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12話 パーフェスト祭終了

「ごめん…オリエン」


「はっ…」


……誰でもいいので助けてください。

俺は今グレイデンに抱きしめられている。

なんでかって?俺のほうが知りたいわボケ。

グレイデンに例の男の怪我を治してもらおうと、教会に戻ったところ、エリックとグレイデンも帰りが遅い俺を心配して下に降りてきていた。その後に事情を説明してグレイデンに男の怪我を治してもらった。

そして、今に至る…。いや…なんで??


「俺がシスター服なんて渡したからっ…」


酷く辛そうな顔をするとグレイデンは俺の首に触れた。男を治癒する前、グレイデンが俺を見た瞬間に治したから今は全然痛くない。でもやっとグレイデンは自分のしたことに罪悪感を持ったらしい。

これはチャンスだ…これから変なちょっかいはやめさせよう。


「ほーーんとにな!!いつも色々ちょっかいかけやがって!直せよその性格!!!!」


珍しく弱々しいグレイデンに言い放つと簡単にコクリと頷いた。

思ったより素直だな…ていうかさっきから俺抱きしめられすぎだろ。そろそろ暑い…。

グレイデンは俺を離す気はないようで動いてみるがビクともしない。


「…エリアスありがとう、オリエンを助けてくれて」


俺を包む手が震えている。そんなに俺が死ぬのが怖いのか、と思うとちょっと嬉しくなる。


「お礼を言うならオリエンを離せ!!!」


でもエリアスは弱っているグレイデンを容赦なく蹴っている。あまり攻撃力はないようだけど。


「…やだ」


「おい!」


此奴…素直に頷いたくせに…!!

俺はグレイデンの肩にチョップした。


「グレイデンさんずるいぞ!!俺だってオリエン抱きしめたい!!無事で良かったて思ってるのは俺もなんだからな!!」


エリックは横で飛び跳ねている。

いや…抱きしめないでいい、言葉だけで十分だから

俺抱き枕じゃないからな?

心の中でツッコミを入れているとグレイデンの抱擁の力が弱まった。やっと離す気になったか、そう思いほっと息をついた…その時


スゥゥゥゥゥゥゥゥゥ


グレイデンは首に鼻を埋めると深く息を吸った


「ぎゃぁぁぁぁぁっキメェんだよ!!!!!」


その後に響いたのは俺がグレイデンの頬をぶっ叩いた音とエリアスの叫び、そして花火の音だった。


◇◇◇◇


「楽しかったけど、色々疲れた…」


帰りの馬車、俺は深く息を吐いた。あの後もカオスだった、エリアスがキレて魔法放ちそうになるし、例の男が起きて逃走しようとするし、エリックは力加減間違って男を地面に叩きつけるし…

グレイデンがいなかったらあの男は二度死んでいた。何とかその男を守衛に引き渡す事は出来たのだが、逆に俺達が捕まらなくて本当に良かった。 しかし、それだけでは終わらない。今日の朝もあれがないこれがないと、エリックが夜にせっかく片付けた部屋の中を荒らしたり、グレイデンが見送りに来てエリアスが警戒心むき出しになったり、そして…


「僕の方が活躍したよ」


「いーや!!俺だね!!1日目お前部屋にこもってたろ!!!」


「2日目オリエンが大変な時に花火見てたくせに」


「っそれは言わない約束だろ!!!」


「そんな約束してないから」


馬車の中での2人の喧嘩。小さくなっていくアルシア王国をぼんやりと見つめて俺は慣れてきた争いの中、ゆっくり目を閉じた。

もう…寝る!!!

そう思ったのだがその瞬間俺の敵の声が頭の中に響いた。


『寝るな』


俺は驚いて身体をビクリと動かす。この声は間違いない…


(パーフェスト…か?)


『うむ、その通りだ』


やっぱり…また面倒事が降りかかってきやがった。


(なんで女神像ないのに話せるんだよ…)


純粋な疑問を心の中で念じると、パーフェストの淡々とした声が頭の中に響く。


『お主のつけているネックレスにちと細工をさせてもらった、少し時間はかかったがな』


(ネックレス…?)


俺がつけているネックレスと言えばグレイデンから無理矢理押し付けられたパーフェストの文様の形のネックレスだけだ。外していたら時々来るグレイデンがぶつくさ煩かったから、普段から諦めてつけている。


『それは本来司祭のみが持つことを許される由緒正しいネックレスだ、だから私が細工をすれば簡単にそれを媒体として話すことができる』


(ええ…やだ…)


『はは、エリアスの好感度を100にしてい無かったらやらぬわ。お主の好感度操作次第でお主だけでなく世界が終わる可能性もある、女神として関わらざるおえないに決まっておるだろう』


本音が漏れるとパーフェストはにこやかな声色でそう言った、見えないけど多分怒っている。


(あ…はい…すみません…)


それを言われたら俺は言い返すことはできない。


(あ…でも100からは一度も上げてないんで…)


何も言い返せないのが嫌だから適当に言ってみる。いやでも、もし100より上があるのなら俺は結構頑張っている方なのではないだろうか。


『お主に授けた好感度メーターでは100以上は見ることが出来ないから当たり前じゃ』


(あ…そうなんですね、はは)


『どれ…試しに見れる限度を無くすか』


パーフェストは呆れ声でそう言う。俺は嫌な予感がしてやめて欲しかったが引き止めるのは間に合わない。


『よし…好感度メーターを使ってみろ』


(いやだっ!!)


『使え』


くそっ…まぁ、もしかしたら好感度はちゃんと100でキープされているかもしれない…そうだ、そうに決まっているはずだ。


(【好感度メーター】)


心の中で唱えると俺はゆっくりと目を開けた。そして、俺が目にした好感度は


『処理中』


(え…?)


処理中て何だよ…。

意味がわからず硬直しているとエリアスと目が合い、すぐに見ていないふりをした。


「どうかした?」


しかし誤魔化せていなかったようでエリアスはキョトンとしている。


「いやー、なんでも…」


「そう?」


眉をひそめながらもエリアスはそれ以上詮索することはなかった。俺がほっと息をついて胸をなで下ろす、その瞬間


『処理完了 好感度+70 現在の好感度170』


そうエリアスの頭には表示された。

…………はい????


『どうかしたか?』


俺があまりの数字の大きさに目を奪われていると頭の中にパーフェストの声がまた響き始めた。


(あのーパーフェストさん?好感度100って具体的にはどのくらいの好感度なんだ…?)


俺はパーフェストの質問を無視して質問する。


『…結婚している者たちのお互いの好感度くらいだな』


スゥーー。なるほど


(じゃあ、好感度170は?)


『…お主』


パーフェストは心底呆れている声をだした。とても失礼なやつだ。そんな声を向けられたことは前世でも今世でも一度もない。


(はは…)


『…仕方がない、我が丹精込めてエリアスにお主を嫌わせてやる』


何度目かの大きなため息を吐くとパーフェストはそう答えた。どうやらエリアスの好感度を下げる仲間が出来たようだ。

きっとこれで好感度も下がること間違いない……うん。

でも俺はかなり頑張っているほうではないだろうか。好感度はともかく、幼少期にしなければいけないイベントは全てクリアしているはずなのだから。エリックとエリアスと15歳になったらパーティーを組む約束をしたし、エリアスとマチルダちゃんの出会いのシーンも多分出来たはずだ。

後は…そう、好感度を下げれば物語はしっかり進んで、俺も死なずに済むはずだ。

そして、一応もし好感度が50以下になったらのために、鍛錬だけは忘れないようにしよう。これで抜かりはない。

馬車から見える空をゆっくりと見上げて太陽を見る、光が目に染みて痛いが太陽も応援してくれている気がした。


これからも頑張るぞぉっ…!!




多分ここで第一部終わりです!下書きが一応最終話までいったのでこれからも気楽に投稿していきます!!

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