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8話 市場で高級品

 商業ギルドに行きたかったが、今日はもう遅いなと思い、素直に薬師ギルドの部屋に帰った。


「ステータス」


【名前】高梨 由紀

【種族】人族

【年齢】16

【レベル】5

【HP 】175

【MP 】305

【攻撃力】204

【防御力】98

【筋力】135

【敏捷】87

【知力】183

【運】298

【スキル】錬金術、重力魔法、聖魔法、鑑定、アイテムボックス、世界言語、料理

【称号】女神のお気に入り


 レベルは上がっているが、あまりかわらないように見える。

 称号もそのままだし、別に女神のお気に入りになっている感じはしない。


 銅貨3枚を支払い、お湯で身体を拭く。


 早めに教会に行って清潔の魔法を覚えたほうがいいかな? と考える。

 そういえば、聖魔法を取得したまま何もしていない、教会で清潔の魔法が覚えられるなら、聖魔法の中にはないのだろうか。


「……聖魔法」


 治癒、結界、浄化。


 気になった浄化をよく見る。


『清潔なども含まれる』


 清潔あった。


 ありましたね、清潔。


 浄化は清潔の上位互換だったんですね。


 とはいえ、身体は拭いたばかり、試すには頭かな、それと、服。

 頭と服に対し浄化の魔法をかける。


 結論から言うと、頭がさっぱりした、服も綺麗になったと思う。

 これはいい。

 ステータスを見て魔力の使用量を見ても、それほど使用はしていない。

 教会に行く用事もなくなり、当面お金が必要になることはなさそうだ。

 お金が必要になるのは、調味料だろうか。

 この世界に塩はあるが醤油はなさそうだ。

 照り焼きが好きだったがもう食べられないのだろうか。

 頭の中でぐるぐるとつまらない考えが巡る。

 もう寝たほうがいい、夜につまらないことを考えてもいいことがないと聞いたことがある。

 朝になったら考えよう。


 もう寝る。


 朝がきた。

 昨日の夜はつまらないことを考えた。

 商業ギルドに行けばいいじゃないか。

 そこで醤油を探せばいい。

 なかったら考える。

 それでいい。

 

 すっきりした気分になり朝食を食べる。

 いつもと同じパンとスープだ。


 さすがに飽きる。

 三食同じだ。

 ふと思いついて、食堂の人に聞いてみる。


「すみません、食堂の調理器具とか使わせてくれないでしょうか?」


 食器を洗っていた女性が私に気がつく。


「何か言った?」 

「すみません、食堂で調理がしたいのですが」

「そうね、食堂の手伝いをしてくれたら使ってもいいわよ。ただし、食堂内の調味料とか食材を使うのは駄目、あくまでも材料持ち込みでね」

「ありがとうございます」

「さっそく今から使うのかい?」

「いえ、まだ調味料も食材も何も買っていないので」

「ふぅん、もしかしてあんた新しく来た渡り人かい?」

「あ、はい、多分そうです」


 なんだかんだと話し合い、食器を一緒に洗う。

 食事をする人は多いが、食事自体がパンとスープのみなので洗い物は簡単に済んだ。

 

「じゃあ、お昼もよろしくね」


 今日のお昼のあとに食堂の調理室を使わせて貰うことになった。

 使う時間はお昼のあと夕食の仕込み前の時間まで、使う時はその日のお昼の洗い物を手伝うこと。

 タダで使わせてもらえるのだ、ありがたいと思わなくては。

 包丁やまな板は地球とあまりかわらない。

 火だけは魔石を使っているとのことでボタン式だった。

 難しくはない。

 安心した。


 薬師ギルドの買い取りカウンターに行き、下級ポーションを買い取ってもらい、市場に出かける。


 食堂の人はサキさんといい、三十代の既婚者で子どもはいないとのことであった。

 昔からこの街に住んでいて、この街のことならなんでも聞いてくれとのことだったので遠慮なく聞いた。  

 すると、この街だけでなくどこでもそうだが、朝早く行かないと市場はいいものがないとのことだった。

 もちろん、大量にあるなら残っているが、基本的に早く行けばいいものがあるし、遅く行けば悪いものしか残っていないそうだ。


 市場に着いた。

 屋根のある大きな市場だ。

 広い。

 いくつもの小さな店が密集して販売をしているらしい。

 サキさんに聞いてきた店で買い物をする。

 美味しそうなトマトを見つけたので買ってみた。

 この世界での名前は違うのかも知れないが、トマトを買うときトマトと言ったら通じた。

 世界言語が役にたっているのだろう。

 トマトに始まりいくつもの地球と同じ野菜を見た。

 意外に種類がある。


 他の店よりも大きな肉屋に来た。


「すみません、オーク肉はありますか?」 

「オーク肉はないけどボアならあるよ」


 オーク肉は少し前に仕入れたばかりだが人気があって当日の午前中には売り切れたそうだ。

 うん、それ私食べてますよね、と心の中で思った。

 あの屋台のお肉は美味しかった。

 オーク肉に似たものがボア肉でオーク肉ほど柔らかくはないがメスの肉なら臭みがなく、美味しいとのことであった。

 ちょうどこの肉もメスなので美味しいだろうと言われ、肩ロースの部分を一塊(ひとかたまり)、金貨1枚分購入した。

 一塊(ひとかたまり)とはいえティッシュボックス程度の大きさだ。

 意外に高い。

 よく見ると奥に卵が見える。

 卵の値段を聞くと一つ銀貨2枚。

 卵は高級品らしく庶民はあまり食べないそうだ。

 そして、人混みで割られない為に店の奥にあるそうだ。

 食中毒もあるのでそこらへんを聞くと、前日生んだ卵しか置いてないらしい、売れ残りはレストランに全て卸すとのことだった。


 ……。

 結論から言おう、高級品と知りつつ、卵を2つゲットした。

 銀貨4枚。


 トマトを買ったので、好物のトマトと卵の炒めものが食べたかった。

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