第七章 第一節
サントジャスト町に向かうには、ひたすら西に進む。右手には小高い丘が見え、左手には湖が見える。この辺りは非常に湖が多い。湖の先には小高い森が見える。これから向かうサントジャストは木工製品が有名である。特にサントジャストのテーブルと言えば脚の部分に結晶のような模様が施され、天板の部分に波の模様が描かれているのが特徴である。物事の調和、剛と柔、今と未来を表していると言われ、その素晴らしさは首都アゼネイエにも知れ渡っていた。
「宿を探すのかい?」
街に着くとイーヴァンが我慢できずに聞いてきた。彼は十歳にも満たない年齢で、私たちの旅に同行することになったが、とにかく今一番のお気に入りは宿屋探しみたいだ。彼自身、とある民族に属していて、自分たちの村から一度たりとも出たことがない。もっと食べ物に興味を持つと思ったが、彼が生まれ育った自然の中では、とても新鮮なものをいつも食べていたみたいで、さほどその方向には興味がないみたいだ。一方、見たことのない風景や住んだことのない家(宿など)随分と彼の興味をそそるらしい。
「そうですね。おそらく先に宿を探してから、食事をする所を探し言った方が良いでしょう」
シルバー先生は町の入り口からから左右を見て、この町がどのように構成されているかを観察しているように見えた。南西は湖があり、そこそこ大きな港がある。またそこから逆側の東側には、かなり大きな森がある。この街の主要産業である木工製品の工場的なものがあるとすればやはりそちらだろう。
「先生、やはり宿屋があるとすればこの入口寄りの西側か、もう少し北に行ったところかもしれませんね」
「じいちゃん、ビル、右の方の大通りから見ていこうぜ!」
いつものごとくイーヴァンが我々の先頭を走って行く。
「おい!あんまり先に行くなよ!」
私はイーヴァンに声をかけたが、無視して進んでいく。比較的通りは大きいので、人ごみに紛れることもない。シルバー先生は杖を突きながら、ゆっくりとイーヴァンが進んだ方へと歩き始めた、その時である。
「ビル!」
ふと後方から声がかかる。その声の雰囲気からして、敵意があるものではない。音のリズムに懐かしいものを感じる。私は振り返った。周りにそれなりに人がいるので視線を引いて左右に振った。
「ビル!俺だよ!」
手前に駆け下りながらくる、少し小太りの男性。
「ティボー!」
目の前にいたのは故郷のアラモンで昔から家族同士で付き合ったティボーだった。アカデミーに行くための勉強していた時、一緒に学んだことのある人物である。私はすぐにシルバー先生の方を向き
「私の故郷の友達です」
と一言いい、許可を得ると彼の方に向かった。
「こんな所で会うなんてなんて偶然だな!ティボーはどうしてサントジャストに来たんだ?」
「違うよ、お前を追ってきたんだ」
「え・・・」
予想外の答えだった。「私を追ってきた?なぜ?」彼は間をおかずにすぐ答えた。
「お前の伯父さんの『ギヨーム・ド・ラ・クロワ』死んだ、いや殺されたんだ、いや本当のことはどうなのか分からないけど」
「伯父上が!」
驚いたと同時に先生の方を振り向いた。先生は我々の言葉が耳に入っているようであったが全くリアクションをとっていない。
「どうしてそんなことに」
「全く理由は分からない。ある日突然ルーラ川に沿った東南の林で、首を切られて死んでいた。身に着けていた金品が盗まれていたんで、多分盗賊にやられたんだと思う」
かつての私であれば、幼馴染であるティボーの言葉をそのまま鵜呑みにしていただろう。しかし先生と旅をするようになって、まず思い込みをなくすことを訓練の一つとされている。今話したことは情報の一つであって、冷静に正しく分析することが必要とされる。
「それからどうなったんだ?」
「当然、ウルビス(市政官)の地位が空きになる。とりあえず誰かが勤めないといけないということで————」
私の頭の中でさまざまな分析が高速で回転する。誰————伯父上が殺され、突然その地位につく人物。誰のなんだ・・・
「ビクターが就任しました。ガリソン(中央政権からの直属の軍隊)の責任者のビクターです。」
こんな表現をすることは不適切であるかもしれない。しかしあえて言葉にするのであれば、もっとも「想像」ができ、もっとも「つまらない答え」であった。なんと下らない。なんと馬鹿らしい。ビクターがいつかウルビスの地位を狙っていたなど簡単にわかるではないか。中央政府から軍の責任者と派遣されていたが、さほど待遇の良い状態ではない彼が、何らかの権力を求めて行くことは安易に想像ができる。
しかし私の思考は、ここでふと立ち止まった。私は何を言っているのだ。あの当時——————シルバー先生が我が町を訪ねられた時、私はそんなことを考えていたか?今考えれば一瞬にして分かることを、私はまったく、その当時考えていなかったではないか。私は何をえらそうに伯父上を見下した発言をしているのだ————
「お前のショックはわかるよ、ビル。お前は本当に伯父さんと仲が良かったし、尊敬してただろうからな。長い間おじさんの下でウルビスの勉強もしていたし」
私が少しの間何も答えなかったことを、ティボーはそのように解釈したらしい。何を言っているんだ。私が伯父上を尊敬していた?仲が良かった?私がどれだけ叔父上に苦しめられ、その当時どれだけ伯父上を恨んでいたか。しかしここでそのことを彼に言ったところで、十のうち一つも理解してもらえそうにない。当然であろう。人は自分が思い込んだことを全てだと思うからである。それに彼の口調からすると、ビクターを疑ったり警戒したりする様子がまるでない。ビクターはアラモンの出身でもなく、中央政権の行政官でもない。そんな彼がウルビスの地位に就く道理はどこにもない。おそらく今回の混乱に乗じて、暫定的なのを理由にその地位に就いたのであろう。それは『永続的』な暫定である。
「ビル!何してんだよ!」
大きい声で駆け寄ってきたのはイーヴァンであった。
「悪い、イーヴァン。実は昔の知り合いが、私を訪ねてきてくれたみたいで」
「へー」
「この子は?」
ティボーにとっては、私がこんな小さな少年と旅をしていることを、かなり疑問に思ったみたいである。
「私たちと一緒に旅をしているイーヴァンという子供なんだ」
「へー、こんな子と旅をしてるんだ・・・」
ティボーが目線を移したその先には、シルバー先生もいた。ティボーは初めて先生のことをしっかり認識し、大慌てで挨拶した。
「し、失礼しました。挨拶が遅れて申し訳ありません。シルバー先生お久しぶりです。わたくしはシルバー先生との懇親の宴に参加させてもらっていました、ティボーと申します」
シルバー先生はゆっくりと返事をした。
「お久しぶりです。我々に追い付いたということは、かなり急ぎの旅をされたはず。あなたもすぐに戻るわけでもないでしょうから、一緒に宿を探した後でお話をしませんか」
「おっしゃる通りです。早めに宿を見つけないと埋まってしまいますよね。ご一緒させてください」
そう言うと、とりあえず4人で宿探しをすることになった。
私も随分旅が慣れたせいで、宿屋がどのあたりにあるかは町の人の流れを見ているとわかるようになってきた。まずは、この街で明らかに荷下ろしをしそうではない人々が向かう方向。そちらの方に宿屋がある場合が多い。また宿屋は必然と夜目立つところにあることが多く、街灯や店の明かりの設備が整っているところに注目するとわかりやすい。
我々が決定した宿は、木造2階建ての少し苔の生えた建物。正面には月の描かれた看板が出ており、たまたま4人が泊まれそうな部屋が空いていた。そこに入り、荷物を置いて、再びティボーと話し始めた。入り口にラウンジがあったが、あまり人に聞かれたくない内容であったので、部屋の方が良いと思った。
「申し訳ないです。皆さまがお疲れのところであるのに私の話を聞いていただけて。どうしてもビルと話した後、早めに町に戻らないといけないので」
「もちろんだとも。旅行できてるわけじゃないのだから」
「なー、オレ、外に行きたいんだけど」
イーヴァンがつまらなさそうに足を振っている。
「イーヴァン、あなたも私の弟子なのです。このような場面で話を聞くことも大事です。理解ができないことが多いかもしれませんが、感じることがあるはずです。そのようなこともとても重要なので、今日は一緒に話を聞きなさい」
「ん・・・・」
むすっとして、とても返事とは言えない返事をしたが、そこから先生の指導を放り投げるような行為はしない。それがイーヴァンのよいところある。
ティボーは私にというより、シルバー先生も含めて私たちに話し始めた。
「実はビルがシルバー先生と旅をすることになって幾日か経つと、メヌーの村の領主アルフレッドから大量の贈り物が届いたんだ。」
「え?」
私は驚いた。アルフレッドといえば、中央政府の建物から勝手にものを盗んでいた欲深い男である。彼が中央政府の重要なものを盗んでしまい、困っているところをシルバー先生が手を差し伸べた。今でも先生が私に「あなたは悪いことをしたことがないのか」と強く言われたのを覚えている。私は先生の方を向いて
「あ・・」
と言いかけて口が止まった。今、ティボーの目の前で、領主アルフレッドが盗みを働いていたことを言おうとしてしまった。私の一瞬の躊躇を(というより大きなミスを犯しそうになったことを)先生は気づいている様子だったが、当然ティボーには全くその様子はなく
「なんだかすごくシルバー先生とビルにお世話になったらしく。沢山の贈り物が届けられたんだ。お前の親父さんは自分の息子を誇りに思うと同時に、自分の息子が役職を真っ当していなかったことを気に病んでいたので、その贈り物は町中の人に配ったんだ」
領主アルフレッドからすれば、自分のやったやましいことへの心の反動であろう。どこかでお礼の形を取っていないと、むしろ不安に襲われる。自宅がない先生に届けるわけにはいかないので、比較的近い位置関係にあった私の街へ「なんとなくも口止め料」として届けたのであろう。
「その時は『やっぱりビルはすごいやつだ』って町中みんな言ってたぜ。ご両親も鼻が高かったんじゃないかな」
「そっか・・・」
自分の両親の顔が目に浮かぶ。別れの挨拶もせずここまで来てしまった親不孝の行動に、どこか胸が苦しめられていた。
「もう少し早めに来る予定だったんだが、ボケールの街で何日間か足止めを食らってしまったんだ」
私はまたシルバー先生の方を見た。やはり何も反応されない表情で私を見返した。
「随分と検疫が厳しくてね。それでもオレは橋を通るだけだったんで、比較的早かったんだか・・・体調の優れない人は安易には関所を通れない状態だったぞ」
ルシアンの姉だ・・・彼女が求めた方向に今の町が動いている。うれしくて胸にこみ上げるものがあった。
「あ、それとシルバー先生の凄さを話している街の人がいました」
ティボーはシルバー先生の方を見て話した。先生はティボーに、にこやかに返すが、決して一言も発しない。
「何でも、子供たちを売買している組織があったんだが、それを壊滅させたと・・・」
え・・・それってアレルの街。子供達が馬車の檻に入れられ運ばれていた時に、私が彼らを止めようとした。そして逆にひどい目にあわされ、シルバー先生が手元に持っていた宝石で許してもらった・・・あの事?
「シルバー先生が悪い奴らに恐ろしく高額な宝石を渡した。彼らはそれを手に入れたが欲に目がくらみ、親分に報告をしなかったらしいです。それに対して親分が大激怒したんですが、子分の方も反撃に出て、内部での殺し合いが始まったらしいです。その状態を重く見た地域のウルビスが乗り出して子供達を解放。奴らを検挙し、財産も全て没収したらしい」
私は再び先生の方を見た。私の頭の中で何かが蠢く。こんな都合よく物事が動くのか。特に最後の案件に関しては、私は自分で正義を行ない、先生はまるで状況と時勢に流されるような行動をとったのだと、私は思っていた。いや、先生がそんな単純ではないと理解をしておきながら、今現実現状として目の前にこのような状態になっていると、果たして想像しただろうか。しかも私の脳みそがうごめく理由が、それだけではないことも理解していた。ここまで先生に徹底的に物事の本質のつかみ方を教えていただいていることから考えると、先生はすべての物事に対して「思い込み」と「あるべき姿」と「現時点での現実」の位置関係を全て把握し、その差に目を向け「器」に対し、「法則」を用い「傾き」を操って行く。私がとった行動などは、子供がパンチをしているようなものである。しかし先生は鎧と武器を持ち、敵の弱点も知り尽くし、ゆっくりと己の刀で相手の心臓を刺す。
私は何か勘違いをしていたかもしれない。いや、私がこの短い間だけで先生のことを理解できるなど、おこがましいと思っている。私はどこかで先生が、優しく素晴らしく、人道を重んじ世界を愛していたのだと思っていた。いや本当はそうかもしれないし、また何年後かの結論はそうなるかもしれない。しかし今私が感じている先生は・・・適切な言葉が何一つ思い浮かばないが・・・・私の今一番近く表現できる言葉は・・・・・・・魔物・・・
アカデミーで話をされた『カバラ-ブルサの戦い』——————作り話の要素が多かったと感じたが、実際にはとてつもないこと行われていたのではないかと・・・・
「ビル、お前は本当にすごい人の下で学んでいるんだな」
ティボーは私に向かって微笑んだ。当然ティボーに、私が今思っていることを理解することは不可能である。私は幼なじみと昔のように会話することは、できなくなってしまったのかもしれない。
「そうだな、本当に素晴らしい環境で勉強させてもらっている」
私はそう微笑みを返すしかなかった。するとティボーはあたかもついでのように言った。
「まあ、一応。お前に確認だけは取っておきたかったんだが、伯父さんがいなくなった後、本来であればお前がウルビスにつくはずだったんだ。今もそのつもりがあるかどうかだけ聞いておくために、俺はここに来たんだが・・・」
あああ・ああああああああ・ああああああああああ・・・・・・・あああ
ああああああ・・・・・・あああああああああああ・・・・・・・・
絶望だ・・絶望だ・・・・あああああああ・・・ああ
ああああああああああ・息を止めろ何かを言え追い出せ違うああああああ
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「すまない・・・・ティボー・・・・ちょっとだけ先生と話がしたいんだ・・・・・ちょっとだけ・・・・・・下の・・・・ラウンジに・・いって・・後で呼ぶ」
「ああ、そうだよな、先生と相談しなきゃいけないよな」
ティボーは下のラウンジへと向かった。
私はゆっくりと先生の方に顔を上げた。
顔はすでに歪んでおり自分ではわからないが、涙が出ていた違いない。
先生は静かに私を見ている。
「せんせい・・・・せんせい・・・・・」
先生は黙って私を見ている。いや、私はここに来て初めてわかった。先生は私と呼吸を合わせているのだと。そう私が感じた瞬間の冷静さを、先生は見逃さなかった。
「そのように感情にコントロールされるのはまだまだですね。あなたが今持っている絶望を、その乱れた状態でより良い方向に持っていけますか。ここは頑張りどころです。これからいく度もあなたの目の前に、同じ状況が訪れます。しかしそのように乱すのはこれが最後としなさい。そうでないと、次はもうないかもしれません。」
先生の言葉は強い言葉であるが、それでも私に呼吸を合わせてくる。絶対落ち着けない状況で落ち着くとは・・・客観性、客観性とは・・・・
「先生・・・・・・・まずは・・・・まずは私の想像できる状況を聞いてください」
先生は頷きもしない。しかし「続けなさい」と言っている。
「おそらく伯父上を殺したのはビクターです・・・伯父上との強い関係性を持っていたのもウルビスという役職に強く興味があったからだと思います・・・多分伯父上はいつか殺されていたでしょう。殺した場所も明らかにガリソン(中央政権からの直属の軍隊)がいる地域です。しかし突如私が赴任することとなった・・・私が結果として2人で邪魔することになり、一旦彼らは共闘状態になった・・・・・」
話しながら少しずつ冷静さを戻して行く・・・
「伯父上は、簡単に私にはウルビスの地位を渡さなかった。その時私はシルバー先生と出会い、シルバー先生を見送る時・・・・・私は殺されそうになった・・・・シルバー先生を理由にして・・・・」
今から考えれば、シルバー先生はそれらのことをすべて想像されていた。いや想像という言葉は正しくなかったはず。細かくシュミレーションされていた・・・
「シルバー先生は私を無理やり連れ出した・・・そして私が二度とここに戻ってこないと感じられる文章を私に書かして伯父上に渡した。だから今私はここに居る・・・伯父上とビクターはわたしがいなくなって安心するとともに、また不安定な関係性に戻った。いつかはビクターが権力を握るという状況である。その不安定な状態が続く中で、領主アルフレッドから私の親に感謝贈り物が来た。これによって私たちの家族は簡単には手を出せなくなった・・・つまり仮にビクターが何らかの理由をつけて伯父上をはじめ、私たちの家族も『一族の責任』として根絶やしにすることが難しくなった。ビクターはなんとか叔父上だけを排除すれば、自分の思い通りに行くと思い込むしかない状況になった。そして今回の凶行に及んだ。本当はこれで済めば良かった・・・・」
また感情が疼き始める。喉が重くなる。駄目だ・・・先生がこれで最後にしなさいと言われた。感情に飲み込まれてはダメだ・・・・
先生が私を見つめている。
「だが、伯父上が死んだ状況を私に伝えた方が良いのではないかという話にどこかでなったのだと思う。その流れで、私に戻る気がないかという話になるのは安易に想像がつく。何の事情も知らない父と母が、別れの挨拶さえできなかった息子に再び会いたいと思うのは当然のことである。だがそのことはビクターが最も恐れ、もっとも嫌悪する行為である・・・」
くるしい・・・くるしい・・・・
「このことをビクターは知らないのかもしれない。しかし必ずどこかで発覚する。そうしたとき・・・・最悪・・・ティボーは・・・町に戻る前に殺される・・」
くるしい・・・・くるしいよぅ・・・・
「父と母も・・・・弟も・・・・」
く・・・・・
「伯父上いない今・・・・」
駄目だ・・・涙は絶対流してはダメだ・・・・・
「次に殺されるのは私の家族です。それであいつが安心できるからです。いや別のものがまた邪魔だと感じても、順番で言えば、次は私の家族です・・・・」
私は先生にさまざまなことを教えていただく過程で、いろいろなものが見えるようになってきた。 見えるとは地獄である。何も見えなくて何も考えなくて、目の前で思ったことを都合よくしゃべり、自分の都合のいいところから物事を言い始め、自分の都合のいいところで物事を切り・・・・・論理や知識を自分の欲求を満たすことだけに振り回し・・・・絶対に満たされることはないこの世界で、不満だけを口にして、人を傷つけ知らない顔をして、都合が悪くなれば泣きわめく・・・・この地獄で冷静さを保つなんてできるんですか先生・・・・
先生の顔を見る。おそらく私の顔は赤子の顔だ・・・・視界に・・・イーヴァン・・・
唖然とも違う・・・少しあいた口と目を見開いた表情で私を見ている。
シルバー先生は私を正面に見据えた。
「手は貸します。でもまずはあなたが考えなさい。本質とは、世界とは、人は・・・・・さあ!」




