ももこ
私のお母さんとだいたい24年くらい一緒にいた猫がいた。私が産まれた頃にはすでに足腰弱いおばあちゃん猫、名前はももこ。お母さんが若いとき、お母さんの友達がみんなひとりずつ猫がいる家庭で、ももこだけみんなが嫌々餌やりしてた猫だったそう。みんな「ブサイクだから」って引き取らなかった結果、お母さんが可哀想と思って引き取ったのがきっかけ。その後、ももこは人に初めて優しくされたんだと思う。ずーっと、お母さんが何してても一緒だったらしい、帰ってくる音がしたら家からビュッと飛び出て駐車場まで迎えに来て、お母さんがご飯を食べるときも「ももこ、ご飯だよ」って呼んだら来て一緒に食べて。お母さんが湯船に浸かってるときも一緒についてきて浴槽の隅に座って。お母さんが寝るときも、枕元で丸くなって一緒に寝て。お母さんからしたらそれがどれほど幸せでかわいかったことか。一回だけ、ももこがどこか散歩に行って交通事故にあったことがあった、お母さんがすぐ病院に連れていったから手術をして助かったけど、お互い怖かったんだろうなと私は思う。でも私が5才のとき、お母さんが朝起きたらももこが動いてなかったそう。私が起きたときにはお母さんがうずくまってて、近づくとももこが横たわってました。そのとき私はビックリしてた。そのとき自分以外が泣いてる姿も、お母さんの泣いてる姿も見たことなかったから。私はそのとき何も聞かず、声が喉につっかかって出なかった。階段を降りて、ただお母さんがももこの前で泣いてるのを立って見てるだけだった。そのとき私は泣けなかったことを今も後悔してる。ももこと5年、記憶のなかではもっと短い間だった。そして私が物心ついてすぐの頃には元気な猫がもう一人いて、その子の名前はアリス。お兄ちゃんの6才の誕生日にお父さんが連れて帰ってきた猫。アリスは来た頃からずっとももこにちょっかいかけるからももこはゲージにいれられてた。だからももことはあんまりじゃれる機会もなかったし、ももこはずっとお父さんにもお兄ちゃんにも私にも近づいただけでシャァァって威嚇してばっかで懐かなかった。珍しく威嚇しないと思ったらお母さんのところに全力疾走。この世界でたった一人、お母さんにだけ懐いてた猫だった。
これを書いてるときは私は中学一年生になって3週間くらとき、アリスを撫でながら文章を打っていました。




