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80話 エリク君とリリアちゃん

 市場の入り口に着いてから、しばらくすると、糸目のお兄さん……ロイズさんが来ました。


 ロイズさんが言うには、屋台の隣の店にはもう言ってあるから、顔出しをして店の人と一緒に屋台の子どもたちの方に交渉すればいいだけの話になっているそうです。


 なんだか簡単な話になっているようですね。


 ロイズさんと一緒に店に向かいます。


 結論から言うと、店の方は良い方でした。


 なんでも店は行商をしていたころから、となりの屋台の子どもたちの母親から贔屓にされていて、当時、その母親がまだ独身でいたときに、勤めていた商会にわざわざ口利きをしてくれてまで擁護されたおかげで、この場所に店を構えることができたのだそうです。


 場所は市場の外れですが、この市場に店を構えること自体がとても難しく、外れでも、そう簡単には構えることができないそうです。


 当時、身体があまり強くなかったご主人は行商ではどんなに疲れていてもお客さんを求めて歩き回っていたのが、ここに来たら待っているだけでお客さんが来てくれることになったので身体が楽になったとその母親に感謝をしているのだそうです。


 今回の私の話も好意的に受け止められ、協力は惜しまないと言われました。


 さて、子どもたちとの交渉です。


 店のご主人と糸目のロイズさんとで話がすんなり通りました。


 私の出番はなかったです。


 交渉の結果、売り上げの半分を子どもたちに渡して、食材費などを私が持つことでいいという話しになりました。


 どうやら、子どもたちは自分たちの評判も良くなく、お客さんのこないここでやらせて私に自信を失せさせる結果になるのではと心配しているようです。


 私には、女神様からいただいた、スキル物々交換があるから無敵なんですけどね。


 ムフフ♪


 いよいよ私の無双エピソードが始まるのですね、ワクワクしますよ。


 朝に来る客もいるのですが、だいたいがお昼頃に来られるようです。


 なので料理の仕込みも遅くていいとのこと、元々、隣の店のご主人から、売れないようなグズ野菜を無料でもらって塩味をつけただけのもの、あまり売り上げは良くなかったそうで、朝早くからこなくてもいいと言われました。


 クリスさんとルイスさんの朝食もあるので良かったです。


 お兄さんがエリク君で妹さんがリリアちゃん、14才と12才です。


 お兄さん、私と二つ違いなだけですね。


 でも、二人共ずいぶんと若くみえますね。


 なんででしょう。

 

 聞いてみると、母親の血筋ほうにエルフの関係者がいたらしく、そのせいでエリク君はどうしても子どものようにみられ、他の仕事ができなかったそうです。


 なるほど、そう言われると耳の形がすこしとがっている気がします。


 美形なのはそのせいですね。


 モブとしては主人公ポジションの人物に不用意に近づいてはいけないのですが、今は非常事態。


 明日からしっかりコミュニケーションをとって商売をしたいと思います。


「じゃあ、お姉さん、明日からよろしくね」

「お姉さんよろしくです」

「フフッ、エリク君リリアちゃん、よろしくお願いします」


 二人共可愛いですね、おもわず笑みがこぼれます。


 私たちは挨拶をして別れました。


 すでに、ロイズさんは私が大丈夫そうなので途中で安心して帰っています。隣のご主人も、ロイズさんと一緒のときに店に戻り、私たちは3人で話し合っていたのですが、仲良く出来そうなので良かったです。


 よーし、明日はがんばるぞ。

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