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序章

 



 図書室の窓際のテーブルに置かれた一冊の古い本。風にあそばれて本のページが一枚一枚めくられていく。


 挿し絵にえがかれた火を吐く竜、中世ヨーロッパ調の城、騎士や魔法について書かれた数々の文章、それらがページをめくるごとに様々な物語をつむぐ。



 どこからともなく一匹の蝶が迷い込んだ。ひらひらと舞う白い蝶は本の一文にとまる。それは黒いインクで書かれた文字。



 "姫は蝶の命を借りて異世界へと渡る"



 流暢(りゅうちょう)に書かれた文字が金色の光をおびた。途端に風が荒れ狂う。狂風はあたりの本を巻き添えに勢いを増し、カーテンを激しくたなびかせ、もはや風がおさまる頃には白い蝶の姿はそこにはなかった。


 まばゆいばかりに発光する文字が弾けるように光とともに消える。消えていく文字の最後の一文がひときわ眩しく(またた)いた。



 "姫は従者を連れ、異世界に渡った。行方知れずの王子を見付ける為に。──自身の記憶を引き換えにして"




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