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1「完結」

〈登場人物〉

・三葉かかと「みつはかかと」                                                                                                                                                                                                                          自分がつまらない人間と思い、誰も気づかれないような陰で面白いことをしたい

・嗣子場此野「みつこば この」

ギャル 楽しいことがあればそれでいいじゃん

情に厚い女の子

・松野明史「あつのあけし」

冗談を本気にしてしまう情に厚き男

・安贅宝子「あんぜほうこ」

安全じゃなきゃ心配タマラン

・近藤先生

馬鹿な生徒にいつかいやがらせしたい


〈本文〉

ある授業中

国語担当の先生、近藤先生が気合を入れて話す。

それはいつもつまらない授業する近藤先生がいつもと違うアプローチをした。


近藤「いつもなら教科書通りの授業だが、お前らの語彙力のために今回は大喜利する」


クラスメイト達が突然の宣言に動揺する。


嗣子場「急にどうしたん?」


となりの席の嗣子場さんが聞いた

嗣子場さんは年上の教師にもため口で正直嫌いなタイプのギャルだった

だが、当然の疑問だ

大喜利などとレクリエーションをするタイプの人ではなく真面目に教鞭をふるう

いわば教師の鑑みたいな人

急に大喜利を授業中にするとは思えない。


嗣子場「でもやってみたーい!」


みんなが唖然とする中、

嗣子場さんの友達のギャルBさんも便乗した。


ギャルB「面白そうじゃん」

ギャルB「うちやってみたかったんだよね!大喜利!」


嗣子場「だよね!みんなのおもしろいとこみてみたいしね!」


ギャルB「わかるーww」


その明るさにほかのクラスメイトも同意してしまう。


意見のない生徒「ギャルさんたちがそういうなら・・・」


真面目な生徒「なんだ?、急にどうしたんだ?」


流れにのる生徒A「最高だろ」


流れにのる生徒B「やってやんぜ!大喜利!」


流れにのる生徒C「笑いでころしてやんよ・・・おまえらをよ・・・」


眼鏡生徒「これはおもしろいことになってますなぁ!」


孤高の生徒「くだらねぇ」


真面目な生徒「授業進めたほうが良いじゃn・・・」


クラスメイト達が乗りに乗っていく。

突然の提案により盛り上がった2年P組。

この雰囲気きらいじゃない


嗣子場「でもテレビみたくやりたくない?」


クラスの中心のギャルがこう反応するものだから


流れにのる生徒A「最高だろ」


流れにのる生徒B「やってやんぜ!大喜利!」


流れにのる生徒C「笑いでころしてやんよ・・・おまえらをよ・・・」


真面目な生徒「いやだめだろ」


三葉「お題は?」


普段発言しないシャイで寡黙な俺が発言したことにクラス全員が静寂した。

ぼっちで友達もいない俺が進行を促したため、クラス中は静まったのだ。

正直に言うと大喜利をしたかった。


近藤「おおう・・・」

この反応が一番つらい


先生は一息つき、


近藤「これは授業の一環だ。お前らみたいなあほには大喜利は難しいかな?」


クラス一同「うおおおおおおお」


流れにのる生徒A「最高だろ」


流れにのる生徒B「やってやんぜ!大喜利!」


流れにのる生徒C「笑いでころしてやんよ・・・おまえらをよ・・・」


このあおりを受けて生徒たちに覚悟ができた。

怒りが怒声に変わりゆく、いつも普通を装ってきた教師が急に煽ってきたのだから

非凡な生徒たちは体、脳を巡らせていく

この教師はどうしてこのようなことをしたのだろうまったくわからない。

この怒声をものともせずフリップにお題を描く

そして教卓の上にそのフリップを出した


近藤「こんな高級ホテルは嫌だ。どんなホテル?」


これは未成年にとって想像でしか答えられない。

だっておれら高校生だもの

だが果敢に攻めていく者たちがいた。


生徒「はい!」


先生はお題をもう一度言う


近藤「こんな高級ホテルは嫌だ。どんなホテル?」


生徒「めちゃくちゃ照明が明るい」


近藤「3点」


厳しい採点だ。

恐れも知らず次の生徒が手を挙げる


近藤「こんな高級ホテルは嫌だ。どんなホテル?」


生徒「冷蔵庫の冷凍室が狭い」


近藤「あるある」


採点さえしてくれない。

近藤先生は学校の先生になる以前、営業マンとして様々なところを出張に行ったと聞いている。

そんな人に刺さる回答は・・・・ない

高校生だぞ・・・。


三葉「(ホテルに泊まったとこもないのにそんなお題無理だろ)」


クラス中が静まり返った

だがひとり諦めないやつがいた


松野「はい!!」


近藤「良い挙手だ」


近藤「では、こんな高級ホテルは嫌だ。どんなホテル?」


三葉{無理だろう、笑わせることは)

             

松野「う〇こがでかすぎて、ながれない!」


意味が分からない、お題に沿ってない、何を言ってるんだ


う〇こがでかすぎてながれてないのはお前の問題だろう

いや、高級ホテルといっても見た目だけで大量のう〇こを流せないほど、設備がおかしいという暗喩か?

尻を拭くのに大量の紙を使った際に起きた現象か?

それは違うなう〇こといってるからな

わからない、知りたい。

教室中が静まり返った。


近藤「下ネタはNGです。それも低俗でおもしろくもないので今期の評価を楽しみにしてください」


松野が下唇を噛みわなわなと震えている。

こんな恐怖政治良いのか。

怖い、クラス全員なにかを思いついているのに 発表できないほどの恐怖

こんなことなら普通の授業でよかった。



でもあきらめたくない。

こんなところであきらめたくない。

なにかヒントはないのか

おもしろい回答を・・

静まり返る教室、誰も手をあげることなく

終わる・・・


嗣子場「はい」


静寂の中一つ上げる肌色の塔

それは俺の目におもろの泉を一つすくう星の輝きだった


嗣子場「NHKしかうつらない」


目の前がぱっとひらいた瞬間だった。

ニュースしか映らない、バラエティー番組もない

多分BSのほうだろう、そして眠くなる番組しかない

一言でそんな背景を回答に含み、そんな笑顔で


嗣子場「V・・V」


近藤「面白い回答だ。70点」

近藤「お前はまだ才能がある。おこたらず精進してほしい

   笑うとはならなかったが、起点のある回答だった。」


嗣子場「うちやったしょー!」

ギャルBとハイタッチしている。


負けていられない。

次は俺の番だ。

負けてられない。啖呵切ったんだ。おれがおもろい答えを考えなければ、俺が俺でいられない

これはあらゆる挑戦状だ!


三葉「はい」


近藤「ほう、では言うぞ、こんな高級ホテルは嫌だ。どんなホテル?」


三葉「テ・・・・」



















それから70年後・・・・・



取材班「あのころのおもしろい大喜利をした人物を取材しに来ました。」


取材班「世界に飛び立ち歴史に残る答えを残した偉人の友と聞きましたが、当時はどのようなのでしたか?」


三葉「僕はなにもしてないですよ。あの人たちがおもしろかっただけで」


取材班「それでも偉人達と対等に渡り合えていたってことですよね!」

   

三葉「そんなこともありましたねぇ・・・」


時間は老いを明確にさせる。

取材の中で明朗さもなくなったような

だが、ただ一つ三葉には確かな芯があった。

これは後継に子供たちにもつながる一つの言葉

私たちは心に胸に刻んでいきたいこの思いを・・・


「ホテルの風呂はなんでもできる」


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