92話 女神様たちの登場
カレーを食べ終わったので、女神様を呼びます。
クリスさんと、ルイスさんはしっかりとおかわりを食べています。
キラキラと周囲が光ります。
あれ? 光が大きいんじゃないかな? なんでだろ、まぶしい。
女神様だけかと思ったら、他の神々もいます。
「由紀ちゃん、皆、ついて来ちゃった」
ありゃりゃ、このクリスさんの家はこじんまりしてるから、それほど大きくはないのに、女神様を含め10人が来ちゃった。
「カレー、私たちも食べたい……」
「僕も」
「私も」
「俺も」
「……」
うん、食事時に呼んではいけませんね。
カレーはありますが、ご飯が足りません。
足りないことを正直に話すと、パンでいいといわれました。
「屋台で売ってるあのパンでいいよー」
女神様が嬉しそうに言います。
さては、見てたな? と、じとりと見ると挙動不審になり、わたわたとしている。
そして、なぜか女神様は、クリスさんからもじっとりとした視線を受けられてさらに挙動不審になっています。
「んっ、んー、そうだ由紀ちゃんを不老にしちゃおっかなー、それで、寿命なんかも伸ばしたい気がしてきたかもー」
突然、変なことを言い始めましたね。
不老は嬉しいですが、そんなに長く生きたくありませんよ?
「えいっ!」
ピロリン。
あ、女神様なんかしたな。
「とりあえず、千年ほど寿命伸ばしておいたから」
なぜか、私を見ずにクリスさんに言います。
「……転移魔法」
ぼそりとクリスさんが、呟きます。
「んっ、んー」
女神様ごまかしてますね。
なにかあったのかな。
まぁ、いっか。
それよりも千年の寿命、実感がわかないです。
うーん。
クリスさんが、ため息をついてます、なんだろう? モブが関わってはいけないことですね。
とりあえず、カレーを温めて、残っていたご飯を少しずつ皿に盛り付け、カレーをよそう。
もちろん、福神漬けもつけて、水とスプーンも用意した。
ご飯が足りない方にはバターロールのパンを大皿に載せたものを用意して、そこからとってもらうことにした。
「さぁ、出来ましたよ。全員分の席がないので立たれている方には悪いですが、どうぞ、召し上がれ」
言うやいなや、皆さんすごい勢いで食べますね。
皿に盛った時点で、カレーはもうないです。
おかわりは出来ませんよ。
私だって明日のカレーは無いのですから。
それよりも皆さん、ごはんを食べていないのでしょうか? まるで欠食児童のようです。
「由紀ちゃん、私たちは神だから、ごはんを食べなくてもいいの、だけど純粋な楽しみとして食べているのよ、仕方ないのだけれど神々は退屈しているの」
なるほど、食べなくてもいいんですね。
でも、どんどんバターロールが減っていきます。
食べなくてもいいとは到底思えないのですが。
デパートで惣菜を購入して、テーブルに並べます。




