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初めてのクラス会議(?)

「待って下さいよ先生、どういうことなんですか?特殊能力者なんてそうそういるわけ無いっすよね?」

赤髪のやんちゃそうな生徒が先生に聞くと、周りのクラスメイトたちも頷いている。

「そうですよ先生。一つのクラスにたまたま集まっちゃいましたなんてことはありえないです」

続いて、キャップをかぶった女子がそう言った。先程と同じように周りから共感の声が上がる。それと同時に周りの人と「お前も能力者なの?」的な会話が広がっていく。

「ちょーっと待ってね、今から説明するからさ」

先生がそう言ってもざわめきは収まらず、むしろどんどん広がっていった。

軽くツンツンと横からつつかれ、その方向を向くとさっき寝ていたグレーの髪の子がこっちを見ていた。

「ねね、先生が言ってた特殊能力?だっけ。持ってるの?あ、わたしは天羽瑠衣だよー、よろしくぅ。」

「俺は鬼藤零だよ。よろしく。特殊能力だっけ?俺は何も無いんだけどなー」

すると、

「そなの?」

驚いた様子でこちらを見ている。

「うん、めっちゃマジ。」

「ほんとに?」

「それが今の俺の状況。」

「あら大変」

「そういえばさ、天羽さんって何か能力あるの?」

「呼び捨てでもいーよー。わたしのは能力って言っていいか分からないけどさ、天気を変えれるんだ!」

「なにそれかっけえじゃん」

「まーねー」

天羽さん(瑠衣)はちょっと得意げな顔をして笑った。

その時だった。前の方――教卓から異常な程の威圧を感じた。クラスが一瞬にして静まる。教室内の空気圧が上がったように感じたのは気のせいだろうか。

教室の窓から見えたのは荒廃した景色、そして間近に見える赤黒い太陽だった。

「はい、君たちが静かになるまでに地球が終わりそうなほど時間が経ってしまいました。お、空気の密度を上げてる人がいるね。ナイス判断。これ無かったら死んでたかもね。

さて、ここで先生に謝るか地球と一緒に滅ぶか選ばせてあげるけどどうするかな?」

最早これは脅しの領域を超えてると思う。

一拍置いて、

『すみませんでした。』

再びクラス全員の声が揃った。

「ならばよし。解除。」

先生がそう言うと窓の外がだんだん現代に近づいてきて、太陽もいつの間にか元の位置に戻っていた。

「じゃあ、静かになったことだし今から説明するね。君たちはみんな特殊能力を持っています。自覚は…ほとんどの人はあると思うな。

んで、その力で大なり小なり規模は様々だけどなんらかの事件などを起こしてると思う。

そこで警察または教育委員が介入する時に、ちゃっかり情報を調べて来て、データにまとめている。そのデータをこっちに送ってきてもらって名前がある子を呼んだ結果、このクラスが出来たってわけ。ここまで分かった?」

クラスのほとんどが頷いた。

「よかった。なら続き行くよん。

このクラスを作った目的は、それぞれの能力と向き合って、より良い付き合い方を学ぶこと。それができれば傷つく人も減るし、上手くコントロールすれば将来どこかで活かせるかもしれないってわけ。あとは、まあ色々複雑だから今度説明する。

ちなみに、教室内と指定のエリアでは能力使ってよしってことになってる。ただし、校長先生以外は誰も知らないから、バレないよう気を付けなね。話はもうここまで。

教室はめちゃくちゃ丈夫に作ってあって毒も低温も高温も電気もいけるから心配無用。もちろん、空気圧もね。あ、号令省略で次は自己紹介タイムだよー」

そう言って先生は椅子を立った。

「先生号令省略すんの好きじゃね?」

「それ思ったぁー」

「ねー」

知らない声がして振りかえると、さっきの赤髪の少年が居た。

「悪い、ちょっと暇過ぎて乱入しちゃった。

あ、俺は赤瓜竜成ね。赤瓜か竜成って呼んで」

「おおー、仲間増えた!ちなみにわたしは瑠衣だよ」

「俺は鬼藤零。よろしくね。」

「零と瑠衣かー、よろしく!そういえばさ、自己紹介の内容って2人共もう考えた?」

「あ、まだ何も考えてなかった」

というか、俺の場合忘れかけてた。

「だよな、俺も。瑠衣はなんかネタある?」

「わたしは好きな食べ物と能力言うんだー」

「おおー、好きな食べ物と…確かに能力とかはネタになりそうだよな。2人共何の特殊系ある?」

残念ながら無いんだよなー、それが。

「天気を変えれる!」

「何それかっこよ!めちゃ便利じゃんか」

「やっぱ瑠衣の能力すげーよな」

「それほどでもあるね」

瑠衣は先程と同じように得意げな笑顔を見せた。

「竜成はどんな感じなんだ?」

「俺はな、何も無いところから炎を出せるっていうやつなんだよー」

「そっちも結構便利そうじゃんか」

「ぶっちゃけまあまあ使えるね」

「例えば?」

瑠衣が聞くと、

「んー、庭で焼きおにぎりを焼いたり、ろうそくの火のためのライターを節約出来るとかだね」

と真面目な顔で答えたので思わず2人で笑ってしまった。

「いや、なんでそこで笑うんだよ」

「逆に聞くけどなんで最初に出てくるのが焼きおにぎりなんだよ」

「あれ美味いじゃん」

「それは分かるけどさー」

「焼おに用ガス代の節約なんだって」

「やきおにって略すの?!」

人生で初めて焼きおにっていう単語を聞いた気がする。

「なんか鬼を焼いてる様にしか聞こえないんだけども」

「まじ?焼きおには焼きおにだってうちのじいちゃんがずっと言ってるで」

「そこじいちゃんの遺伝なのか、」

「最早それ遺伝って言えるか怪しいね」

「遺伝には近いんだけどな。」

「ねね、今思ったんだけどさー、話の寄り道しすぎじゃないかなと」

「寄り道どころか目的地変わってたぞ」

まあ盛り上がってしまったので仕方がないだろう。

「よし、戻ろう。何だっけ」

「確か自己紹介の話だったよ」

「それだ!その後能力云々で焼きおにの議論してて…

そうそう、零って特殊系何があるんだ?」

「えーっとね、」

俺の知る限りは何も無いんだよな、と答えようとした時、予鈴がなって先生が入ってきた。

「やべ、席座らんと」

先生は教卓の横に荷物を置き、号令をかけた。

「さて、自己紹介タイムなんだけど…

ちょっと文字数が多すぎるので1話に2人ずつあとがき欄に書いていくね。

じゃあ黒板に項目書いてくからねー」

先生は手慣れた手つきで文字を書いていく。

俺たちは名簿順にそれを発表していき、20分ほどで終わった(特殊系は個人の自由だったので言わなかった)。

後ろで聞いていた先生が終わったのを確認し、再び教卓に戻る。

「よし、今日やることは終わったし、ちょっと早いけど下校するか。寮は学校から徒歩10分ぐらいだから一応地図渡しときます。質問ある人!」

「はい!寮は男女同じですか!」

髪の毛のかなり短い男子(融弥(ゆうや))が手を挙げた。

「残念、階は違うね。一階にオープンスペースがあってテレビや充電器があるからそこは一緒に使えるよ」

「ありがとうございます…ちなみに風呂はどうでs」

「隣にあるとでも思った?まずフロアが違うからそんな奇跡は起こらないね」

俺もちょっと期待はしたんだけどなぁ。残念だ。

「ですよねー」

彼はかなりしょぼんとした様子で席に着いた。

「他はいる?」

「はい、何人部屋ですか?」

紺色のショートカットの女子(視苑(しおん))が質問した。

「4人部屋で、とりあえずは名簿の前後で組んである。仲良くなってきたら部屋替えでもすればいいよ」

「分かりました。ありがとうございます。」

「オッケー、あとはなんかある?」

先生はそう言ってあたりを見回した。手を誰も挙げていなかったので、

「よし、じゃあそのまま下校ね。誰かまともな人地図受け取りに来てほしいなー、」

「俺で良ければ」

と深い緑色の短髪が特徴的な男子(賢治(けんじ))が取りに行った。

「れいー、一緒に帰ろー」

声の主は竜成だ。

「おっけー」

俺は返事して彼の元に向かい、一緒に教室を出た。

このあとの俺達に何が起こるか、今の自分たちには知る余地も無かったのだ。

ここにこの話から名簿順で2人ずつプロフィールを書きます!


1番 染葉創祐あいばそうすけ

能力:サイコキネシス(自作の折り紙や幼い頃から持っているバンダナなど、自身の念のこもった物を操る)

見た目:背は中くらいで、オレンジから黄色のグラデーションの髪に緑のバンダナを身につけている。

学力:上の方。細かいとこはテストをお楽しみに!

運動能力:男子8人の中で7番目と高くはない。

特技:かなり複雑な折り紙


2番 天羽瑠衣あまはるい

能力:天気操作(思うままに天気を操ることが出来るが、パワーチャージ系統なので一度市内全域ほどの広さで使うと数日は使えない)

見た目:背はかなり小さく、小1に紛れ込んでも気づかれないほど若見えする。ふわふわのグレーのポニーテールに、真っ直ぐな青い目が特徴的。

学力:クラスの中ぐらい。

運動能力:女子で6番目。体格にしてはかなり優れている。

好きな食べ物:ポップコーン

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