1/6
白い空間
その日は、久々の休みだった。休日と言っても別段やる事も無い。
なので、駅前の本屋に行き、ラノベを買い込んだ。
今日は自宅でラノベを読み、ゆっくりする予定だ。
<PiPiPi PiPiPi>
本屋からの帰り道、携帯が鳴りディスプレーを見る。
面倒な取引先の名前を見て、ゲンナリしつつも電話に出た。
メモを用意し、前を歩く少女の背にぶつからない様に気を配りつつ注文を聞く。
「はい。○ペケ食冷の佐藤です。(・・・)はい。(・・・)はい。
解りました。では、明日の朝一でお届けします。え?あ、はい・・・」
注文を聞き終え電話を切り周囲を見渡すと、何故か真っ白・・・
・・・???
目の前には本屋を出る時から、前を歩いていた少女の背中
それ以外は、真っ白な不思議空間しか無かったのだった。