85話 ステーキ
クリスさんが嬉しそうにクッキーを食べています。
「ただいま」
ルイスさんが帰ってきました。
「なにを食べているの?」
「クッキーです、私が作ったんです」
「へぇ……」
クリスさんが取ろうとしていたクッキーをルイスさんが横から取ります。
「!」
クリスさんが驚いてますね。
さすが神、S級冒険者のクリスさんが手を伸ばしていたクッキーを取るなんて神業です。
「旨い」
ルイスさんが一言呟いて、クリスさんの向かいに座ります。
クリスさんがルイスさんを警戒しながらクッキーを取ります。
そして、食べます。
嬉しそうですね。
そうだ、ルイスさんにも紅茶を淹れなくては。
「ああ、紅茶はいらない、それよりも、子どもたちの母親を治した」
ああ、あの子たちの母親を治したんですね、良かった。
「ついでに、あの家族を食い物にしていた薬師を潰してきた」
「えっ?」
「もう、心配はいらない」
金に汚いという薬師、潰してきたんですね、いいことです。
「あの男、下級ポーションにもならないものを特級ポーションとして安く売って感謝されてた、ありゃ駄目だ。他のところでも、同様の悪さしてたから、全部潰して治してきた。あー、面倒くさかった」
ああ、同じようなことを何件もしていたんですね。
「腕だけは良かったから、その腕を阻害する為、神の力を使ってスキルを取り上げた。もう、あいつは錬金術が使えない、だから大丈夫だ」
錬金術を使えなくしたのですか、なら、安心ですね。
良かった。
悪い人が力を持っていても悪いことに使うことが多いですからね。
悪い人に力を持たせてはいけないんです。
クッキーだいぶ減りましたね。
もう一回作りますか、今度はプレーンなものだけでなく、チョコチップや紅茶もいいですね。
台所に戻りました。
気合いを入れます。
よし。
プレーンな生地を作りそれを三等分して、チョコチップと紅茶の茶葉を混ぜます。
あとは、先ほどと同じ作り方をします。
クッキーを、焼いて、冷ましてを繰り返して……出来ました。
プレーンなクッキーに、チョコチップクッキー、紅茶のクッキー。
これを保存袋に入れておけばいいですね。
うーん、台所がいい匂いですね。
幸せの匂いです。
そろそろ、夕食の準備をしてもいいかな。
疲れているので簡単なもの、焼くだけのステーキを作ります。
疲れているから元気になれるものが食べたいので、手抜きはしますが、内容は豪華になりますよ。
粉末醤油とスパイスが一緒になったものを購入して、二人の肉はサーロインがいいかな?私はそんなに食べれないかもしれないので、ヒレを購入して。
ご飯を炊いたら、肉に粉末醤油の入ったステーキ用のスパイスを振りかけて焼く。
ジュウッと音がして肉の焼けた匂いがほのかにする。
うんうん、これを順調に焼いて。
お高い食材ですからね、失敗は出来ません。
ミディアムレアを目指します。
焼き上がったら、アイテムボックスに入れておいて、その間に、スーパーで紙パックのパンプキンスープや、マカロニサラダを購入して、温めたり、器に盛ったりして、時間が過ぎた。
あの二人ステーキ、一枚で足りるかな?
ふと、疑問になる。
いいや、余ったら余ったで、バター醤油でもう一枚焼いておこう。
そうと、決まれば、さぁ、焼こう。




