

 縄抜けしてまで、なぜ絶対領域に挑むのか……あの二人、心底アホなのだろうな。


「ソンナ訳デ、充分気ヲツケルヨウニ」

「うちの馬鹿豚が迷惑掛けて悪いわねぇ」


 のんびりしている猫女に、俺とフィーオが頭を下げる。

 オーク二人が馬鹿なのはいつもの事とは言え、猫女はカラカラと彼らの無礼を一笑した。


『何を馬鹿騒ぎしていると思えば……ふっふっふ。でも僕に欲情するとか、光栄じゃないか』


 まだまだイケるねぇ、と自分の服を摘んで喜んでいる。

 相手がオークであっても嬉しいものなのだろうか。


「で、その服着てお披露目は分かったけど、何しに来たの?」

『キミを笑いに来た』

「な・に・し・に・き・た・の?」

『暑いから、暇つぶしにね』


 あー、たぶん猫女の飼い主である魔術師が、暑さでダウンしているんだな。


「マッタク。スルコト無イナラ、川遊ビデモシテレバドウダ?」

『イヤよ。だって猫だから水嫌いだし』

「毛皮で暑苦しいのに水浴び出来ないなんて、もう地獄ねぇ」

「ウム。毛ノ生エ変ワリトカ、ドウナッテンダ?」

『獣人は自由に毛の長さを変えられるから、これでも結構涼しいのよ』


 見てる方は暑いんだよ、っと喉から出そうになる言葉をぐっと堪える。


『ま、僕の服を脱がせてもっと涼しくしてくれる、そんなダンディが居たら良いんだけどね』

「ハァ……」


 呆れる俺と、何故か猫女に舌を出しているフィーオ。

 今日はこのまま、猫女に引っ掻き回されそうな予感がするな。

 そんな俺達の耳に、森の奥から何か機械の吠える音が聴こえた。



 * * *



『ウォォォン!』


 機械的な刺々しい甲高さと、生物特有の低音が地面を揺らす。

 俺達は声のした方を見て、何事かと身構えた。


「アレハ……」


 そこに居たのは、いつか見たピッグ達の郵便マシンだ。

 ヤギの姿をしているそれは、ツノの生えた紫色のロボットとなって森から飛び出して来た。


「ウォ、襲ッテクルノカ」

「ブヒヒィ(ふはははっ。いけ、我が戦闘メカよっ!)」

「ふんごー(まさか後継機が襲ってくるとは思うまいぃー!)」


 どこからかピッグとポークの声が聴こえる中、ヤギはまっすぐに猫女へと向かう。

 目指すは猫女のスカート、その端に頭部のツノを引っ掛ける。


「ふんごー(いけっ、そこだっ、一気に捲れぇ!)」

『あらよっと』


 猫女の横蹴りで、ヤギはゴロゴロと転がって倒れる。

 恐ろしく弱い。所詮は郵便用のロボットである。

 が、安心したのも束の間、猫女の背後に今度は紅いヤギロボットが迫っていた。


「マダ居ルノカヨ」

『ウォォォォンッ』


 やはりスカートを狙うそのツノに、猫女は真剣白刃取りをする。

 両手を封じられた所へ、更なるヤギロボットが茂みから現れた。

 黄色をしたそれは、腕にボールの様な物を抱えていた。


『ターゲット・絶対領域。破壊スル』


 黄色のヤギロボは猫女に突撃すると、そのボールを猫女の足元へと投げる。

 それは一瞬だけ眩しく輝くと、強烈な勢いの風を吹き出し始めた。


「アレハ、圧縮空気ッ」

『わわわっ、スカートがっ」


 余裕だった流石の猫女も、捲れそうになるスカートを両手で押さえてしまう。

 当然、白刃取りをしていたツノがフリーとなる。


『ガオォォォンッ』


 紅いヤギロボが、猫女の腰に取り付いた。


「まさか、スカートを捲るつもり?」

『ペロペロ』

「ふんごー(いえ、侵食しているのよ……)」

『ひぇぇぇー!』


 ヤギがペロペロと猫女を舐めると、クィンからとんでもない悲鳴が上がった。

 リモコンを持ったピッグとポークが、隠れていた茂みから立ち上がる。


「ブヒヒィ(よしっ! 人らしい弱さが見えてきたっ。もう一押しだ)」

「ヤメンカ、アホゥッ!」


 俺は縮地を使って二人の元に駆け寄ると、目にも留まらぬ速さでそのリモコンを奪いとった。

 それを地面に叩きつけながら、同時に二人の頭へと蹴りを入れる。


「ふんごー(ギャース!)」

「いい加減にしなさいよ、あんた達。女性をなんだと思ってるの」

「ブヒヒィ(いてて……うぅ、あと少しだったのに)」


 全く度し難い連中め。

 俺は破壊したリモコンを見て、溜め息を吐く。これでロボットも大人しくなるだろう。

 そう思って猫女の方を見たら、なんと三体のヤギに囲まれていた。


『ちょ、ちょっと待って。うぇぇぇー! ぎゃはははっ! くすぐったいぃ!』

『ターゲット・絶対領域。ペロペロ』


 おおぅ、なんだか凄い事になってるな……。

 予想と違う行動をしている三体に群がられて、猫女はかなり劣勢のようだ。


「オイ、ドウナッテルンダ」

「ブヒヒィ(そりゃもう、良いも悪いもリモコン次第ですから)」

「どこの鉄人よ、それ」

「ふんごー(リモコンが無い以上、暴走するしかありません)」

「どこの決戦兵器よ、それ」


 しかありません、じゃねぇよ!

 仕方無い。俺はヤギロボットへと駆け寄ると、それぞれを一体ずつ羽交い締めにして引き離す。

 不意打ちさえ受けなければ、さほどに苦労する相手では無い。

 俺は暴れるヤギを「クロスアウッ」と書かれたロープで縛り上げて、地面に転がした。


『ターゲット……ターゲット……ターゲット……』

「オイ、大丈夫カ?」

『アハハッ、ハァーッ。わ、笑い死ぬかと思ったよ』


 そう言って、猫女はふらふらと立ち上がった。

 全身隈なく舐められており、特に衣服がベトベトになっている。


『うへー。これじゃあ着てられないねぇ』

「アー、スマン。ウチノ馬鹿ヲ殺スカラ、ソレデ手打チニシテクレ」

「ブヒヒィ(あれあれー? 何気に死ねって言われてる、僕達ー)」

「死ねなんて言ってないわ。殺すって言ってるの」


 逃げ出そうとする二人をフィーオが追い回す。

 それらを一瞥もせず、猫女は汚れた服をこの場で脱ぎだした。


『ふぃー。脱いだらスッキリしたね』


 言いながら、いつもの銀色毛皮である猫女の見慣れた姿となる。

 ……。


『ん? なんなのさ』

「イヤ……脱ガサレマイ、トシテイタノニ、脱グ時ハアッサリダナ」

『だっていつもの姿じゃん、これ』


 そりゃそうだけどな。

 俺と同じ感想なのか、ピッグとポークも唖然と猫女の方を見ていた。


「ドウダ、満足シタカ?」

「ブヒヒィ(そんな、絶対領域が失われてしまうなんて)」

「ふんごー(これが答えなの……私の求めていた……)」

「何ヲガッカリシテイルンダ」


 俺の言葉が癇に障ったのか、二人は項垂れた顔を上げて話し出す。


「ふんごー(太腿は狭間やから絶対領域なんや。脱いだらそれ絶対領域ちゃう。裸やっ!)」

「ブヒヒィ(絶対領域の終わりを知っても、ああそうか、と思うだけだ)」


 つまり変態なんだな。

 俺はフィーオと一緒に、二人が気絶するまでゲシゲシ踏んだ。

 少しは懲りて欲しいけど、そんな事は決して無いんだろう。うーむ。


『あー、でもなんか、やけに涼しいねぇ』


 やけに爽やかそうな顔で、猫女は手を団扇にしつつ仰いでいる。

 暑い中、走り回った俺とフィーオ達は汗だくなのに、狙われた当の本人はやけに涼しげだ。

 うだるような暑さで疲労したフィーオが、ヘトヘトの様子で口を開いた。


「そりゃ服を脱いだからでしょ」

『あぁ、そうか。あっはっは』


 夏の暑い日々、裸で自由に過ごせる猫女だけが元気いっぱいの様子である。

 うーん、せめて水浴び用の水着くらいは用意しよう。裸は無理でも、クールな服は必須だな。


「ところでマルコ。結局、猫女って履いてたの? 履いてなかったの?」

「……」


 俺はフィーオの言葉を聴こえなかった事にし、猫女の衣服を洗い場へと持っていくのだった。

 絶対領域、そこに魅せられた者には見える何かを、俺は心に秘めて生きていくのを決意した。

 それに考えたら、初めから分かる事でもある。


 猫女は長い尻尾を振りながら、フィーオと一緒に日陰で談笑している。

 衣服すら煩わしく思える暑い日々が終わるまで、まだまだ先は長そうだ。



第五十三話:完

暑過ぎて、流石に何をしようとも思えません……。

なんだか毎年「今年の夏は去年より暑い」と言ってる気がしますね。

皆さんも熱中症には気をつけて、程々に自分を許しながら頑張っていきましょー。


それでは楽しんで頂けたなら幸いです。ありがとうございましたっ!

【訂正】

次回の更新は8月13日を予定しておりましたが、17日に延期させて頂きます。

どうしても時間が取れず、申し訳ありませんっ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ